三大雑草はスギナ、ドクダミ、あと一つは?それぞれの対処法を解説!
普段の生活の中で雑草と感じられる植物はかなり多いのではないでしょうか?一口に雑草と言っても、単純にサイズが大きいもの、種子を多く飛ばすものなど様々な種類があると思います。
数ある雑草の中でも、最も厄介だと感じるのは「駆除が大変なもの」です。一度引き抜けば終わりであれば、そこまでの手間は感じないと思います。
雑草の中でも本当に厄介な雑草とはなにか?三大雑草といえる雑草界の巨頭と、その対策について本記事で紹介していきたいと思います。

雑草という草はない。
「雑草という草はない。」
雑草について話す前に、植物学者・牧野富太郎氏のこの言葉を紹介したいと思います。昭和天皇もこの言葉を引用したことで知られています。
どんな草にも名前があり、ひとつひとつが固有の特性を持ち合わせています。これから雑草として紹介する植物は、紹介は省かせていただきますが、茶の素材として有料で取引されているものもあります。
とは言っても雑草はある。
雑草という草はありませんが、雑草はあります。
逆説のような話になってしまいましたが、特に矛盾した話ではなく、名前として「雑草」と命名された草は無いけれど「雑草」として括られる植物のグループはあると言う意味です。
例えば、庭に生える草代表とも言える「スギナ」には、もちろん「スギナ」という名前があります。
しかし「スギナ」は、少なくとも我が家の庭に生える限り「スギナ」でありつつ「雑草」です。
■雑草の定義とは
wikipediaによると、雑草とは生物学的定義において「土壌攪乱に対応した植物を指す」そうです……と言われても正直なんのことかわかりませんでした…
土壌攪拌に対応…簡単に言うと「土がかき混ぜられたり雨で流れたりしてもすぐに生えてくる植物」という意味で、要は生命力・繁殖力が強い植物のことだそうです。
雑草とはなんぞや。長らくそう考えていましたが、NHK総合に出演している5歳の女の子(チコちゃん)が教えてくれた雑草の定義が一番しっくりきたので紹介させてください。
雑草とは「望まれていない場所に生える全ての草」のことだそうです。…なるほど雑草だ。
三大雑草は?実は特に決まっていない…
さて本ブログの本題となる三大雑草についてですが、実は三大好きの日本人には珍しく「三大雑草」というものは特に決まっていないようです。
かくいう筆者も三度の飯よりのレベルで、三大(四大)好き。世界三大美女(クレオパトラ・楊貴妃・小野小町)から始まり、世界三大悪妻、三大瀑布、果てには果てには世界三大がっかりスポットまで履修しています。
決まっていないのであれば、本記事内で新たに提唱していきたいと思います!
これが三大雑草だ!
雑草は望まれていない場所に生える草。そう定義した時に、最も多くの人がその生育を望まない場所。それは、やはりご自宅の「庭」だと思います。庭に生える草から選んでこそ真の最大雑草と言えると思います。
ここから、筆者の考える三大雑草とその対処法、また絶対にやってはいけないことを紹介していきます。
■1.スギナ(ツクシ)
雑草といわれた時に多くの人が思い浮かべるであろうスギナは、知名度の面でも三大雑草の筆頭と言えると思います。スギナは日本中の道端・田畑で見られる植物で、高い生命力と繁殖力を持ち駆除が難しいことから「地獄草」とも呼ばれています。
本当に隙間があれば、どんなわずかな部分からも顔を出す植物です。

【対処法】
スギナの駆除には茎葉から除草剤を吸収させるのが効果的ですが、除草剤を使わないのであれば、とにかくこまめに抜くことです。また生えてきてしまいますが、諦めずに抜き続けましょう。地上にでている部分を抜き、光合成の時間を削ることで、根に養分を貯めさせず根絶することができます。抜いてもまた生えてきて意味がない、そう思ってしまったら負けです!
【絶対にダメ!】
スギナの根を掘ろうとして、土をかきまぜたまま放置することはNGです。この状態は地下茎を切り分けてしまい、逆に増やしてしまうことに繋がります。スギナは地中に埋まっている部分もほとんどが茎であり、切れればそこから分裂・再生してしまいます。
土を掘るのであれば、スギナすべてを取り除くという強い意思を持って掘り進めましょう。
■2.ドクダミ
次に三大雑草としてあげたいのがドクダミです。ドクダミもスギナ同様に、深い地下茎を持つ植物です。
どんなに抜いてもまた生えてくると感じるほどの再生力を持つ上、比較的日陰でも育ち、個人的にはスギナ以上の生命力を感じている植物です。
幅広の葉で光の吸収効率高く、エネルギーの生産能力が高い点も大きな特徴です。

