眠れない時の自然な対処法|睡眠に役立つハーブ3選と有効成分

眠れない時の自然な対処法|睡眠に役立つハーブ3選と有効成分

■最終更新日:2026.2.17

眠れない時の自然な対処法|睡眠に役立つハーブ3選と有効成分

「眠れないアル」
「寝よう 寝ようと思う程 頭が冴えていくネ」
「寝かせろよ 私を」
──『銀魂』第153話「寝る子は育つ」(空知英秋/集英社)より引用

わかりすぎる夜があります。
なかなか寝つけないとき──ホットミルクは定番だけれど、しっかり歯磨きしないといけない飲み物。せっかくリラックスしてきたのに、「歯を磨くと目が覚める」という人も多いのではないでしょうか?
そんなときに取り入れやすいのが、植物の力を借りる方法です。 この記事では、睡眠と関わりの深いハーブ・植物について、成分の話も交えながら解説します。

眠りにつきやすいハーブティー3選

眠りは「強制」するものではなく、神経の興奮を少しずつ下げるプロセスです。
その“お手伝い”として、植物の力は眠りの入り口をやさしく整えてくれます。

1.カモミール(ジャーマンカモミール)

カモミールは地中海沿岸原産のキク科ハーブで、春~初夏に小さな白い花を咲かせます。香りは「青りんご」と例えられる爽やかさで、古くからお茶やアロマ、薬用として親しまれてきました。育て方も簡単で、庭や鉢でもOK。地植えにすると自然に増えて、群生した花畑が楽しめます。種類はたくさんありますが、ハーブティーとしてよく使われるのは一年草のジャーマンカモミール。多年草のローマンカモミールは観賞用や精油に向いています。

■主成分:アピゲニン、ビサボロール、カマズレン
カモミールに含まれている「アピゲニン」という成分は、脳のはたらきをゆるやかに落ちつかせる作用があると考えられています。
脳の中には「GABA(ギャバ)」という、神経の興奮を鎮める物質があります。アピゲニンは、そのGABAがはたらく場所に穏やかに影響をあたえるとされ、リラックスしやすい状態をつくるといわれています。

■味・香り
青りんごのような甘い香りで、草っぽさは少なく、苦みはありません。ハーブティーの中ではもっとも一般的で、ハーブ初心者でも飲みやすい味です。

参考:北海道大学学術成果コレクション(HUSCAP)「総説植物カモミールの摂食が心身に及ぼす効果」
https://eprints.lib.hokudai.ac.jp/repo/huscap

2.レモンバーム

レモンバームは、ミントのような見た目でさわやかなレモンの香りがするハーブです。
ちなみに、育てる際は繁殖力が旺盛なため、増やしたくない場合は注意してください。筆者の庭では1つの植木鉢から増えに増え、ミントまで押しのけてあらゆる場所からレモンバームが生えています…。

■主成分:ロスマリン酸、シトラール、シトロネラール

レモンバームに含まれる「ロスマリン酸」には、体内のリラックスに関わる神経伝達物質「GABA(ギャバ)」の働きをサポートする可能性が示唆されています。
そのため、「気持ちを落ち着かせる」「ストレスによる疲れをやわらげる」といったサポートが考えられています。
また、「シトラール」「シトロネラール」はレモンのような香りの成分で、レモンバームの精油に含まれています。これらの香り成分は、嗅覚を通じて自律神経に働きかけ、リラックス感を高めると考えられています。
レモンバームは眠気を誘うというよりも、ストレスや緊張をゆるめることで自然な心地よさへ導くハーブといえるでしょう。

■味・香り
やさしい、レモンに似た香りです。酸味や苦みはほとんどなく、さっぱりとした味わいです。 ノンカフェインのお茶に入れるか、葉っぱを3~4枚程度カップに入れて熱湯を注ぐだけで飲むことができます。

参考:日本メディカルハーブ協会「不安や抑うつの軽減だけでなく、日々のストレスを和らげるレモンバーム」
https://www.medicalherb.or.jp/archives/210003?utm

3.ラベンダー(ハーブティーとして)

ラベンダーは、リラックス効果で有名なハーブで、ハーブティーやアロマに幅広く使われています。香りだけでなく、飲むことで心身を落ち着かせる助けになることが期待できます。

■主成分:リナロール、酢酸リナリル
「リナロール」はラベンダーの代表的な芳香成分です。マウスを用いた実験では、香りを嗅ぐことで不安様行動が軽減されることが報告されています。
ハーブティーとして楽しむ場合も、立ちのぼる香りによって気分が落ち着くと感じる方が多いハーブです。

■味・香り
香りは甘く華やかですが、少し薬草の風味もあります。単体で飲むとクセがあるので、カモミールやレモンバームなどと少量ブレンドすると飲みやすくなるのでおすすめです。

自分好みのブレンドなら乾燥ラベンダーがおすすめです。

手軽に楽しむ場合はペットボトルも!ガツンとラベンダーが香ります。

参考:J-STAGE「リナロール香気が不安を軽減する脳の仕組み」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jao/52/2/52_112/_article/-char/ja/

2. 寝る前のケア~ハーブティーと歯の着色~

ハーブティーにもポリフェノール類が含まれます。ポリフェノールは歯の表面のペリクル(タンパク質膜)と結合し、時間経過とともに着色する可能性があります。 ただし、コーヒーや紅茶ほど強くはなく、砂糖を加えなければ虫歯リスクは低いという考えが一般的です。

■飲んだ後は?
ぬるま湯で口をすすぐのがおすすめ!
冷水は交感神経を刺激する可能性があるため就寝前は控えめに。

就寝時の口腔ケアは大事!

