見た目は果物?でも要注意。毒性を持つこの植物を知っていますか?|チョウセンアサガオ
形だけを見ると、野菜や果実のようにも見え、「食べられるのでは?」と感じる人も少なくありません。実際、家庭菜園の近くや耕した土の上に、突然生えてきたように見えることもあります。
この植物の名前は「チョウセンアサガオ」。この実は見た目とは裏腹に、決して口にしてはいけない植物です。
知らずに触ったり、果物や野菜と勘違いしたりすると、思わぬ危険につながることもあります。

チョウセンアサガオの実は食べられる?
写真の植物は「チョウセンアサガオ」です。チョウセンアサガオの実は食べられません。
え?チョウセンアサガオ?と感じた方、少しだけ解説をお待ちください。
見た目が丸く、植物に詳しくないと食用の実と誤解しやすいですが、観賞用・野生植物であり、食用として利用されることはありません。特に実の中には強い毒性成分が含まれており、誤って口にすると健康被害を引き起こすおそれがあります。庭や公園で見つけても、食べない・口に入れないことが基本です。
チョウセンアサガオは、白、または薄紫色のラッパ状の美しい花を咲かせ、観賞用として人気があるため、目にしたことのある方も多いと思います。

チョウセンアサガオに含まれる毒
【チョウセンアサガオに含まれる主要な毒】
・アストロピン
・スコポラミン
チョウセンアサガオが有毒とされる理由は、アトロピンやスコポラミンなどのアルカロイド系毒素を含むためです。これらは神経系に作用し、摂取すると幻覚、錯乱、動悸、吐き気などの症状を引き起こすことがあります。
本記事では実だけを取り上げていますが、その毒性は実だけでなく、葉や花、種子にも含まれており、加熱しても安全になるわけではありません。そのため、観察対象として扱うにとどめ、食用にしないことが重要です。
【要注意!】トゲがないため気づきにくい
ここが、この問題の最大のポイントです。
チョウセンアサガオの毒性は知っていても、この実がチョウセンアサガオだと気づかない方、かなり多いのではないでしょうか?(実は筆者も本記事を書くまで、全く気付きませんでした…)
ここからが、この問いの違和感の最大の理由です。
普通のチョウセンアサガオの実はトゲで覆われており、非常に印象に残りやすい見た目をしています。
一度見た人であればチョウセンアサガオの実の姿をかなり高い確率で覚えていると思います。
しかしチョウセンアサガオの中には「トゲナシヨウシュチョウセンアサガオ(棘無洋種朝鮮朝顔)」という、トゲのない種が存在します。
チョウセンアサガオはトゲが印象に残りやすいからこそ、間違えてしまうポイントだと言えると思います。そして残念ながらトゲのあるなしにかかわらず毒性は同じです。

また、トゲのないチョウセンアサガオの実は、「森のアイスクリーム」とも呼ばれる「アテモヤ」の実によく似ています。実を割ってみると違いは明白なのですが、アテモヤの知名度がまだ大きくないだけに、誤食される可能性は少なくありません。

普通のアサガオとの違い
チョウセンアサガオは名前に「アサガオ」と付いていますが、夏の風物詩「アサガオ」とは全く別の植物です。普通のアサガオはヒルガオ科でつる性ですが、チョウセンアサガオはナス科で、低木状に自立して育ちます。
花は大きくラッパ状でよく似ていますが、葉が大きく厚みがあり、全体的にワイルドな姿が特徴です。そのため同じ「アサガオ」の名を冠しても性質が大きく異なります。
とは言っても、私たちの良く知る「アサガオ」も実際には食べることはできません。特に種に含まれる「ファルビチン」には強い下剤作用があることが知られています。
実の大きさ・葉の特徴と見分け方
チョウセンアサガオの実は直径5〜8cmほどで、特に未熟なうちは緑色で、野菜や果実のように見えるため注意が必要です。
葉は大きく幅広い卵形で、縁に浅い切れ込みが入り、触るとやや柔らかい感触があります。ナスやジャガイモの葉に似ていますが、葉が不規則に大きく、独特の臭いがある点が見分けるポイントです。
まとめ
チョウセンアサガオの中でも、特にトゲのない(目立たない)ものは、見た目だけでは判断が難しく、野菜や果実と勘違いされやすい存在です。特に、自然に生えているように見えると「食べられるのでは」と思ってしまいがちですが、正体を知らずに触れたり口にしたりするのは、やはり危険な行為です。
植物の中には、観賞用として持ち込まれたものが種を残し、後から自生するように見えるケースも少なくありません。
不明な植物を見つけたときは、安易に扱わず、特徴を確認することが大切です。見慣れない実ほど慎重に、それがたとえ身近な場所であっても、正しい知識を持って向き合いましょう。
東京戸張株式会社のWEB担当。
兼業農家に生まれ、家庭菜園と米づくりの経験は20年近くとなる。
副業でミミズを育て売るというかなり特殊な父親に育てられた。
土いじりもパソコンいじりも好き。だが、この世界で最も嫌いなものはきゅうり。











