鳥害対策の決定版!防鳥ネットが役立つ場所とその効果を徹底解説
都市部から農村まで、私たちの生活の周りにはさまざまな鳥が存在します。
鳥は季節の変化や自然の豊かさを感じさせてくれる一方で、作物を荒らす食害、建物や歩道を汚すフン害、騒音など、鳥によるトラブルは思いのほか深刻で、地域や作業現場の悩みの種にもなっています。中でもムクドリやカラスなど大群で集まる鳥の被害は一気に拡大し、対策の重要性が増しています。
こういった背景の中、注目され多く普及しているのが「防鳥ネット」です。
シンプルながら高い効果を発揮し、幅広い場所で、さまざまな目的で活用されています。
このブログでは、鳥害の種類や、どんな場所で防鳥ネットが役立つのかをわかりやすく紹介していきたいと思います。

鳥害とはどのようなもの?
防鳥ネットについて解説をする前に、鳥の被害とはどのようなものでしょう?
実は「鳥害」と呼ばれる鳥からの被害は、ひとつの特定を被害を指す言葉ではなく、さまざまな種類があります。代表的なものを挙げて行きたいと思います。
【主な鳥害の種類】
・作物の食害
・鳴き声や羽音などによる騒音
・糞による汚れや腐食
・火災や家屋損傷
■作物の食害
真っ先に思いつくのが、農作物の食害だと思います。シカやイノシシ、サルなどと同様に鳥も畑や果樹園へ侵入し、作物を食い荒らすことが少なくありません。
その被害額は農林水産省のデータでは令和5年度で「13.6億円」にも上ります。
また、作物だけではなく、ゴミ捨て場を漁るカラスというのは日本全国で非常に多く見られる光景ではないでしょうか?
■鳴き声や羽音などによる問題
特に鳥が屋根や軒下に住み着いている場合に、鳥の「鳴き声」や「羽音」などの問題が発生します。
都市部では市街地でもムクドリの大合唱を聞くことがあるかもしれません。ムクドリの大群による鳴き声は70~80デシベルほどで、走行中の電車内、パチンコ店内、救急車のサイレンに相当する大きさです。
■糞による汚れや腐食
鳥の糞は非常に酸性が強いため、屋根や外壁、窓などに付着すると、時間が経つにつれて建材を腐食させるていきます。特に金属部分(屋根の鉄板や雨樋など)に付着すると、錆びの原因となり、長期的には柱や屋根の寿命を縮めてしまいます。
■火災や家屋損傷
意外と知られていないのが火災のリスクです。
鳥は電線や屋根の隙間に巣を作ることがあります。乾燥した草や羽毛が巣に使われることがあり、それが火災の原因となることがあります。その他にも、巣が風に飛ばされて屋根の排水口や雨どいを塞いでしまうことで雨漏りや建物の損壊に繋がってしまうケースもあります。
このような鳥害を防ぐために用いられる手段が「防鳥ネット」になります。
防鳥ネットの特長
上記のような鳥害の対策として、多く用いられるのが防鳥ネットです。おそらく町を見渡せば多くのシーンで防鳥ネットが使われていることに気付くと思います。
なぜこれほど防鳥ネットは普及しているのか、防鳥ネットの特長について考えて行きたいと思います。

■鳥を物理的に遮断できる
防鳥ネットは鳥を物理的に遮断することができるため、圃場の最強の盾と言える存在だと思います。
畑を守る代表的なアイテムと言えば、真っ先に思い浮かぶのが「案山子(かかし)」ではないでしょうか?またCDなどがぶら下がっているものを見ることもあると思います。
これらは鳥を警戒させ近づけなくさせることを目的とし設置されますが、時間が経つと鳥は慣れてしまい、それらを無視し作物に取りついてしまいます。
これが畑でなく、建物の屋根や街路樹でも同様のことが言えます。結局のところ、鳥に触れさせない、侵入させないことが最も効果的な対策となるです。
鳥が通る道を塞ぐ防鳥ネットは「確実さ」と「安定した効果」が期待できる優れたアイテムです。
■使いやすく経済的
防鳥ネットは、やはり「使いやすさ」そして機械に比べ「安価」である点でも優秀であるといえます。使い方に関しては、極端なことを言えば拡げて結べば設置完了だといえ、イメージもつきやすいと思います。一方で、精密機械を考えてみましょう。操作は複雑化し、メンテナンスも自分ではなかなか難しいのではないでしょうか?
網は長い歴史の中で細部こそ変われど大きな変化のない製品だと言われています。それだけ完成した機能性が網には備わっています。
■非致死的で人道的
もし作物を荒らす鳥がどんなに害鳥に感じられても、その鳥を殺したり捕獲することは原則禁止されています。それだけでなく卵を採取することも禁止されています。
これは「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」、いわゆる「鳥獣保護法」により国により定められています。
防鳥ネットであれば、作物を守りながら、鳥を傷つけることもありません。
防鳥ネットはどんな場所、目的で使われる?
それでは実際に防鳥ネットはどのような場所や目的で使われるのでしょうか?一番目にするのはゴミ捨て場かも知れませんが、実はかなり広範囲の田畑や建物を守るためにも使われています。
1.農作物を守る
田畑や果樹園などの圃場に防鳥ネットを張ることは、「防鳥ネットの最も主要となる使い方」であると言えると思います。
田畑に防鳥ネットを張る最大のメリットは、作物の収量確保と品質向上に直結する点にあります。
ヒヨドリやカラスなどの害鳥による食害を物理的に防止できるため、成熟期の果実・穀物・葉物野菜を安定して守ることができます。特に一部だけをついばまれる“食害の初期被害”を抑えられることで、病気の侵入や傷みの拡大も防ぎ、品質の高い作物をつくることができます。
また、防鳥ネットは農薬に頼らずに済むため、環境負荷を減らし有機栽培や減農薬栽培とも相性が良い点が大きな魅力といえます。
軽量で扱いやすく設置や撤去が簡単なため、作物や季節にあわせて柔軟に使用するできます。それだけでなく、全面を覆うタイプやトンネル状にするタイプなど作物に応じた設置が可能で、通気性や採光性も確保されるため、生育環境を損なわずに害鳥対策を行えます。
このように防鳥ネットは田畑や果樹園での生産性・安全性・持続可能性を高める経済的で効果的な手段だと言えます。

