この根、食べられる?最も誤食・食中毒が多い有毒植物「スイセン」
ニラやタマネギと似ているため、毎年のように食中毒事故が起きているスイセン。
実はこの植物、日本で最も誤って食べられやすい有毒植物のひとつです。
本記事では、スイセンの持つ毒性や見分けるポイントについて整理していきます。

この根は有毒植物であるスイセン。「食べられません」
問題の画像の植物は「スイセン」です。
結論から言うと、スイセンの根(球根)は食べられません。根の見た目はタマネギやニンニクに似ているため、誤って収穫・調理される事故が毎年のように報告されていますが、スイセンの球根には有毒成分が含まれており、少量でも体に強い影響を及ぼします。
「根だから大丈夫」「昔から生えているから安全」といった判断は非常に危険です。食用植物と確実に区別できない場合は、口にしないことが唯一の正解と言えると思います。

スイセンの持つ毒性について
スイセンにはリコリン(lycorine)をはじめとする、複数の有毒アルカロイドが含まれており、根や草、花、全てが有毒です。特に球根部分には毒が多く、誤って食べると吐き気、嘔吐、腹痛、下痢などの症状を引き起こします。
リコリンは消化器や神経系に作用し、少量でも体調不良を引き起こすことがあります。加熱や乾燥によっても毒性は分解されないため、調理しても決して安全にはなりません。火を通せば大丈夫…などと安易に考えないようにしましょう。
有毒植物の中で最も誤食が多いスイセン
良く見れば簡単に見分けがつく、そう思えるかもしれませんが、実は有毒植物の中で最も誤食が多いのが、このスイセンです。
■10年で73件もの誤食が発生
厚生労働省によると、スイセンの誤食による食中毒は2015年から2024年の10年間で73件発生。毒キノコを除くと、有毒植物による食中毒は最多となるそうです。死亡例も1件が確認されています。
有毒植物による食中毒の第2位となる「イヌサフラン」の発生件数が10年間で22件であり、実にスイセンはその3倍以上の誤食が起こっています。
こうしてみると、いかにスイセンは注意が必要な植物かがわかると思います。
参考:TBS NEWS DIG「10年で73件1人死亡 スイセンによる食中毒~」
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1858200

スイセンは何と間違える?見分けるポイントは
スイセンと間違えやすい野菜はいくつかありますが、その代表的なものを紹介します。
下記にあげた野菜4種は2015年からの10年間で実際に、見間違いでスイセンを誤食してしまった事例のある野菜です。
■間違いやすい野菜例
【スイセンと間違えやすい代表的な野菜】
・ニラ(葉を誤食)
・ノビル(葉を誤食)
・タマネギ(鱗茎を誤食)
・ニンニク(鱗茎を誤食)

■スイセンを見分けるポイント
スイセンは細長く平たい葉を持ち、ニラやノビル、タマネギの若葉と見た目がよく似ています。
見分ける最大のポイントは「匂い」です。葉を強くこすったとき、スイセンでは多少青臭い匂いがする程度ですが、ニラやタマネギ、ニンニクなどでは独特の強い香り(硫化アリル)が感じられます。
またスイセンは、葉が中空ではなく平たい板状です。株元から放射状に葉が伸びる傾向もありますが、これらは判断が難しい場合も多いと思います。確信が持てない植物は収穫しないことが最も確実な判断方法です。
まとめ|確信を持てない植物は口にしない
本記事では、誤食の多い有毒植物であるスイセンについて紹介してきました。
スイセンの食中毒発生件数は、毒キノコを除く有毒植物の中で、ダントツと言える第一位となっており特に注意が必要な植物であるという事が出来ます。
スイセンは葉も根も毒性を持っており、似た野菜と見分ける最大のポイントは「スイセンは匂いがしないこと」とされています。
とは言え、匂いの感じ方は個人差だったり、そのタイミングでの周辺環境でかわってしまいます。
最も大切なことは、確信を持てない限り、スイセンに限らず不明な植物は口にしないことです。その植物が野生であったり、自身が育てた記憶がない場合は特に注意しましょう。
東京戸張株式会社のWEB担当。
兼業農家に生まれ、家庭菜園と米づくりの経験は20年近くとなる。
副業でミミズを育て売るというかなり特殊な父親に育てられた。
土いじりもパソコンいじりも好き。だが、この世界で最も嫌いなものはきゅうり。













