ギネス認定!野菜や果物・農業に関する10の世界記録
無人で稼働するトラクターが「1日に20.8ヘクタールの耕起に成功した」ことが世界記録を樹立したとして、大きな話題となっています。
品種改良やスマート農業の発展により農業に関する世界記録は日々更新されていますが、中には耳を疑うような世界記録も数々存在しています。
本記事では、農業や農作物に関する世界記録について紹介して行きたいと思います。

1日20haを耕す無人トラクターが話題に
1日に20.8ヘクタールもの畑を耕すことのできるトラクターが登場し、世界記録を樹立しました。
20.8ヘクタールは、東京ドームで考えると4.5個分に相当するとんでもない広さです。
さらに驚くことに、このトラクターは運転席のない完全自律運転を可能とした無人トラクターです。
完全機械制御であり人の手を介さないため、夜も作業を続けることができ、仕上がりも均一となったそうです。
この無人トラクターは、「オランダ・アグシード社」のトラクターに、「ノルウェー・クバンランド社」の5連リバーシブルプラウをつけ稼働させたものとのこと。
参考:日本農業新聞「“世界記録”1日20ヘクタール耕起できる無人トラクター」
https://www.agrinews.co.jp/society/index/319597

日本が誇る、野菜・果物の世界記録
無人トラクターは欧州のメーカーのものでしたが、実は日本にも、多くの野菜・果物にまつわる世界一が数多く存在します。おそらく非公認のものであればいくつも記録は存在すると思いますが、今回はしっかりとギネスに登録されているものをご紹介したいと思います。
■世界一重いイチゴ
「あかい、まるい、おおきい、うまい」の頭文字から名付けられた「あまおう」ですが、実は本当に巨大なイチゴであり、その重量がつい最近(2022年)までギネスに認定されていました。
しかし、残念ながらイスラエルで収穫されたイチゴが、これまでのあまおうの所持していた記録250gを39g上回り、現在289gが世界最大としてギネス認定されています。
・重さ:250 g
・品種:あまおう
・記録年:2014〜2015年に認定(2022年にイスラエルで更新される)
・サイズ:高さ約8 cm、長さ約12 cm、周囲は25~30 cm

■世界一糖度の高い桃
世界一糖度の高い桃も、日本が記録を所有しています。
大阪府「マルヤファーム」代表の松本さんが2015年に記録した平均糖度22.2度が、ギネス記録となっています。驚くことに、この桃の糖度を正確に測定するため糖度計の上限が25度から35度に引き上げられたという逸話まで存在します。
桃は「糖度40度を超えた」という話も非公式では聞かれますが、現在ギネスには登録されていません。40度を超える桃は、なんと300万円の値段がするそうです。
・平均糖度:22.2度
・品種:まさひめ
・記録年:2015年に認定

■世界一重いスモモ(プラム)
筆者の地元である山梨県ではかなり有名な話ですが、スモモ(プラム)の重量のギネス記録は、山梨県南アルプスで生まれた「貴陽」という品種が所持しています。
重量という点がピックアップされていますが、この「貴陽」はスモモの酸っぱいというイメージを覆す濃厚な甘さを持っています。
・重さ:323.77g
・品種:貴陽
・記録年:2012年に認定

■世界一重い大根
英名が「Japanese radish」である大根のギネス記録も、日本にあります。
大根の名産を聞かれたら、おそらく多くの方が真っ先に連想するであろう「桜島大根」は、重量31.1kgがギネス記録として登録されています。
またwikipediaによると、鹿児島市の主催する「世界一桜島大根コンテスト」ではギネス記録を超える31.25kgの桜島大根が大会記録となっているそうです。なんと出品は神奈川県横須賀市から…
・重量:約31.1kg、胴回り119cm
・品種:桜島大根
・記録年:2003年に認定

