【防疫ネット】豚熱・鳥インフルなどの伝染病予防に、非オーダーだから迅速設置
農業資材ネットには様々な種類が存在します。
果樹や野菜などの作物の栽培においては、防風ネットや遮光ネットなど暴風や強烈な日照りのような自然災害の対策のためのネットがよく知られています。
一方でニワトリや牛など、畜産を安全に行うために重要となる農業ネットが「防疫ネット」です。畜産において最も被害が大きくなる災害は、主に海外より持ち込まれる伝染病であるためです。
本記事では畜産において必須と言える「防疫ネット」についてご紹介していきたいと思います。

鳥インフルエンザの発生時期は早まっている!
防疫ネットの緊急性としてはじめに紹介しておきたいのが、鳥インフルエンザの発生時期の問題です。
近年、高病原性鳥インフルエンザの発生時期が早まっていることが、今年(令和7年)9月8日の農林水産省主催のオンラインセミナーで報告されました。
日本では鳥インフルエンザは主に冬季に発生しており、例えば約10年前となる2014年では鳥インフルエンザが国内で初めて確認されたのは「11月14日(島根県)」でした。しかし昨年2024年の発生は「10月17日(新潟県)」と、10年で1ヵ月近く発生時期が早まっています。
■温暖化の影響
鳥インフルエンザの発生の早まる一つの要因として、温暖化の影響でウイルスが活発になりやすい温暖な環境が広がり、感染拡大の時期が早まっている可能性があります。
また、渡り鳥の移動時期がや移動ルートが変化し、ウイルスが早期に日本に到達するケースが増加していると考えられています。

■ウイルスの変異
もう一つの要因とされるのが鳥インフルエンザウイルスの変異です。鳥インフルエンザウイルスは「RNAウイルス」であるため高い変異率を持っています。
H5N1型は最もよく知られている鳥インフルエンザです。H5N1型はこれまでアジアで多く見られましたが、近年ではヨーロッパやアフリカ、アメリカ大陸にも広がりを見せています。
環境が変わることでウイルスがより感染力の強いものへと変異し、またアジアへとかえってくることも懸念されています。
防疫ネットで対策を
上記のような高病原性鳥インフルエンザを代表とする家畜伝染病の感染を防ぐには、ウイルスを持つ生物(野鳥)との接触を物理的に断つことが最も有効です。そのための手段が防疫ネットの設置です。
■防疫ネットとは
防疫ネットとは、家畜伝染病を防ぐために設置されるネット(網)の総称です。「疫」という字は流行病や悪性の感染症を示す漢字であり、字のごとくそれを防ぐのが防疫ネットの役割です。
防疫ネットは野鳥の畜舎への侵入を防ぎ伝染病を持ち込ませないことが最大の目的となります。防ぎ方は非常にシンプル、ネットで物理的に多生物の侵入を遮断することです。
畜舎に張られる「防鳥ネット」や「防虫ネット」などが防疫ネットの代表例であると言えます。

■ネットの設置が義務化
飼養する家畜の種類にもよりますが、防疫ネットの設置が義務となっている場合があります。(フェンスでの代用可)その代表としてニワトリ、豚が挙げられます。
ニワトリ・豚においては「飼養衛生管理基準」の中で、野生動物による病原体の侵入を防ぐためにネットの設置が定められており、ネットの設置されていない畜舎で鳥インフルエンザや豚熱(豚コレラ)が発生し殺処分となった場合には、補償金が大幅減額であったり支払われないケースもあります。
単純に感染病対策と言う一面だけでなく、万が一の際の補償金を確保する面でも、ネット設置は必ずすべき対策の1つだと言えます。
参考:農林水産省「飼養衛生管理基準(病原体侵入防止に必要な設備)」
https://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/katiku_yobo/k_shiyou/attach/pdf/index-167.pdf
■感染例のある農場ほど発生しやすい
防疫のための知識として意識すべきことの1つは、鳥インフルエンザの発生は同じ場所で起きやすいと言う点です。
農林水産省の発表によると、過去4シーズンで鳥インフルエンザの発生のあった農場での発生率は5.2%で、発生のなかった農場の約23倍にも上るそうです。再発の起こった農場の特徴として、周辺に水田や池・沼などの野鳥が訪れやすい場所があったことが指摘されています。
過去に感染例がある場合は尚更ですが、感染のないケースでも畜舎周辺に水場がある場合は特に注意が必要と言えるでしょう。