2.建物を守る
あまり知られていないかも知れませんが、防鳥ネットは駅や倉庫などの天井に多く設置されています。
もし電車に乗る機会がありましたら、特にホームで天井を見上げてみると防鳥ネットが張られているかもしれません。
駅や倉庫などの天井に防鳥ネットを張るメリットは大きく二つあります。
第一に、鳥の侵入を物理的に防ぐことでフン害や羽毛の散乱を大幅に減らし、衛生環境を維持できます。実は鳥のフンは非常に強い酸性で腐食性があり、建物の柱や設備などを劣化させる原因となります。このため防鳥ネット設置は資材の品質保全にも重要な役割を持ちます。
第二に、鳥が巣を作ることを防止でき、害虫発生やダニの繁殖など二次的なトラブルを抑えられます。また鳥が飛び交うことでの従業員への作業妨害を防ぎ、安全性向上につながります。
防鳥ネットは軽量で設置しやすく、既存の建物構造に大きな負担をかけません。視界を遮りにくく、通気性も保たれるため、環境を損なわずに長期的な防鳥効果を得られる点も非常に効果的であると言えます。
総合的に考えると防鳥ネットは「清潔・安全・保全」の3つを同時に実現する合理的な対策といえます。

3.景観や都市環境を守る
駅前などで街路樹に防鳥ネットが張られているシーンを見たことことがあるかもしれません。
特にムクドリ対策として街路樹に防鳥ネットを張る取り組みは多くの自治体で行われています。
街路樹に防鳥ネットを張ることで都市環境の衛生・安全・快適性を総合的に向上させることができます。
ムクドリやハトなどが街路樹に大群で集まると、大量のフンが歩道や車道、ベンチ、建物に落ち、悪臭や汚れなど都市環境が大きく悪化します。防鳥ネットを設置することで鳥が樹上にとまることができず、ねぐら化を防止できるため、このような衛生被害を大幅に軽減することができます。
また、鳥の騒音が夜間の生活環境を悪化させる問題に対しても騒音ストレスの低減につながります。それだけでなく、巣作りによる枝折れや樹木の損傷を防ぎ街路樹の維持にも貢献します。
防鳥ネットは軽量で樹形に沿って設置しやすく、景観を極力損ねないまま効果的な対策が可能である点も大きなメリットです。

4.畜舎を守る
鶏舎や豚舎にも多く防鳥ネットは展張されています。
畜舎に防鳥ネットを張る目的は、家畜の健康管理と施設の衛生維持、特に鳥インフルエンザや豚コレラのような感染症の防止が第一の目的となります。
防鳥ネットの畜舎への展張は、農林水産省より「飼養衛生基準」として目合い20mm以下のものの設置定めれており、必須の設備となっています。(フェンスでの代用も可能)
防鳥ネットは軽量で通気性も確保されるため、畜舎内の空気の滞留を極力防ぎながら、野鳥や野生生物の侵入を防ぐことができます。

まとめ
いかがだったでしょうか?
鳥害は農地だけでなく、倉庫、畜舎、街路樹、本記事では取上げませんでしたが、ベランダやゴミ集積所など、さまざまな場所で発生し、作物被害・衛生の悪化・騒音などの深刻な問題を引き起こします。
これらの被害を効果的に抑える手段として、防鳥ネットは非常に有効であり、広く普及しています。
物理的に鳥の侵入や滞留を防ぎながら、通気性や採光性を保てるため、環境を損なわずに被害だけを抑えられる点が防鳥ネットの大きな強みと言えます。
農地では作物保護、倉庫では資材の衛生管理、畜舎では家畜の健康維持、街路樹ではムクドリのねぐら化防止やフン害軽減など、用途ごとに確実な効果が期待できます。
防鳥ネットには数多くの規格が存在し、対策する害鳥や設置する場所によって使い分けることも重要です。本ブログでも数多く防鳥ネットに関する記事が書かれていますので、是非参考にしてみてください。
農業用とははなりますが、ネットの張り方が分からない方向けに、展張方法を動画でもご紹介しています。











