10月・11月が植え時!秋の香るハーブ5選&活用法
パセリ、セージ、ローズマリー、タイム…秋になると物悲しい歌を聞きたくなります。
他にも読書の秋、スポーツの秋、行楽の秋…そして何より、食欲の秋!
涼しくなって、お庭仕事もようやく手をつける気分になったいま!丈夫で使いやすいハーブを育ててみるのはいかがですか?
この記事では、秋におすすめのハーブと、その食べ方についてご紹介します!
育てるなら種から?手堅く苗から?
植物を育てるとき、「種から育てた方が愛着がわく」と思う方も多いのではないでしょうか。特にお子さんと植物の栽培を始めたい、という方は、発芽から体験させてあげたいですよね。
しかし、芽が出たばかりの植物はなかなかに繊細。秋の気候は変わりやすく、カンカン照りの日差しが戻ってきた!ということも少なくありません。
かくいう筆者も、大好きなパクチーが可愛い芽を出し始めたある日、強烈な太陽光で瞬殺された苦い思い出があります。目を離した数時間の出来事でした。
ハーブを種から育てる場合、新芽のうちはトレーシングペーパーや寒冷紗で日光を調節してあげましょう。反対に、日光を遮りすぎるとヒョロヒョロに育ってしまうため、加減が難しい場合は苗からチャレンジするのがおススメです!

秋におすすめのハーブ5選
ハーブの多くは春と秋が旺盛に育つ季節。真夏と真冬を避ければ大抵のことに耐えてくれますが、特に9~11月(寒冷地では10月ごろまで)はハーブ栽培を始めるのに良い季節です!
■ローズマリーはジャガイモと相性抜群!
ローズマリーは真夏と真冬を避ければ大体の時期で植え付けができるハーブです。丈夫ですが、湿度が低い地中海原産の植物のため湿気は苦手です。

【ローズマリーの植え付け】
植え付けは地植えでも植木鉢でも可能です。ただし、ローズマリーの根は成長が早くどんどん広がってしまうため、他の植物と一緒に育てたい場合は注意が必要。
小さな木を一緒に植えたら、いつの間にかローズマリーに飲み込まれてしまった…なんてことも!
ローズマリーは湿気が苦手なため、鉢植えの場合は湿気を吸ってくれる「素焼きの鉢」がおすすめです。また、鉢植えの場合も根が回りやすいため、2~3年程度に1度は大きな鉢に植え替えるか、根を整理してあげましょう。
【食べ方】
ローズマリーの魅力はなんといっても爽やかな香り!茂った枝を整理した時などは思い切って料理に使ってみましょう。
■ローズマリー入りジャーマンポテト
<材料>
ジャガイモ、ベーコン、ローズマリー、オリーブオイル、コンソメ顆粒、塩、コショウ
<作り方>
・ジャガイモに火を通しておく(茹でても、レンジでもOK!)
・鍋に多めにオリーブオイルを入れ、ベーコンとローズマリーをカリっとするまで炒める
・鍋にジャガイモを加えてさらに炒める
・コンソメ顆粒、塩コショウで味を調えて完成!
ベーコンとジャガイモだけでも美味しいですが、一度ローズマリー入りを味わったらもう、ローズマリーなしでは食べたくない!というくらいピッタリの組み合わせです。
「カロリーが気になる…」という方は、グリル野菜に乗せて焼いても美味しいですよ!
逆に、「カロリーは気にしない!」という方、フライドポテトをローズマリーと一緒に揚げてください。ローズマリーの葉がサクッと食感になって止まらない…太った悪魔と契約できます。

■ローズマリーとバルサミコのジンジャーエール割り
<材料>
ジンジャーエール、バルサミコ酢、ローズマリー
<作り方>
・甘めのバルサミコ酢をジンジャーエールで割る
・ローズマリーを一枝さして完成!
ジンジャーエールは甘いものでも、辛いものでもお好みでOK!ローズマリーは紫の花が咲いている時期だとより華やかです。
さっぱりしたお味がお好みの方は、無糖の炭酸水にローズマリーを加えるだけでも爽やかでおいしいですよ!バルサミコ酢も風味が様々なので、お気に入りを見つけると楽しいです。
筆者のお気に入りは「Remodena」のオーガニックバルサミコ酢。フルーティでまろやか、煮詰めてお肉のソースにも使えます♪
■やわらかな見た目と、最高の香りのディル!
ディルはサーモンやテリーヌなどの冷菜にちょこんと乗っていることもあるやわらかい葉っぱ。軽やかなグリーンの香りの中に少し甘さを感じる、なんともさわやかなハーブ。また、ピクルスを作るときにも欠かせない香りです!

