【5分でわかる】遮光ネット。家庭菜園や熱中症、適した遮光率は?
遮光ネットは、日差しが強くなる春から夏にかけて、農作物や園芸植物、または動物や人を強い直射日光から守るために使用される便利なアイテムです。
本記事ではメインである農業での用途について、端的に5分程度で紹介したいと思います。
園児の熱中症対策で遮光ネットをお探しの方は、本記事の最後にリンクがございます!
※本記事は5分での可読文字数とされる1,500~2,000文字を目安に書かれています。

遮光ネットの目的(農業用)
農業で遮光ネットを使用する目的は、大きく以下の3つがあげられます。
1.日差しの調節:強すぎる直射日光を和らげ、野菜・果樹の日焼けや葉焼けなどを防止する。
2.温度の抑制:太陽光の熱を遮ることで、ビニールハウスや圃場の温度上昇を防止する。
3.乾燥、水分蒸発の防止:日光による温度上昇を抑えることで、過度な蒸発を抑え、土壌や葉の乾燥を防ぐ。

遮光率別:適した作物の一覧
どの野菜・果物にどの遮光率のネットを使えばいいか?一番大きな疑問はこの点だと思います。
代表的な例をご紹介します。地域や環境に温度も光量も異なります。以下の例を基準に環境に合わせ調整いただくのが良いと思います。
■ 遮光率 20~30%:日光を好む作物
【適した作物】トマト、ナス、ピーマン、オクラ、トウモロコシ など
【特徴】太陽光を好む野菜。あまり遮光しすぎると徒長(細長くひょろひょろ)しやすくなる。
【使用例】高温時期に一時的な直射日光の緩和に。真夏の昼間だけ日差しを弱めたい時など。
■ 遮光率 30~40%:一般的な野菜・花
【適した作物】小松菜、ほうれん草、きゅうり、モロヘイヤ、ブロッコリー、インゲン など
【特徴】ある程度日光を必要とするが、真夏の暑さは和らげたい作物に。
【使用例】夏季に安定した成長を実現するため、広く使われる遮光率です。
■ 遮光率 50~60%:直射日光を少し避けたい作物
【適した作物】レタス、水菜、チンゲンサイ、ミョウガ、ワラビ、イチゴ など
【特徴】葉焼けを防ぎ、柔らかく美味しい葉を育てることを目的とした遮光率。
【使用例】柔らかさや風味を重視した栽培に多く用いられます。
■ 遮光率 70~80%:強い日差しが大敵な作物
【適した作物】シダ植物、観葉植物、野菜や果樹の苗 など
【特徴】若い植物やデリケートな品種に使用する遮光率。強い日光に弱い植物に。
【使用例】育苗のためのハウスや温室などでの長期使用に向いている。
■ 遮光率 80~90%:キノコ類、人間の熱中症対策にも
【適した作物】キノコ類(シイタケ、キクラゲなど)
【特徴】熱中症対策や、牛舎・鶏舎などの動物用の日除けにも。
【使用例】ほぼ直射日光を遮断するので、キノコ類栽培での使用に適します。
真夏だけであれば、通常より10~20%高い遮光率も推奨されます。部分的な使用や、時間帯ごとにかけるといった調整・付け外しもできるのが遮光ネットの強みの一つです。

使用時期と注意点
遮光ネットは一年中使用する資材ではありません。特に夏場の強い日差しから守るために用いることが多く、使用時期は地域によっても異なりますが、概ね5月中旬〜9月上旬が目安となります。
ただし近年は地球温暖化の影響により使用時期が延びる傾向にあります。
【注意点】
・遮光しすぎない:植物は光合成を行い成長しています。遮光率が高すぎると成長が悪くなる場合があるため、植物に適した遮光率を選びましょう。
・通気性の確保:遮光ネットで完全に密閉してしまうと空気がこもり病害の原因に。適度な開閉や換気を心がけましょう。
・劣化の確認:遮光ネットは繰り返し使うことができますが、紫外線や風雨で劣化するため、使用前には破れやほつれがないか確認することが大切です。
近年では、幼稚園・保育園園庭での熱中症対策(サンシェード)としても、農業用遮光ネットの使用が流行しています。安価であることや作業性の高さがその理由のひとつとなっています。
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