農作物をシカ等から守る!「来るなら濃いピンクテープ」の効果とは
農作物が実をつけ始めると同時に、「またシカが来た…」「イノシシに掘られた…」といった被害報告が増える季節です。被害を防ぐには、防獣ネットなどで物理的に侵入を防ぐ方法に加え、色や音による心理的な“抑止” も効果的。
この記事では、獣害対策としてとれる3つの対策のうち、特に「テープ」「防獣ネット」による対策について詳しく紹介します!

農業被害の現実─獣害が農家に及ぼす影響
農林水産省の調査によると、令和5年度の野生鳥獣による農作物被害額は約163億円にものぼります。中でもシカによる被害が最も多く、同年度で69億円もの被害額となっています。
被害は果樹や野菜を中心に、果実を食べられる、根を掘られる、苗を踏み荒らされるなど多岐にわたります。食害以外にも復旧に手間と時間を要するため、農家の負担は大変なものになります。
特にシカやイノシシは夜行性で警戒心が強く、一度「ここは安全」と認識すると、繰り返し侵入する傾向があります。
参考:全国の野生鳥獣による農作物被害状況について(令和5年度)
https://www.maff.go.jp/j/seisan/tyozyu/higai/hogai_zyoukyou/index.html
こうした被害を減らすため、現場ではさまざまな対策がとられています。
代表的なのは以下の3つです。
■ 主な獣害対策の種類
①電気柵
電気を通した防護柵です。強い抑止効果がありますが、基本的に専門業者への設置依頼が必要。設置の費用とメンテナンス(草刈り、電圧管理など)が大きいため、広範囲に設置することが難しいです。

②防獣ネット
物理的に対象害獣の侵入を防ぐ最も基本的な方法です。自分で設置できるため、設置・維持は電気柵よりも簡単です。ただし広範囲となると材料コストが上がります。

③テープ類
色、音で対象害獣を近づきにくくします。
テープが風ではためく音や、派手な色、また逆に特定の動物に「見えにくい色」を使用することで、「見えないのに何かが触れて怖い」という経験をさせて侵入を抑制します。

広範囲にはテープがおすすめ!
防獣目的のテープは様々な製品がありますが、もっともポピュラーな製品が松浦産業株式会社の「来るなら濃い ピンクテープ」です。

■ 製品概要と特徴
・サイズ:50 mm × 200 m、素材はポリエチレン。
・特徴はなんといっても色あせしにくい濃いピンク色。
屋外で褪色しやすい一般的な識別テープと違い、顔料や添加剤を工夫することで、長期間色鮮やかに保ちます。

・風に揺れると「カサカサ」という音が出るため、視覚・聴覚の両面で獣の警戒心を刺激。
■ 設置方法のポイント
・シカやイノシシが通りやすい畑の境界や通り道沿いに設置。
・地上50〜100cmの高さにテープを張るのが目安。
・ジャンプで越えるシカに対しては、2〜3段に重ねて設置するのも効果的です。
・防獣ネットと併用することで、心理的・物理的な両面から防御力が高まります。

★テープ単体でも抑止効果はありますが、完全に防ぐにはネットや柵との組み合わせが重要です。
「来るなら濃い ピンクテープ」現場目線で見るメリット
■ 色持ち・耐候性の高さ
屋外で使用するテープの最大の弱点は「色あせ」。
松浦産業はこれを克服するため、顔料や添加剤の配合を見直し、長期間色が残る設計を実現しました。これにより交換頻度を減らし、作業コストの削減につながります。


■ 視認性+音による抑止効果
ピンクはシカが警戒しやすい色と言われています。(現場では、シカにとって見えにくい色ゆえ、見えないのに触れてしまって驚き、警戒するという声も…)
また、風で揺れる際の微音が「何かが動いている」という不安要素を与え、侵入をためらわせます。
■ 手軽に設置・導入コストが低い
軽量で取り扱いやすく、特別な工具や電源が不要。防獣ネットや柵と比べて初期費用が抑えられるため、まず試してみたい!という人にも導入しやすい資材です。
■ 長期的にコスパ良し
色あせが少ないため交換作業の手間が減り、維持コストが抑えられるのもポイント。高齢化や人手不足が進む農家にとって、大きな助けになります。
■ 信頼の国内メーカー製
松浦産業は包装資材・農業資材の製造実績を長年積み重ねてきた企業。品質・耐候性へのこだわりが、現場の信頼を支えています。
特定の範囲で強力な進入防止には、防獣ネットがおすすめ!
害獣が物理的に跳び越えられない、潜れないようにしたい場合にはネットがおすすめです。東京戸張株式会社のネットの防獣ネットなら、対象害獣や対策範囲に合わせた網のラインナップが豊富!
■ 製品概要と特徴
東京戸張の防獣ネットシリーズは【防獣ネット】【バリヤーくん】【強力バリヤーくん】の、大きくわけて3種類があります。この3種類から対策範囲に合わせた大きさをチョイスできます。

【防獣ネット】の特徴
網目が10cmと大きく、強い糸を使用しており、「シカ」「イノシシ」にフォーカスした汎用性の高い規格で、3種の中で最も強度があります。菱目状の網が適度に伸縮することで、圃場の形に対応するため作業がしやすいです。


【バリヤーくん】の特徴
網目が12mmと小さく、アライグマやタヌキなどの小型の害獣に効果を発揮します。
網目は「ラッセル編み」で、結び目がない特殊な編み方をしているため形状の変化に強いです。幅(設置時の高さ)が小さいため、大型の動物やジャンプ力のあるシカには向きません。

【強力バリヤーくん】の特徴
網目20~25mmと比較的小さく小型の害獣~シカなど対象に汎用性があります。網目は「ラッセル編み」で、結び目がない特殊な編み方をしているため形状の変化に強いです。 ジャンプ力があるシカを対象とする場合は幅2mを選定してください。さらに強度が必要な場合はシリーズの【防獣ネット】がおすすめです。

■ 防獣ネットの張り方
防獣ネットは獣の爪や牙で破られないこと、キツネなどの穴掘りが得意な動物に潜られない対策ができるかがポイントです。
設置する際は、1~2m間隔の杭に張って対策しましょう。高さは60cm程度を目安にし、裾を20cmほど広げて垂らします。



まとめ
全国で深刻化する獣害被害。
その対策は「囲う」「電気で防ぐ」だけでなく、“近づかせない”心理的な抑止も鍵になります。
「来るなら濃いピンクテープ」は、そんな心理的防御を色と音でサポートし、防獣ネットとの併用で効果を高められる注目のアイテムです。
進入防止効果の高いネットのほか、被害を減らす第一歩として、設置コストが低いテープから試してみるのもおすすめです。
防獣ネットの導入や、テープや捕獲施設などの獣害対策をご検討の際は、是非下記のご連絡先より東京戸張までお問い合わせください!
(参考:松浦産業株式会社公式サイト・プレスリリース、東京戸張株式会社公式サイト)
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