【5分でわかる】農業用ロープの種類と用途。目的に合わせ最適なものを選ぼう!
農業に用いられるロープには多くの種類があります。
目的により、強度や張力、柔軟性などが異なり、様々な用途ごとに最適化されたものが販売されており、目的に合わせたロープを選ぶ必要があります。例えば全く伸縮しないロープで植物を縛った場合、茎の成長に対応できず、紐が切れるか茎が折れるかのいずれかとなってしまうでしょう。
また、機能とは別に、土の中で分解されるなど自然環境に配慮したものも多く存在しています。
本記事ではそんな「農業用ロープの種類と用途」について、端的に分かりやすく紹介して行きたいと思います。
※本記事は5分での可読文字数とされる1,500~2,000文字を目安に書かれています。

素材ごとの特長と用途
1.ナイロンロープ
【特長】
ナイロンは強度が高く、耐摩耗性にも優れ、一言でいえば頑丈です。また、伸縮性があり衝撃を吸収しやすいので、植物を傷つける心配が少ないのも大きな特長のひとつと言えます。
【用途】
安定した強度を持つため、重い作物を支える支柱や灌漑用のホースの固定などに使われます。耐久性が高く長期間の使用にも適しています。
【注意点】
紫外線に弱く、屋外で使用した場合に劣化することがあります。この欠点を補うため、UVカットの処理が施されたナイロンロープも販売されています。
2.ポリエステルロープ
【特長】
ポリエステルは紫外線への耐性が高く、日光により劣化しづらいため、屋外での使用に非常に適しています。また十分な強度を持ち耐久性にも優れます。
【用途】
作物の誘引や支柱への固定用として多く使われます。また棚の設置やネットの取り付けなど多方面で活躍できる素材です。
【注意点】
伸縮性はあまりないため使用する際には張り具合をしっかりと調整する必要があります。伸縮性のない素材は緩みやすい、ほどけやすいとなどの欠点を持ちます。
3.ポリプロピレンロープ
【特長】
ポリプロピレンも軽く強度に優れる素材です。また耐水性が高いという特長もあります。安価でありながら柔軟性にも優れますが、紫外線にはそれほど強くありません。
【用途】
水に強いという特性から、水場や湿地での使用に向いています。
【注意点】
紫外線に弱いという弱点から、長時間屋外に放置すると劣化するおそれがあります。
4.ジュートロープ・コットンロープ(麻・綿)
【特長】
共に自然素材で、手触りが良く柔らかい質感があり、植物を傷つけません。また、自然に分解されるためエコな選択肢として人気です。土中では分解速度が早まります。
【用途】
軽い作物の誘引や、支えとして使われることが多いです。特に有機農業において化学素材を避けたい場合に用いられることが多いです。
【注意点】
湿気に弱く腐りやすいため、長期間の使用には向いていません。また強度は他の素材に比べてやや劣ることがあります。
5. ワイヤーロープ
【特長】
ワイヤーロープはその名の通り金属製であるため、高い強度と耐久性にも兼ね備えます。大きな荷重を支えることができ、重い作物や大きなネットを支えるのに適しています。
【用途】
重い作物を支えるための支柱や、棚や果樹などの柱にも使われます。農業機械の固定などにも多く用いられています。
【注意点】
硬度が高く柔軟性がないことから、植物や人体を気付ける可能性もあり、取り扱いには特に注意が必要です。欠点の解消にクッション性のあるカバーをつけることもあります。
再生繊維を用いたロープも
農業用ロープの中には、上記のような合成繊維や自然繊維で作られたものばかりではなく、その中間とも言える「再生繊維」を用いたロープも存在します。
6.レーヨン
【特長】
化学繊維に近い強度と、事前繊維に近い滑らかな肌触りを併せ持つ。柔らかい表面は植物にやさしく、土中で分解され環境にも配慮されている。
【用途】
比較的重い作物の誘引や整枝、支柱を支えるのにも広く使われる。新聞や雑誌などの結束に用いられることも。
【注意点】
レーヨン素材の弱点は湿気に弱いことです。吸湿性が高く、水を吸い膨張した間強度が弱まってしまいます。また紫外線にも決して強くはありません。

素材 | 繊維 | 強度 | 耐水性 | 耐候性 | 柔軟性 |
---|---|---|---|---|---|
ナイロン | 合成繊維 | 〇 | 〇 | △ | 〇 |
ポリエステル | 合成繊維 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
ポリプロピレン | 合成繊維 | 〇 | ◎ | △ | 〇 |
麻・絹 | 自然繊維 | △ | △ | △ | ◎ |
ワイヤー | 金属 | ◎ | 〇 | 〇 | ✕ |
レーヨン | 再生繊維 | 〇 | △ | △ | ◎ |
まとめ
農業用ロープは、その用途に合わせて素材が異なります。
6つの素材を本記事では紹介しましたが、ざっくりと考えるのであれば「重い作物を支えるならポリエステルやナイロンのような合成繊維」が適しており、「環境に優しいものを選ぶのであれば自然繊維・再生繊維」を選ぶのが良いでしょう。もしそれ以上の強度を求めるのであれば「金属(ワイヤー)やハウスバンド」を検討すべきだと思います。
また長期間の使用を見据えるのであれば紫外線への耐性(耐候性)もひとつのポイントと言えます。
どんな作物を育てるか、収穫までの期間はどれくらいか、高い強度が必要かによって適したロープは変わってくるので、用途に合わせて選ぶことがポイントです!
本記事では紹介できなかったハウスバンドについて、以下の記事で紹介しております。