3. 寝室を整える~眠りに寄り添うアロマ3選~

1.ラベンダー

ハーブティーでもご紹介したラベンダー。
アロマオイル(精油)としても、もっともポピュラーなリラックスハーブです。 寝室でディフューザーに数滴垂らす、ティッシュに1滴落として枕元に置くなど、就寝前の習慣に取り入れやすいのも魅力です。

■主成分:リナロール、酢酸リナリル
ラベンダー精油の代表的な成分である「リナロール」「酢酸リナリル」は、気分の緊張をゆるめる方向に働くことが知られています。

■香りの特徴
甘くやわらかく、ややフローラル。安心感のある香りで、「とりあえず1本持っておきたい精油」といわれる定番の香りです。

ハーブの中ではポピュラーで人気のあるラベンダーですが、一方で苦手という人も多い香りです。そんな方に筆者がオススメしたいのが…香港の老舗化粧品メーカー「廣生堂」のブランド、Two Girlの「フロリダウォーター」です!
ラベンダーベースにミント、レモン、シナモンなどのエッセンスを配合した、甘いのに軽くてさっぱりとした香りです。肌につけることもできるほか、筆者はアロマ対応可の加湿器に入れて楽しんでいます。 ※加湿器に使用する場合は、必ず機器の取扱説明書を確認してください。

2.ベルガモット

ベルガモットは、紅茶のアールグレイの香りづけにも使われている柑橘系の果実です。
その果皮から抽出される精油は、爽やかさの中にほのかな甘さを感じる上品な香りが特徴です。

■主成分:リモネン、リナロール
主成分の「リモネン」は、気分を明るく前向きに整える方向に働くとされ、「リナロール」は緊張をゆるめる作用が期待されています。
そのため、ベルガモットは「落ち込んでいるけれど、神経は高ぶっている」といったアンバランスな状態に寄り添ってくれる精油といわれます。眠気を直接誘うというよりも、心のざわつきを整え、自然な眠りへと移行しやすい状態をサポートしてくれる存在です。

■香りの特徴
柑橘系のさわやかさに、ほんのりフローラルをプラスしたイメージです。
ラベンダーとのブレンドも相性がよく、寝室がやさしく落ち着いた香りになります。

3.サンダルウッド

サンダルウッド(白檀)は、古くから瞑想や宗教儀式にも使われてきた、深く落ち着きのある香木です。お香や、アーユルヴェーダ系の石鹸にもよく用いられています。

■主成分:サンタロール
主成分の「サンタロール」は、気持ちの高ぶりをしずめ、呼吸をゆったりと整える方向に働くと考えられています。甘くウッディで奥行きのある香りは、思考が止まらない夜や、頭が冴えてしまって眠れないときに特におすすめです。
ラベンダーやベルガモットが「緊張をゆるめる」タイプだとすれば、サンダルウッドは「深く鎮める」タイプといえます。眠る前の静かな時間にぴったりの精油です。

■香りの特徴
甘く、まろやかで、重厚感のあるウッディ調。
単体でも使えますが、ラベンダーに1滴加えるとぐっと落ち着いたブレンドになります。
※天然のサンダルウッドは希少資源です。購入時は産地や持続可能な栽培かどうかを確認すると安心です。

体は眠いのに、頭が止まらないとき

眠りたいのに次々と言葉が浮かんできてしまう夜もありますよね。そんなときにおすすめなのが認知シャッフル睡眠法(Cognitive Shuffle)です。

■やり方
1. 短い簡単な単語を決める(例:さる)
2. 1文字目から始まる言葉を思いつく限り並べる(さけ、ささみ…)
3. 思いつかなくなったら2文字目へ(るんば、るいべ…)

なるべく意味のない単語をランダムに思い浮かべるのがポイントです。

■なぜ効く?
脳は入眠直前、論理性の低いランダムなイメージ状態に移行します。認知シャッフルは、脳の「問題解決モード」を停止させ、前頭前野の活動を穏やかにして夢に近い思考状態へ移行させると考えられています。
要するに、自分の脳みそに「こいつ意味ないこと考えてるな~」と思ってスイッチオフしてもらえば勝ちです。

漫画家の川尻こだま先生が実践されているのを目にし、筆者も時々試しています。考えがぐるぐるめぐってしまう時におすすめの方法です。

まとめと注意点

本記事で紹介したハーブは伝統的使用や研究報告に基づく情報ですが、医薬品のように確立された治療効果が保証されているものではありません。
とくに以下の場合は自己判断で使用せず、必ず医師や薬剤師にご相談ください。

・睡眠薬・抗不安薬などを服用中の方
・他の持病で治療中の方
・妊娠中・授乳中の方

また、本記事の内容は一般的な情報提供を目的とするものであり、医療行為や診断を目的とするものではありません。不眠の症状が続く場合には病院・医師に相談しましょう。

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