インフルエンザ予防や回復に効果的な植物10選|免疫力アップの自然療法
冬の寒い季節、インフルエンザの流行シーズンがやってきました。
毎年、予防接種や抗インフルエンザ薬に頼る方が多いですが、近年では薬に頼らず、自然の力で免疫力を高める方法に注目が集まっています。
植物や植物由来の成分は、免疫システムをサポートし風邪やインフルエンザの予防に役立つことが科学的にも明らかになっています。今回は、日常生活に取り入れやすい植物の力を活用した、自然な方法で健康を守るアイデアをご紹介します。

インフルエンザ対策となる植物と科学的根拠
よく「体に良い」と耳にする野菜や植物は無数にあると思います。極端なことを言えば強い毒性を持たない限り大抵の野菜は体に良いと言えると思います。
今回はインフルエンザの予防や症状の緩和に「科学的根拠が得られている植物」を紹介していきたいと思います。
■ エキナセア (Echinacea)
エキナセアはギリシャ語で「ハリネズミ」を意味する、ピンクあるいは紫色の花で、観賞用としても人気があります。花、葉、根、茎の全てが薬用として利用されます。
免疫系を強化し風邪やインフルエンザの予防に役立つ薬用植物として非常に人気があります。日本ではコロナ禍でも大きな注目を集めました。
風邪の予防や初期症状の軽減に効果的です。サプリメントやティーとして摂取することで、日常的に取り入れることができます。

・免疫力強化:エキナセアは、免疫系を活性化するハーブとして広く知られています。複数の研究で、エキナセアが風邪やインフルエンザの症状を軽減することが示されています。
・研究結果: 例えば、「The Cochrane Database of Systematic Reviews」(2014年)における分析では、エキナセアが風邪の症状の期間を短縮し、重症化を防ぐ可能性があることが報告されています。
・使い方:エキナセアはサプリメントとして販売されており、風邪やインフルエンザの予防として、シーズン前に摂取するのが効果的です。
■ ニンニク (Garlic)
ニンニク(ガーリック)は、古くから食材や薬用として使用され、その効能が紹介されることも多く、目にする機会が非常に多い植物です。
主成分の「アリシン」は、強い抗菌・抗ウイルス作用を持ち、風邪やインフルエンザの予防に効果的です。免疫力を高め、血行促進やコレステロールの低下にも寄与します。また、抗炎症作用があり、喉の痛みや体調不良を和らげる助けにもなります。ニンニクは、健康維持のために日常的に取り入れやすい食品です。

・抗ウイルス作用:ニンニクに含まれる「アリシン」という化学成分は、強い抗ウイルス作用を持っています。アリシンはインフルエンザウイルスの増殖を抑えることで知られています。
・研究結果:「Journal of Nutrition」(2001年)に掲載された研究では、ニンニクが風邪やインフルエンザの予防に役立つことが示され、毎日摂取することで風邪にかかるリスクが減少することが報告されています。
・使い方: 生のニンニクを摂取する方法が最もオススメです。加熱するとアリシンが減ってしまうためです。効果的に摂取する方法としてサプリメントを利用する方法もあります。
■ ジンジャー (Ginger)
ジンジャー、いわゆる「生姜」は、根茎部分が食材や薬用として広く利用されています。
ジンジャーの主成分である「ジンゲロール」や「ショウガオール」は、抗炎症作用や消化促進、免疫力向上に効果があります。風邪やのどの痛みにも役立ち、体を温める作用があるため寒い季節に人気です。抗酸化作用も高く、健康維持に役立ちます。ジンジャーは、サプリメントやエッセンシャルオイルとしても広く活用されています。

・抗炎症作用・免疫強化: ジンジャーは体を温める作用があり、冷えからくる免疫低下を防ぐのに効果的です。抗ウイルスや抗炎症作用を持つため、風邪やインフルエンザの予防にも役立ちます。
・研究結果:「The Journal of Clinical Pharmacology」(2013年)**の研究では、ジンジャーがインフルエンザの症状緩和に寄与する可能性があることが示唆されています。
・使い方: 生のまま丸かじりできるのが良いですが、ジンジャーティーやスムージーに加えて摂取するのもオススメです。
■ エルダーフラワー (Elderflower)
エルダーフラワーは、主にヨーロッパや北アメリカに自生し、春から初夏にかけて白く小さな花を咲かせます。古くから伝統的な薬草として利用されており、風邪やインフルエンザの予防、症状緩和に効果的とされています。主に抗炎症作用や免疫強化作用があり、風邪による鼻づまりや喉の痛み、咳を和らげる効果があります。
また、利尿作用や解熱作用もあり、体内の余分な水分を排出し体温を調整する助けになります。エルダーフラワーは、ハーブティーやシロップ、エキスとして広く利用されています。

