茶棚の被覆栽培で旨味アップ!開閉式遮光ネットの設置事例

茶棚の被覆栽培で旨味アップ!開閉式遮光ネットの設置事例

茶棚の被覆栽培で旨味アップ!開閉式遮光ネットの設置事例

お茶の香りや味わいを引き出す方法として、最近あらためて注目されているのが「被覆栽培」。
とくに、遮光ネットを使って日差しをコントロールすることで、旨味のもととなるアミノ酸(テアニン)が保持されやすくなり、やわらかく上質な茶葉に育ちます。 今回は、京都府木津川市の茶畑で実施した遮光ネット付きの茶棚設置事例をご紹介します。
開閉式のネットを活用した茶棚の工夫や、被覆栽培による効果についても詳しくお届けします!

設置概要と現場の特徴

京都府木津川市にある緩やかな傾斜のある圃場(約1,050㎡)に、開閉式遮光ネット付きの茶棚を設置しました。

・設置場所:京都府木津川市、約1,050㎡(約20 m × 54 m)の緩やかな傾斜地
・ネット仕様:高さ約2m天井、ネット1段仕様、遮光率約90〜95%のネット。横幕ネット付きで全方位遮光が可能です。
・施工期間:約10日間

しっかりと日差しを遮ることで、光合成のスピードをゆるやかに抑え、じっくり育った茶葉は旨味が凝縮。味・香りの質を重視する栽培にはぴったりの環境です。

施工の流れと工夫ポイント

遮光ネットは「開閉できる」ことがポイント!
日照や風の状況にあわせて柔軟に調整できるよう、以下のような流れで設置を行いました。

① アンカーの打ち込み(隅柱=2t用/その他=1t用)
② 支柱の建て付け
③ 周囲ワイヤーの取り付け
④ 小張線の設置
⑤ 天井・横幕ネットの取り付け

ネットはワイヤーに吊環(つりかん)でつながっており、必要に応じて開閉が可能。
たとえば、台風前などにネットを一時的に外したい場合でも、スムーズに対応できます。

被覆栽培がもたらす、茶葉へのうれしい変化

被覆栽培には、見た目や香りだけでなく、お茶の味をぐっと引き上げてくれる力があります。

◆遮光ネットによる被覆栽培のメリット

・テアニンの増加で旨味アップ
日差しを制限することで、アミノ酸が多く残り、まろやかな味わいに。
・やわらかな葉に育つ
光による硬化を抑えるため、やわらかく大きな葉になり製茶にも適した状態に。
・病害予防の効果が期待できる
日中の気温上昇をおさえ、圃場内の温度・湿度のバランスが整うことで、病気のリスクも減らせます。

また、遮光ネットには風よけの効果もあり、茶葉へのダメージを防ぎつつ、空気の流れを確保できる点もメリットです。

安全性と使いやすさを両立した構造

・耐風・耐久性バッチリ
支柱には2t用・1t用のアンカーを使い分け、強度をしっかり確保しています。
・メンテナンスしやすい設計
ネットはパーツごとに取り外し可能。風雨や経年劣化で一部が傷んでも、部分交換ができます。
・開閉操作もかんたん
吊環式のネットは、ひとりでも開閉できる仕様なので、作業の手間がぐっと減ります。

専用の支柱・ワイヤーとネット構成により、安全・効率的に被覆栽培が実現できます。

ネットを開けた状態
ネットを閉じて被覆した状態

経済性とカスタマイズ性を両立!

・見積り無料・オーダーメイド対応!
圃場の広さや地形に合わせて、ぴったりの設計をご提案しています。
・防霜対策とあわせての導入もOK
寒冷地や霜が気になる地域では、防霜ファンの設置と組み合わせた導入も可能です。反対に、防霜ファンの設置のみでもお任せください!

広さや傾斜、風の通り方などを踏まえた設計で、導入後のランニングコストとメンテナンス負担も抑えられます。
費用面が気になる方も、まずはお気軽にご相談ください。
「導入してよかった!」と言っていただける設計を目指しています!

補足知識:被覆栽培・遮光ネットの選び方

◆遮光率の目安

被覆に使う遮光ネットは、目的や気候条件によって選ぶ必要がありますが、一般的には遮光率75〜90%のものが使用されます。
遮光率が低すぎると光を通しすぎて効果が薄く、高すぎると通気性が悪くなったり、日照不足で茶の樹が徒長してしまう恐れもあるため、バランスが大切です。
遮光率が高すぎる場合は茶樹の生育に影響を与えることがありますが、本事例では開閉式で被覆期間の調節が可能なため、高遮光率のネットでも問題ありません。

また、上部を覆うネットと、横幕の網目を変えることで遮光率と通気性のバランスを良くしています。

◆ネット素材の特徴

・通気性と遮光性を両立する素材を選ぶことが重要。
・防虫ネットのような通気性のみ高いものは遮光用途では不適。
・ラッセル織りの遮光ネットは、農薬飛散防止にも優れる構造です(スカイラッセルなど)

★本事例では遮光を主目的としていますが、農薬飛散対策(ドリフト防止)としての活用例も注目されています。

まとめとご案内

京都府木津川市で施工されたこの茶棚は、被覆栽培と遮光ネットの特徴を最大限活かした設計例です。遮光率90〜95%のネットを使用し、安全で効率的な施工、そして収穫品質の向上に貢献します。

・品質向上を目指す被覆栽培
・開閉可能なネットで柔軟な日照管理
・強度とメンテナンス性を両立した設計

ご興味のある方は、まずはお気軽にご相談ください。圃場に最適なご提案とお見積りをさせていただきます。

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