【ディルの植え付け】
基本的には9~10月頃に種を播くか、苗を買ってきて育てます。一年草のため、旺盛に育ちすぎて毎年苦労する…ことはありません。ディルは太い根が下に向かって伸びるため、鉢植えの場合は底が深い鉢を選びましょう。
また、茎があまり強くなく、風で倒れたり広がったりしやすいため紐でまとめたり支柱を建てたりして対策しましょう。また、その際は通気性が損なわれないように注意してください。
【食べ方】
■スモークサーモンに添える
<材料>
スモークサーモン、ディル、オリーブオイル、塩
王道!適当に載せていただきましょう。
生魚はディルがあるとないとでは喜び具合が違います。うなぎに山椒、ラーメンに葱、サーモンにディルです。鯛でも良いですが。

■ヨーグルトと合わせてドレッシングに
<材料>
ヨーグルト(130g)、ディル(1枝)、玉ねぎ(60g)、粒マスタード(ティースプーン1杯)、グラニュー糖(ティースプーン半分)、塩コショウ適量
材料を全て混ぜ合わせるだけ!上記の分量でブロッコリー一株くらいは食べられます。
ヨーグルトとマスタードの酸味と、ディルの香りが爽やかでおいしいです!タンパク質が足りないな~という方は茹で卵、ツナ缶を足しても食べ応えがあります。食べすぎたなーという週のカロリー調整、置き換えにも◎



ハーブと言えばミント
ハーブと言えば、真っ先に思い浮かべるスースーした葉っぱ。
ミントは鮮やかなグリーンが目に美しく、丈夫なため育てやすいハーブです。適当に水を上げていれば育ってくれるので、植物をあまり育てたことがない、という方にもおすすめです。

【ミントの植え付け】
9月~11月に苗を買ってきて植え付けましょう。ミントは横へ横へと旺盛に増えるため、鉢植えがおすすめです。また、こぼれ種で植えた覚えのない鉢からも生えてくるため、望まない場合は小さいうちに抜いておきましょう。
真夏の直射日光では葉焼けしてしまいますが、基本的には日当たりの良い場所を好みます。
もさもさと枝が伸びてきたら、思い切って切りましょう。整えたい形に合わせて短くするか、枝の脇から出ている芽をいくつか残して短く刈り込んでも大丈夫です。
【食べ方】
■さわやかミントティー
モロッコなどで有名なミントティーはお砂糖入りの甘いお茶です。甘さはお好みですが、無糖のミントティーもすっきりとしておいしいですよ!
<材料>
紅茶(ダージリンなどフレーバーが付いていないものがおすすめ)、ミント(茎ごとでOK)
温めたティーポットに紅茶とミントを入れて、沸騰させた熱湯を注いでから蒸らします。すべての量はお好みですが、ミントが多いほどより香りが強くておすすめです。

また、大量のミントを使いたい時は一気に煎じて冷やしたいところ。茶こし付きの耐熱のボトルがあると一気に作り置けて便利ですよ!
■モヒート
<材料>
任意の酒、ミント
モヒートはラムベースのカクテルですが、お酒はなんでも構いません。ジンでも、ウォッカでも、焼酎でも、泡盛でも…お好きなお酒と炭酸水ですっきりといただきましょう。

実は天ぷらがおいしいセージ
セージは地中海地方原産の多年草で、産毛でやや白っぽく見える葉と、花が咲く見た目の良いハーブです。セージの種類には900種ほどもあると言われており、それぞれ香りや見た目に特徴があります。手に入りやすいものでもコモンセージ、ホワイトセージ、また仲間のサルビアに近いものまでさまざま。
お香にしたい場合はホワイトセージ、葉や花を食べてみたい、という場合はコモンセージがおすすめです。