家畜伝染病の代表的な種類
家畜伝染病には飼養する家畜ごとに多くの種類がありますが、近年国内で発生している代表的なものを紹介したいと思います。
■高病原性鳥インフルエンザ
家畜伝染病の代表と言ってもいいのが高病原性インフルエンザです。ニワトリなどの家禽類にとって非常に脅威となる伝染病で、致死率が高いことでも知られています。
感染した場合には殺処分となるため、卵の値上りとあわせニュースで取り上げられ話題になることも多いと思います。
感染経路として渡り鳥により大陸より運ばれ、その糞にウイルスが含まれます。湖沼・河川・水田などで渡り鳥が糞をした際の汚染された水や飼料を家畜が摂取することで感染します。
感染時は低病原性であったとしても、畜舎の中で他の鶏へと感染を繰り返す中で変異し、高病原性と変わることも報告されています。
いわゆる人獣共通感染症で、人間にも感染することがあります。
主に冬の間に流行しますが、先述の通り近年発生が早くなっていることも大きな特徴です。
■豚熱(豚コレラ)
豚熱(とんねつ)は、豚・イノシシ間で発生する、豚熱ウイルス(CSFV)を原因とする致死率の高いウイルス性感染症です。かつては豚コレラと呼ばれていましたが、人間に対してのコレラと混同してしまうため、2018年に農水省により「豚熱」と名称が定められました。
感染が確認された場合、殺処分となることが法的に義務付けられています。感染力が非常に強い病気ですが、ワクチンが存在し国内ではワクチン接種が進んでいます。
国内での主な感染源は野生のイノシシで、豚熱ウイルスの保菌者となる場合が非常に多いです。
まだ日本では確認されていませんが、海外ではワクチンの存在しない「アフリカ豚熱」も猛威をふるっています。
■ランピースキン病
昨年2024年11月に国内ではじめて発生したのがランピースキン病です。福岡県・熊本県の2県で発生しましたが、現在は終息しています。
ランピースキン病は、ランピースキン病ウイルスによって引き起こされる牛や水牛の病気で、皮膚に結節が生じ、悪化すると細胞が壊死し体に穴を開いてしまう皮膚病です。死亡率は高くなく1~5%程度ですが、ランピースキン病に感染した場合、家畜伝染病予防法の規定に基づき殺処分となることが決まっています。
主な感染源は、蚊やダニ、特にサシバエと言った吸血昆虫で、対策には「サシバエネット」が非常に有効です。人間が感染したという報告は今の所ありません。
参考:農林水産省「ランピースキン病に関する情報」
https://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/lsd.html
防疫ネットの設置は東京戸張へ
弊社、東京戸張は鳥インフルエンザや豚熱対策に必須となる防疫ネット(防鳥ネット)の販売を行っています。東京戸張で取り扱う防疫ネットには以下のような特長があります。
■オーダーメイドではない。だから安価
東京戸張の防疫ネットはオーダーメイドではありません。非オーダーです。
オーダーメイドでないと畜舎に合うかわからないと不安に思われるかも知れませんが、意外とそんなことはありません。東京戸張の防疫ネットは「高さ3m×幅80m」で作られています。
これは、これまで多くの防疫ネットを設置してきた弊社の経験則に基づき決定されたサイズで、現在主流となる畜舎の大きさに対応し、障害物を避け若干の余裕を持てる大きさとなっています。
このサイズに固定されている最大のメリットは、加工がいらない分やはり安価であることです。
■在庫があれば、即出荷が可能
オーダーメイドでないことにはもう一つ利点があります。
それは加工する必要がないため在庫さえあればすぐに出荷が可能という事です。
オーダー加工の場合、一般的に短くとも2週間近くの納期が必要となり、緊急時に間に合わない可能性があります。そのリスクを回避できるのも非オーダーメイドならでは、と言えます。
■こだわりの目合い17mm
東京戸張の防疫ネットは目合い(網目の大きさ)が17mmとあまり見られないサイズです。
通常のアニマルネットは16mmであることが多いですが、この1mmの差が畜舎の風通しを向上させます。感染病の予防には空気の滞留を防ぐことがポイントの1つとしてあげられます。この点は人間であっても同じと言えると思います。こまめな換気が風邪の予防につながることと同様です。
17mmにはもう一つ理由があります。
「飼養衛生管理基準」の中で、野生動物(特に野鳥)の侵入を防ぐためのネットの網目の大きさは20mm以下と定められているためです。
ネットは変形に強いラッセル織で作成されていますが、どうしても多少のズレは起こってしまいます。
ズレが発生した際でも、目合いが万が一にも20mmを越えないよう、安全のために17mmの目合いが選択されています。
防疫ネット(防鳥ネット)の導入や修復、張り替えをご検討さている方は、是非下記のご連絡先より最寄りの営業所、もしくはWEBフォームよりご相談ください。
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