家庭菜園の冬支度|11月に植えたい野菜とプランターの霜対策
秋冬野菜を楽しむ11月の家庭菜園
秋も深まり、朝晩の冷え込みが増す11月。家庭菜園では、冬越し野菜の植え付けや寒さ対策が始まる季節です。
「もう遅いかな?」と思うかもしれませんが、実はこの時期から育てられる野菜もたくさんあります。また、お花もなかなか咲かない寒い季節は、ベランダで成長を見守れるプランター野菜が作れると楽しいですよね。
この記事では冬に向かう11月から植えたい「プランター栽培できるおすすめ野菜」と、寒さや霜から守るための「寒冷紗(かんれいしゃ)」の使い方をご紹介します。

11月に植えたい家庭菜園の野菜
地域や気候によって適期は多少ずれますが、関東以南の暖地では、冬越しして春に収穫できる野菜を植えるチャンス。
プランターでも育てやすい種類も多いので、ベランダ菜園にもおすすめです
■冬野菜を元気に育てるポイント
・日当たりの確保:冬は日照時間が短いので、南向きの場所を選びましょう。
・水やりは昼間に:朝晩に水をあげると凍結の原因になります。
・肥料は控えめに:成長が緩やかになるため、追肥のしすぎは根傷みの原因に。

■ ソラマメ(空豆)
植えどき:11月上旬|収穫:翌年5〜6月頃|難易度:★★★☆☆
寒さに強く、春に大きな実をつける代表的な冬越し野菜。茹でても焼いても旨味たっぷりです。
気温が下がりすぎると生長が止まるため、苗を植えるときは日当たりの良い場所を選びましょう。種から植える場合は10月末ごろまでが良いですが、苗の定植であれば11月でも間に合います。
風で倒れないよう、支柱を立てて株元を軽く土寄せしておくのがコツです。
プランターで育てる場合は、根を深く張るため深さ30cm以上の大型プランターが必要です。
霜が降りる時期には、寒冷紗で軽く覆うと葉の傷みを防げます。
脱線しますが、筆者は子供の頃ソラマメを食べるより前に絵本の『そらめくんのベッド』に夢中でした。小さなお子様がいれば絵本を読みながら冬の成長を待ち、収穫の時期にフワフワの莢を見てみても楽しいと思います。
■ エンドウ(スナップエンドウ・絹さやなど)
植えどき:11月上旬〜下旬|収穫:翌年4〜5月|難易度:★★☆☆☆
秋に植え付けて冬を越し、春にやわらかい若莢を収穫できます。
寒さに当たることで株が締まり、春先に強く育つのが特徴です。
ただし霜や冷たい風に弱いため、寒冷紗をトンネル状にかけて保護しましょう。
プランター栽培もOK。ツルが伸びるタイプは支柱やネットを立てておくと倒れにくくなります。
■ タマネギ
植えどき:11月上旬|収穫:翌年5〜6月|難易度:★★★☆☆
秋まき栽培の定番。11月上旬が植え付けのラストチャンスです。
苗の植え付けが浅すぎると寒さで株が浮いてしまうため、2~3cmの深さで根元までしっかり土をかぶせるのがポイント。ただし、根が伸びるスペースを確保するため、深植えしすぎないよう注意しましょう。 冷え込みの強い地域では、寒冷紗をかけて霜よけをしましょう。
プランター栽培も可能ですが、ややスペースを取るため、ミニ品種(小玉タイプ)がおすすめです。
【もっと手軽に育てたいときは】
園芸用の不織布の袋や、培養土の袋に穴を開けて直接植え付けることもできます。
プランターを買う必要がないため、「家庭菜園が続くかわからないな~」という方は、袋栽培からチャレンジするのもオススメです。

■ 小カブ・ラディッシュ(20日大根)
植えどき:11月上旬〜中旬|収穫:12月〜翌年1月|難易度:★☆☆☆☆
発芽が早く、約1か月で収穫できるスピード野菜。薄切りにしてサラダに散らすと、紅白で鮮やかになります。寒さには比較的強いですが、霜が強い日は寒冷紗で覆っておくと安心です。
プランター栽培も簡単で、深さ20cm程度の容器でもOK。根が割れやすいので、水やりは乾燥しすぎない程度に控えめに。
■地域別冬の野菜栽培ポイント(冷涼地・一般地・暖地)
| 地域 | 気候の特徴 | ポイント | 
|---|---|---|
| 冷涼地 | 朝晩の冷え込みが早い。 | 霜が早いため、防寒対策を早めに。プランター栽培向き。 | 
| 一般地 | 比較的穏やかな気候。 | 日当たりを確保し、霜予報が出たら寒冷紗で保護。 | 
| 暖地 | 冬も暖かい地域が多い。 | 霜が降りるのは一時的。防寒より防虫対策を重視。 | 
同じ品目の野菜でも、栽培する地域の気候によって蒔き時や定植時期、収穫時期が異なります。種を購入するときは大体袋の裏に目安が書いてあるので、確認してから植えましょう。
冬の味方「寒冷紗(かんれいしゃ)」とは?
寒冷紗は、寒風や霜、害虫から野菜を守るための多目的な被覆資材。
冬の家庭菜園では、特に霜よけ・風よけとして活躍します。
■ 設置方法
支柱を立ててトンネル状にかける「トンネル掛け」が一般的。
生長点(中心部分)が冷気で傷まないよう、植物に直接触れないように張るのがコツです。小さなプランターなら、洗濯バサミや割り箸を使って手軽に固定する方法も◎。

■ 霜対策のポイント
1. 夕方前に寒冷紗をセット:日が落ちる前に覆うことで、地面の熱を逃がさず保温できます。
2. 朝は早めに外す:日が昇って霜が溶け始めたら外し、蒸れを防ぎます。
3. 風対策も忘れずに:冬の乾いた風は霜と同じくらいダメージになります。側面も軽く覆うと安心です。
■寒冷紗を使うときの注意点
・晴天時は中が高温になりやすいので、日中は端を開けて換気を。
・長期間かけっぱなしにすると、徒長(とちょう)や湿気による病気が出やすくなります。
・風で飛ばされないよう、ピンや土でしっかり固定しておきましょう。
寒冷紗は霜よけ以外にも、防虫や鳥よけとして春以降も活躍します。
1枚あると年間通して使える便利な資材です。
寒冷紗についてさらに詳しい記事はこちら
まとめ
11月の家庭菜園は、冬を乗り越えて春の収穫へとつながる大切な準備期間。
ソラマメやエンドウ、タマネギなどの冬越し野菜は、寒冷紗を上手に使うことで霜や寒風から守ることができます。
寒さの厳しい時期ほど、植物はゆっくりと力を蓄えています。
次の季節に向けて、あたたかく見守るような気持ちでお世話を楽しんでみてくださいね。

          
		  	      
      
			  		    	        
			  		    	        
			  		    	        
			  		    	        
			  		    	        