【セージの植え付け】
秋のセージの植え付けは9月~11月に行います。セージの発芽は小さく少し難易度が高いので、苗から始めるのがおすすめです。
鉢植えの場合、セージの株はわさわさっと大きく育つため、大きめの鉢に植えましょう。地植えの場合は水はけがよい場所を選びましょう。 鉢植えの場合は土が乾いたら水をやり、乾き気味に管理します。地植えの場合は基本的には水やりは必要ありません。
【食べ方】
■セージは天ぷらがおいしい!
<材料>
セージ、天ぷら粉、水、油
ごくふつうに、天ぷらの具材としてセージを使うだけなのですが、これがなんともおいしい。
使うのは葉の部分で、摘心した新芽や切り戻した枝についている葉を利用します。
油で揚げると香り弱まって食べやすく、食感が少しもっちりとした感じがします。シソなどと合わせてぜひおためしください!
【乾燥させてお香にも】
乾燥させたホワイトセージの先端に、ライターで火をつけるとお香のようにゆっくりと煙が出て燃えます。独特の香りで雰囲気があります。
※陶器など不燃の容器の上で焚いてください。
※セージの葉は軽く飛びやすいため、火をつけた後は火災に注意してください。
※煙が多く出ます。換気を良くし、体調の悪い時は使用を控えてえください。

パスタにタイムを一振り
タイムはシソ科の多年生植物で、背が低く枝も細いため草のように見えますが、細いまま木化します。絡まりやすい細い枝に小さな葉が付いているので、利用する際は選定も兼ねて枝ごと切って使います。葉は小さいながらも強い芳香が特徴で、肉・魚を始めとして様々な料理を引き立ててくれます。一言でいうと「おしゃれでおいしい匂い」です。

【タイムの植え付け】
秋のタイムの植え付けは9月~11月に行います。
種は非常に小さく、水やりで流れやすいため苗を購入しての植え付けがおすすめです。タイムは様々な種類がありますが、ほふく性のものは這うように枝を伸ばし、根が伸びやすいため、鉢植えの場合は大きめのプランターを選ぶとよいです。
比較的暑さには強い一方、湿気には弱いため乾き気味に管理します。また、枝が伸びて密集してきたら、根元からいくつか芽を残して切り戻しましょう。
料理に使う場合は、香りのよいコモンタイム、フレンチタイム。地植えでラウンドカバーに用いる場合は、花付きの良いタイム・ロンギカリウスがおすすめです。

【食べ方】
ポトフやロールキャベツなどのあっさりした煮込み料理に加えるもよし、パスタの仕上げに散らしてもおいしくいただけます。
筆者はミートソースにたっぷり振りかけるのが大好きです!
タイムは常緑のため使いたいタイミングで収穫できるのがメリットですが、剪定のタイミングで大量に収穫した場合は冷凍保存がおすすめです。

おまけ|様々なハーブをまとめて消費するには!
新鮮なハーブを、少しずつ切って日々の料理に使う…これぞ自宅でハーブを育てる暮らしの良さです。しかし、剪定したら大量に収穫できてしまって使い道に困る、乾燥保存を試みたら風味が飛んでしまった……ということもあるかと思います。
そんなときにおすすめなのが「ハーブオイル」です!
【ハーブオイルの作り方】
<材料>
オリーブオイル、お好みのハーブ(ローズマリー、タイム、オレガノなど)、スパイス(胡椒、トウガラシなど)
<作り方>
煮沸消毒した瓶に、よく水気を切ったハーブを入れ、全体が浸かるまでオリーブオイルを注いで放置!これだけです。
■ポイント
ハーブを空気に触れさせないこと。ハーブが油に浸かっていない部分は、空気に触れてカビが生えてしまいます。オイルを使ってハーブが露出した際は、オイルを継ぎ足すかハーブを取り除いてください。
■火を通すと保存しやすい
筆者は生のハーブを漬けて一度カビさせて以来、材料を熱することにしています。
オリーブオイルは180度以上に加熱すると酸化してしまうため、低めの温度で材料を短時間揚げてから容器に移しています。この方法にしてから、カビも生えることもなくなり、材料の風味が油に溶けやすくなりました。
※オリーブオイルは加熱しても酸化しにくいとはいえ、フレッシュな風味を追求したい方は生でチャレンジしてください。
■おすすめはハバネロ入り!
ハバネロは水分が多いため天日で乾燥させてから、種ごと使います。パスタやピザ、カレーに掛けると最高です!



涼しくなってきた秋。
派手な花は少ないけれど、丈夫で手間が少なく、おいしく役立つハーブを取り入れてはいかがでしょうか?