【対処法】
まずはやはり光合成を阻害すること、つまり地上に出る限りは確実に切り続けることです。ドクダミを「抜く」ことは極めて難しく、抜こうとすると必ずどこかで「プチッ」という音とともに切れてしまいますが、それで構いません。太陽光に当たる葉を切り続けることで栄養の生成を食い止めましょう。
土壌が変化してしまいますが、ドクダミはアルカリ性に弱いという特徴もあります。土に石灰などをまぜるのもドクダミ対策として有効です。
【絶対にダメ!】
ドクダミも中途半端に掘りだそうとすることが一番危険やってはいけないことです。ドクダミの根ごと掘り出すことはほぼ不可能とも言われています。地下茎は広範囲に伸びており、切れることで分裂してしまい、かえってドクダミの数を増やしてしまう結果になります。
それともう一つ、堀ったドクダミを土の上に置くことは絶対にNGです。そこからドクダミが根付いてしまうからです。
■3.カタバミ
三大雑草最後の植物はカタバミです。
カタバミもまた、日本中どこでも見られるとても身近な雑草です。
ハート型の葉が特徴的で、見た目は可愛らしいですが、繁殖力が非常に強く、駆除が難しい植物としても知られており、三大雑草を名にふさわしい植物だと思います。

【対処法】
カタバミも厄介な地下茎を持つ植物です。基本的な対処はスギナやドクダミと同じく、こまめに抜き、光合成を防ぐことにあります。カタバミの特徴として種子が飛散しやすい点が挙げれらます。花が咲いている場合は先に花を刈ってしまい袋で密閉処分すると、種子の飛散を防ぐことに繋がります。
【絶対にダメ!】
ひとつひとつのパーツは小さく茎も細いため、カタバミを摘み取る行為自体は比較的カンタンかも知れません。しかし、カタバミもまた切れれば切れるほど、その断面から数を増やしていく植物です。
掘るのであれば周囲の土ごと掘ってしまい、根も茎も残さないように心がけましょう。
土に接するとすぐに根付いていきます。このような特性から、カタバミの混ざった草を堆肥とすることは絶対にやめましょう。
全ての雑草に共通する対策、防草シート
全ての植物に共通する対策として優秀だと言えるのが防草シートです。
なぜそこまで雑草対策として防草シートが優れているかというと、除草剤のように土壌の状態をかえることなく、植物の光合成を防ぐことができるからです。
■防草シートは光合成を阻害する
防草シートはただ地面や雑草を隠しているだけだと思われているかも知れませんが、実はそうではありません。
防草シートは、シート下の草に対し光を通さず、草を枯らせる効果を持っています。それがスギナやドクダミのような地下茎や塊茎(栄養の貯蔵庫)を持つ植物であっても、取り込む光を無くすことで栄養を尽きさせる効果を持っているのです。

まとめ
三大雑草という形で高い生命力と繁殖力を持つ雑草を紹介してきました。
高い生命力を持つため農薬による駆除が最も効果的とは言えますが、土壌や周辺環境への影響も気になるところです。
農薬を使わないことを前提とした対策は、基本的に「光合成を阻害すること」です。防草シートを敷くことも有効ですが、特別な準備のいらない方法として「地上にでている部分をとにかくむしり続ける」ことが挙げられます。単純なようで実は最強とも言える対策です。光合成によるエネルギーを作らせないことで、スギナやドクダミのような強力な植物もいつかは枯れて行きます。
人間と植物の、まさに根気勝負と言えるかもしれません。