■最終更新日:2026.3.18
【鳥害対策】畑や果樹園に被害を及ぼす鳥5選|作物・時期別に解説
畑や果樹園、庭木や花が鳥の被害にあって困っている──そんな方も多いのではないでしょうか。
メジロのように花粉を運ぶ役割を持つ鳥がいる一方で、ヒヨドリやムクドリ、スズメなどの身近な野鳥が、作物に被害を与えることも少なくありません。
こうした被害が繰り返されやすいのには理由があります。鳥は「安全に餌が食べられる場所」を覚える習性があり、一度被害が出た畑には、翌年以降も同じ鳥が集まりやすくなるのです。そのため、早めの対策が重要になります。
この記事では、畑や家庭菜園でよく見られる鳥害の原因となる鳥の種類や、作物ごとの被害例、そして効果的な対策について解説します。

身近な鳥でも油断できない「鳥害」
鳥は高い学習能力を持っており、一度食べ物がある場所を覚えると、繰り返し同じ場所に集まることがあります。また、渡り鳥の場合は毎年同じ地域に飛来することもあり、一度被害が出た場所では翌年以降も被害が続く…ということも。
特に果樹や野菜が熟す時期には、群れで行動する鳥によって被害が短期間で広がることも少なくありません。そのため、鳥の種類や行動の特徴を知り、早めに対策を行うことが大切です。

畑や果樹園で注意したい害鳥5選
1.ヒヨドリ
ヒヨドリは日本各地で見られる身近な野鳥です。農作物への被害額は大きく、令和5年の約3億3300万円から、令和6年には約8億600万円と大幅に増加しています。
その生活スタイルは「漂鳥(ひょうちょう)」と呼ばれ、季節によって繁殖地や越冬地を変えながら、日本国内を移動して生活しています。海外を行き来する「渡り鳥」とは異なりますが、地域によって見られる時期が変わるのが特徴です。一方、年間を通して同じ地域で暮らす鳥は「留鳥(りゅうちょう)」と呼ばれます。
関東に住む筆者にとって、ヒヨドリの「ヒィーヨ!!」という甲高い鳴き声は冬の風物詩でした。
もともとヒヨドリは山地で繁殖し、冬になると都市部に現れる鳥とされていましたが、近年では留鳥のように一年中都市部で見られる個体も増えているようです。 冬から春にかけては餌が少なくなるため、畑や庭の作物に集まりやすくなります。
ヒヨドリは葉物野菜の柔らかい部分を食べることがあり、家庭菜園ではキャベツやブロッコリーの葉が食べられる被害がよく見られます。

■被害を受けやすい作物
・柑橘類
・イチゴ
・ブルーベリー
・キャベツ・ブロッコリー
・カキ
■注意時期
冬〜春
参考:農林水産省「全国の野生鳥獣による農作物被害状況について(令和6年度)」
https://www.maff.go.jp/
2.スズメ
スズメは最も身近な鳥の一つですが、農作物にとっては厄介な存在になることもあります。
特に花や穂をつつく行動が知られており、ウメやサクラの花が落とされる原因になることがあります。
ウメやサクラに集まる鳥としては、スズメのほかにメジロもよく見られますが、両者では花との関わり方が大きく異なります。
メジロは、嘴や舌が花の蜜を吸うのに適した形をしており、花を傷つけずに蜜を吸うとともに、花粉を運ぶ役割も果たします。
一方、スズメは嘴が短く力も強いため、花をつついてしまうことが多く、ウメやサクラの花を丸ごと落としてしまいます。スズメは花を吸うのが下手くそなのです。

■被害を受けやすい作物
・イネなどの穀類
・ウメ、サクラなどの花
・トマトなどの果菜類
稲作では、穂が実る時期に大きな被害が出ることがあります。しかし一方ではイネにつく害虫を食べてくれる「益鳥(えきちょう)」としての側面も併せ持っており、上手に付き合うことが大切です。
■注意時期
春(花の時期)・秋(収穫前)
参考:大阪南港野鳥園「メジロの舌と吸蜜のお話 」
http://osaka-nankou-bird-sanctuary.com/
3.ムクドリ
ムクドリは時に数千~数万羽の大きな群れで行動するため、被害が広がりやすい鳥です。果実をつつく被害が多く、都市部の果樹や家庭菜園でも見られます。
また、大群で都市部の街路樹に住み着くこともあり、フン害や鳴き声などの騒音も引き起こします。

■被害を受けやすい作物
・ブドウ
・カキ
・サクランボ
・ブルーベリー
■住み着きやすい場所
・ねぐらになる木
群れで来ると、短時間で多くの実が食べられてしまうこともあります。
■注意時期
夏〜秋
参考:東京都環境局「ムクドリの被害状況及び対策について」
https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/
4.カラス
カラスは非常に知能が高く、さまざまな農作物を食べることで知られています。
カラスによる農作物への被害額は、鳥類による被害の中では最も多い、約13億6400万円にのぼります。これはシカ、イノシシに次いで鳥獣全体でも3番目に大きい被害額となっています。(令和6年度・農林水産省)
都市部ではゴミ荒らし、畑では種や苗を抜く被害がよく見られます。

■被害を受けやすい作物
・トウモロコシ
・スイカ
・メロン
・落花生
特にトウモロコシは皮をめくって食べることもあり、被害が大きくなることがあります。

■注意時期
春〜夏
参考:農林水産省「全国の野生鳥獣による農作物被害状況について(令和6年度)」
https://www.maff.go.jp/j/seisan/tyozyu/higai/hogai_zyoukyou/index.html
5.ハト
ハトも畑でよく見られる鳥の一つです。 地面に撒いた種や発芽したばかりの芽を食べてしまうことがあります。また、ハトは他の野鳥に比べて警戒心が弱く、あまり人を怖がらないため堂々と庭や畑に侵入して荒らしてしまうことがあります。古くは家畜から野生化した歴史をもつハトは、同じように人里で暮らすカラスやスズメに比べても、「逃げない」という意味では随一の鳥です。

■被害を受けやすい作物
・豆類
・発芽直後の野菜
・イネなどの穀類
播種後すぐの畑では特に注意が必要です。
■注意時期
春(種まき時期)~初夏
鳥害対策には防鳥ネットが効果的
家庭での鳥よけ、畑の鳥害対策にはいくつかの方法があります。
・防鳥ネット
・防鳥テープ
・かかし
・CDや反射板
・音による追い払い

しかし鳥は学習能力が高いため、追い払いだけでは慣れてしまうこともあります。
そのため、鳥害対策としてもっとも確実なのが、鳥の侵入を防ぐ防鳥ネットです。

防鳥ネットの選び方や設置方法についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
▶防鳥ネットの種類と選び方
https://tokyotobari.co.jp/tobari-net/2026/03/15/post-8093/
鳥の種類を知って早めの対策を
鳥害は、被害が出てから対策するよりも、鳥が集まり始める前に準備することが重要です。
特に果樹園や家庭菜園では、実が色づき始める時期に鳥が集まりやすくなります。
身近な鳥の特徴を知り、作物や季節に合わせて対策を行いましょう。
農業資材の会社に勤めつつ、東京都の小さな庭とベランダで家庭菜園に励んでいます。
ウメ、イチジク、バラ、ハーブ、サボテンなどを育てています。また、実生のカキとアボカドを実らせるべく育成中。
INTJ-A/花木に着く虫は割りばしで取るタイプです。