これが海外のスケール??野菜・果物のギネス記録
世界に目を向けると、日本では見られない様々なギネス記録が存在しています。特にイギリスのウスターシャーでは、野菜の世界記録を競う大会「CANNA UK National Giant Vegetables Championship」が開催されています。
■世界一重いナス
日本に巨大イチゴの記録があるように、世界では巨大ナスの記録があります。
ピーター・グレーズブルックさん(イギリス)が育てたナスは重量3.12kg、人間の顔以上の大きさを持ちます。
しかし真にすごいのはお化けナスではなく、栽培者のピーターさんです。
巨大野菜の栽培において過去に17度のギネス更新を記録している、まさに野菜ギネスハンターとも言える巨大野菜界の巨匠なのです。
・重量:3.12kg
・記録年:2021年に認定
■世界一大きいソラマメ
続いて紹介するのは世界一大きいソラマメです。
その重量は106g。これが食卓にだされたら「おつまみ」ではなく「主食」になってしまいます。しかも豆がさやに納まっている必要がある=破裂しているとNGという、かなり繊細な記録です。
これを育てたジョー・アサーソンさんも、これまでに16のギネスを更新した超がつくほどのベテラン勢です。
・重量:106g
・記録年:2021年に認定
■世界一背の高いヒマワリ
少し変わったところでは、世界一背の高いヒマワリもギネス登録されています。
その背丈はなんと9.17m!ビルの3階に相当する高さです。これだけ大きいと、身長を伸ばすこともですが、茎が折れないよう支えることも非常に難しそうです。
このヒマワリを育てたハンス・ピーター・シファーさん(ドイツ)は、2009年より6年の間に、4度に渡りヒマワリの高身長記録を更新しています。
・高さ:9.17m
・記録年:2015年に認定
■世界一辛いトウガラシ
全世界の辛党の皆さま、大変お待たせしました。
世界一辛いトウガラシのギネス記録も2023年に更新されています。世界一辛いとしてギネス認定された「Pepper X」のスコヴィル値(辛さを表す指数)はなんと2,693,000!
あの「ブート・ジョロキア」のスコヴィル値がおよそ1,000,000ですので、約2.7倍の辛さという事になります。
まさに少年漫画の強さのインフレのような唐辛子界。食べたことはありませんが、おそらく感想は辛いより「痛い」だと思います。
・スコヴィル値:2,693,000
・品種:Pepper X
・記録年:2023年に認定
■世界一たくさんのレモンで作られた電池
レモンが約3,000個もある……何に使おう?そうだ!電池をつくろう!という天才の発想が産んだギネス記録が「世界一多くの数のレモンで作られた電池」です。
理科の授業でレモンに電極を刺し電池を作るという実験を行ったことがある方も多いと思いますが、レモンに金属を刺すとレモンの酸により金属が溶かされることにより、電気が流れます。
これを約3,000個のレモンを使用し行ったらどれほどの電気が流れるのか…結果は高圧電線にも匹敵する2,307ボルトの電気を生み出すことに成功しました。
・使用レモン:2,923個
・発生電圧:2,307.8ボルト ※非常に危険です。
・記録年:2021年10月に認定

野菜に関するその他のギネス記録
ギネス記録の世界は実にユーモアで、様々な記録が登録されています。
え?そんなの記録になるの?と思うような記録の中には、例えば「Tシャツを260枚重ね着した」などのギネス記録が存在します。
果物・野菜界のギネス記録もそんな変わった記録が存在します。本記事の締めくくりとして、野菜の変わったギネス記録を紹介します。順番が前後してしまいましたが、日本で登録されたギネス記録です。
■最も長い野菜の列
最も長い野菜の列は、たくさんの野菜を一直線に並べ長さを測るという一風変わったギネス記録です。
JAぎふ合併10周年を記念したイベント内で、地元産野菜を並べたそうです。
「野菜の数さえあれば記録更新できそう」と感じてしまいますが、集められた野菜の数は実に13,618個、長さは799.18mにも達しました。
ギネスの認定員は、この13,618個の野菜の間に隙間がないかひとつひとつチェックしたとのこと。並べる方もチェックする方も大変な苦労がうかがえます。
・並べた野菜:13,618個
・長さ:799.18m
・記録年:2019年2月に認定

いかがでしたでしょうか?大きさや重さ、甘さなどでのギネス記録があることは想像できても、大量のレモンに電極をつなげる大バカ野郎(もちろん褒め言葉です)がいることは予想できなかったと思います。しかもとてつもない高圧電流が生成されていました…
一見おふざけのように見えても、このような柔軟な発想がいつか地球のエネルギー問題を解決する日が来るかもしれませんね。