リンゴは果実ではなく茎?見方が変わる意外な植物学

リンゴは果実ではなく茎?見方が変わる意外な植物学

普段よく目にするリンゴの実ですが、なんとその正体は「果実ではなく茎」です。
アダムとイブが食べた知恵の実(apple社ロゴ)であったり、ニュートンがリンゴが落ちるのを見て重力を発見したなど、なにかとエピソードの多い「リンゴ」という果物ですが、私たちの直感に反する意外性を持っている果物でもあります。

リンゴの実の正体は「茎」である。
目にする、口にする機会が多い果物であるだけに意外に思われる方が多いのではないでしょうか?

【悲報】私たち果実ではありませんでした

リンゴは果実ではないって本当?

「リンゴは果実ではない」と聞くと、驚く人が多いとおもいます。
実際に筆者もこんな記事を書きながらも、未だ半信半疑の状態です。
しかし結論から言うと、リンゴの実は植物学的には「茎」にあたります。私たちが食べている赤くて甘いリンゴの実と呼ばれるの部分は、受精した子房ではなく、後述するリンゴの別の部位だったのです。
このように、果実以外の組織が発達してできた実を持つ果物は「偽果(ぎか)」と呼ばれ、リンゴはその代表例される植物です。

食べているリンゴの実の正体

私たちが普段食べているリンゴのシャキッとした果肉部分は、雌しべや雄しべを支える「花托」という部分が大きく成長したものです。
見た目も味も完全に「実」ですが、植物学的には子房に由来するいわゆる「果実」ではありません。
リンゴの花が咲いたあとに、中心部だけでなくその周囲の組織ごと大きく成長するため、果実のような形になります。
この少し変わった構造をしているリンゴは、「実は茎の部分を食べている」という不思議な果物なのです。

リンゴの「本当の果実」はどこにある?

誰もが果実だと思う部位が果実でないとすると、いったい本当の果実はどこにあるのでしょう?
リンゴの本当の果実は、あまり食べない「芯」の部分にあります。
リンゴを横に切ると、中央に星形の部屋が現れます。この切り方は星が現れることから「スターカット」と呼ばれていますが、この部分が受精した子房が成熟した部分です。中には種子が入っており、ここが植物学的に定義される「果実」にあたります
つまりリンゴは、中心に本物の果実を持ち、その外側を花托が膨らんでできた組織(一般的なリンゴの可食部)が包み込んでいる構造だと言えます。

リンゴを横に輪切りにしたとき現れる星(スター)。

なぜリンゴは果実だと思われてきたの?

リンゴが「果実」だと思われてきた最大の理由は、やはり「見た目」です。
リンゴを初めて見て、これは果実ではなく茎だなんて思える人はいないのではないでしょうか?
しかしその直感と植物学における果実の定義は異なります
私たちは日常的に、美味しく成長した実のことを果実や果物と呼びますが、植物学では「子房が成熟したもの」が果実です。見た目も味も完全に果実らしいリンゴは、実際の構造まで言及されることが少なく、結果として「本来は茎である」ことに目が向けられなくなりました。

【まとめ】リンゴは果実?茎?

結論として私たちが食べている「リンゴ」は茎部分です。
しかしよくよく考えると、私たちが想像するリンゴの実の中には、中心に芯となる「果実」が含まれてます。そのため、リンゴは「果実か、茎か」と二択で考えること自体が間違いなのかも知れません。
より正確には、中心の芯は果実、私たちが食べている部分の多くは茎だと言うのが正しいと思います。
リンゴは、果実と茎由来の部分が一体となった「偽果」に分類される果物です。
普段当たり前のように食べているリンゴですが、その正体を知ると、果物を見る目が少し変わってくるのではないでしょうか?

密も果実(芯)ではなく、花托(可食部)に集まりやすい。

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