・免疫サポート:エルダーフラワーは古くから風邪やインフルエンザの治療に用いられてきました。エルダーフラワーには免疫システムをサポートする効果があり、インフルエンザによる発熱や炎症を和らげると言われています。
・研究結果:「Journal of International Medical Research」(2004年)の研究では、エルダーフラワー抽出物がインフルエンザの回復を早めることが報告されています。
・使い方:エルダーフラワーは特に飲み物に多く利用されるハーブです。ハーブティーやシロップとして特にヨーロッパでは伝統的に使われています。
インフルエンザに有効なその他の植物
上記以外で、インフルエンザ対策の助けとなる「免疫力の強化」「症状緩和」の作用を持つ植物を簡単にご紹介します。
全ての植物について言えることですが、現在インフルエンザへの「特効」となる植物はなく、予防や早期回復を助ける植物とその成分のご紹介となります。
■アストラガルス
アストラガルスは、免疫力を強化するハーブとして有名です。特に中国や東アジアで伝統的に使われており、抗ウイルス作用や抗菌作用もあるとされています。アストラガルスには「アストラガロシド」という成分が含まれており、免疫細胞を活性化し、ウイルス感染に対する抵抗力を高めます。
■ローズヒップ
ローズヒップは、ビタミンCが非常に豊富な植物で、免疫力をサポートし、風邪やインフルエンザの予防に役立ちます。ビタミンCは、免疫細胞の機能を向上させ、ウイルスや細菌に対する防御力を強化します。抗酸化作用もあり、体の免疫系を健全に保つのに役立ちます。
■カモミール
カモミールは、抗炎症作用や鎮静作用を持つ植物で、風邪やインフルエンザの症状を和らげるのに役立ちます。特に、喉の痛みや咳を緩和し、リラックス効果があるため、睡眠をサポートする効果もあります。カモミールの花には免疫力を高める成分も含まれており、体調が悪いときに役立ちます。
■ウコン
ウコンは「クルクミン」という成分を含み、強力な抗炎症作用と抗酸化作用があります。免疫力を高め、インフルエンザの予防に役立ちます。クルクミンには抗ウイルス作用があり、体内での炎症を抑えるため風邪やインフルエンザの症状を和らげることができます。
■オレガノ
オレガノもまた抗ウイルス、および抗菌作用が非常に強い植物です。インフルエンザや風邪のウイルスに対して、体の免疫系をサポートする働きがあります。特にオレガノに含まれる「カルバクロール」という成分がウイルスや細菌を抑制する効果があります。
■ブラッククミンシード
ブラッククミンシードも高い免疫強化作用や抗ウイルス作用があり、風邪やインフルエンザの予防への効果が期待される植物です。免疫細胞を活性化し炎症を抑える効果があるため「症状が出る前から摂取する」のが効果的です。

継続的な摂取が必要なことに注意!
上記に紹介した全ての植物に言えることですが、継続的に摂取することが何より重要です。
これらの植物を摂取し続けることで、インフルエンザ対策としての効果を得ることができますが、効果が現れるまでの時間は植物によって異なります。また個人の体調やもともとの免疫力の状態にも左右される点にも注意が必要です。一般的に、免疫力を強化するためには数週間以上の継続的な摂取が必要とされることが多いです。
症状緩和が早期に感じられる植物
もしインフルエンザにかかってしまい、少しでも症状緩和したい、そんな時にオススメの症状緩和が早期に感じられる植物を紹介します。
ただし、症状緩和までの効果が早い分、短期的になってしまう点には注意が必要です。少し症状が落ち着いても油断せず、継続的に摂取を行いましょう。
■マーシュマロウ
マーシュマロウは「お菓子のマシュマロ」の由来となった植物です。
その性質は免疫力強化というよりも炎症や症状の緩和に向いています。粘膜保護の作用が高く、特に喉の不調や咳の緩和に効果的です。
また効果を実感するまで期間が数日から1週間程度と他の植物より早い点が特徴です。

■ペパーミント
ペパーミントも即効性が高く、特に鼻づまりや喉の痛みを緩和することができますが、免疫力を高めるためには1週間~2週間の継続摂取が効果的です。喉の痛みや咳がひどいときにすぐに使うと、早期回復が期待できます。

まとめ
インフルエンザ対策として有効な植物は、免疫力を高め、抗ウイルスや抗菌作用を持つものが多いです。これらの植物を料理に組み込んだり、ハーブティーやサプリメントとして日常的に摂取することで、風邪やインフルエンザの予防や早期回復を助けることができます。もちろん、これらの植物はあくまでサポート的な役割を果たすもので、感染症にかからないようにするために予防接種、手洗いやうがい、適切な休息などと併用することが重要です。
特に手洗いについてですが、ウイルスは流水で15秒洗うと約1/100に、ハンドソープで洗うと約1/1000へと減少したという研究結果もあります。
免疫力を高める植物の摂取とともに、身近な感染対策をしっかりと行うことがインフルエンザ予防への第一歩と言えるのではないでしょうか。

参考:ライオン公式note「10月15日は「世界手洗いの日」。石けんでの手洗いはなぜ大切?」
https://note.lion.co.jp/n/nd46cda6dc725
