■最終更新日：2025.12.19
【5分でわかる】ビニールハウスの強風対策｜台風・突風で壊れない補強アイテム
台風や突風によるビニールハウスの被害は、毎年どこかで必ず発生しています。
「今まで大丈夫だったから」と油断していると強風ひとつで被覆が破れたり、骨組みが歪んでしまったりすることも少なくありません。特に被害が多いのは、ハウス自体が弱いのではなく、補強が足りていないケースです。
この記事では、短時間でポイントを押さえられるよう、ビニールハウスの強風対策として効果の高い補強アイテムなどを紹介します。
※本記事は5分での可読文字数とされる1,500～2,000文字を目安に書かれています。
なぜビニールハウスは風に弱い？
ビニールハウスが風に弱い最大の理由は、被覆に使われるフィルムが風を受けやすい構造にあるためです。特にハウス側面は風が垂直に当たるため、風の力を正面から受け止めることになります
その中で、強風時にはフィルムがばたつくことで風圧が一点に集中し、固定部や骨組みに大きな負荷がかかります。この繰り返しが、フィルムの破れや金具の緩み、パイプの変形につながります。
フィルムに穴が開きハウス内部に風が入り込むと、内圧が高まり、外側からの風と合わさって被害が一気に拡大し、倒壊するおそれもあります。構造上、風を逃がしにくい点もビニールハウスが強風に弱い理由のひとつです。
対策1：バンドやネットでのフィルムの被覆
最も一般的な対策は「ハウスバンド」や「ハウス押さえネット」を使ったフィルムの被覆です。
これらは、ビニールハウスの被覆を安定させ、強風による被害を防ぐための基本的な資材と言えます。ビニールの上から均等に押さえることで、ビニールハウスの強風被害の最大の要因となる、フィルムのばたつきを抑え、風圧が一か所に集中するのを防ぎます。
ハウスバンド間隔が広すぎると、そこから風を受けやすくなるため注意が必要です。押さえネットは面で支えるため、突風時にも効果を発揮します。
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対策2：骨組みの強化
ビニールハウスの強風対策では、被覆だけでなく骨組み自体の強化も大切です。
補強パイプを追加することで、アーチの変形や倒伏を防ぎ、風圧を全体に分散させる効果が期待できます。
特に出入口の周辺やハウスの端部は負荷がかかりやすく、重点的に補強することが有効です。中央部だけでなく縦方向や斜め方向にパイプを入れることでも突風時の揺れを抑制することが可能です。既存のハウスにも後付けしやすく、被害軽減につながる現実的な対策のひとつだと言えます。
対策3：防風ネットの設置
ビニールハウスに直接手をかけない方法として有効なのが、防風ネットの設置です。
ハウス周囲に防風ネットを設置することで、風の力を大きく弱め、突風や吹き返しによる被害を軽減できます。風を完全に遮るのではなく、適度に通す構造のため、風圧が一気に集中しにくい点が特長です。
防風ネットの設置は、ハウスから少し離して展張することで効果が高まります。台風対策としてだけでなく、年間を通じ安定した運用を行うためにも役立つ資材だと言えます。
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時間がない、費用がない、緊急の対策は？
上記のように、ビニールハウス自体を補強することや風の力を弱めることが、基本的な対策となりますが、時間も費用もかけられない緊急の際に行うべき対策は、とにかくビニールハウスの周囲を片付けることです。
それだけ？と思うかも知れませんが、非常に重要なポイントです。
ビニールハウスのフィルムが破れる主要な原因として、フィルム自体のバタつき以外に、強風で吹き飛ばされた飛来物による衝撃が考えられます。
風に飛ばされたバケツや木の枝、軽量な資材などがフィルムに穴を開けてしまうケースは決して少なくありません。特に台風や強風の予報があった際は、必ずビニールハウス周辺を片付けるよう心掛けましょう。
まとめ｜事前準備が最も大切！
ビニールハウスの強風対策は、「壊れてから考える」のでは遅く事前の補強が何より重要です。押さえバンドや補強パイプで骨組みを強化し、防風ネットなどで風そのものを和らげることで、被害のリスクは大きく下げられます。
強風対策にかかる手間やコストより、ビニールハウスが倒壊してしまった場合の被害を想定してみると、対策の重要性がわかりやすいと思います。
また、お金をかけない対策としてビニールハウス周囲のものを片付けるだけでも、ハウスを損傷するリスクを大幅に減らすことができます。台風や突風は避けられませんが、備えはできます。
被害ゼロで乗り切るためにも、早めの対策を心がけましょう。
農業資材のプロとして、防鳥網や防風ネットなどの製品販売、施工、
その後のサポートまでワンストップで手掛けています。
現場でのさまざまな経験を基に、皆様の役に立つ情報を発信していきます。
