【5分でわかる】寒冷紗の使い方。寒さ対策だけじゃない万能資材!
寒冷紗(かんれいしゃ)は、農業、園芸で多く使用される作物を保護するための網状の布素材です。白や黒の薄手のメッシュ素材が特徴で、季節ごとに植物を守るためにさまざまな用途で活躍します。寒冷紗の主な使い方について紹介して行きます。
※本記事は5分での可読文字数とされる1,500~2,000文字を目安に書かれています。

寒冷紗の使い方①:寒さから守る
寒冷紗は、その名の通り、冬の寒さ対策が主な利用法になります。特に霜が降りるような気温の低い時期に寒冷紗を用いることで植物を凍害から守ることができます。寒冷紗はその内側に熱を閉じ込めるため、特に冷え込みが強い夜間に植物の周囲を暖かく保つことができます。トンネル型に寒冷紗を設置することで土壌の温度を一定に保ち、根の生育にほどよい地温を確保することもできます。
寒冷紗は植物に密着しないよう少し浮かせて設置するのがポイントです。密着させすぎると温度差が激しくなり、作物へ悪影響がでる場合もあります。寒冷紗の設置は作物との間に、ある程度の空間を空けて使うようにしましょう。

寒冷紗の使い方②:日差しを遮る
寒冷紗という名前ではあるものの、寒冷ではない夏場の日除けとしても多く使用されています。
寒冷紗は特に強い日差しから作物を守るために使われます。直射日光が強すぎると植物は葉焼けを起こしたり、水分の蒸発が多くなり枯れてしうことがあります。寒冷紗を使用することで太陽の光を適度に遮り、植物にとって適切な温度と湿度を保つことができます。
寒冷紗は、支柱やアーチに取り付けトンネル状に使われるケースがほとんどです。寒冷紗は軽くて通気性があるため、植物が蒸れたり、空気の循環を悪くする心配も少なく快適な育成環境を生み出します。
また、寒冷紗では日光をどの程度遮るを決定する「遮光率」に多くのバリエーションが存在します。遮光率が高いものほど強い日差しから守り、逆に低いものほど柔らかい光を通しながら暑さを緩和していきます。用途に応じた遮光率を選ぶことが寒冷紗選びのポイントです。

寒冷紗の使い方③:害虫などの外敵対策
寒冷紗は、作物の害虫対策としても用いられます。寒冷紗の目は通常1mm程度で、蚊やカメムシなどの害虫を通しません。アブラムシの対策では0.5mm程度の網目のものを選びましょう。農薬に頼ることなく害虫から植物を守ることができます。
オススメの設置方法は、寒冷紗をトンネル状に設置することです。害虫が植物に触れる前に物理的に作物を守ることができます。害虫の侵入を防ぎつつ、植物には必要な光や空気が届くため、非常に効率的な資材だと言えます。

寒冷紗の長所と短所
寒冷紗の最大のメリットはそのコストパフォーマンスです。軽量で再利用が可能、設置も簡単です。また環境に優しく、農薬を使わずに植物を守れる点も大きなメリットと言えます。
一方で、寒冷紗は薄手であるため、強い雨や風にさらされると破れやすくなることがあります。特に雨後には破損がないかのチェックを行いましょう。また、全ての害虫を防ぐことができるわけではないので、状況に応じて他の資材と併用することが大切です。
寒冷紗での育生に適した作物
最後に寒冷紗での育生に適した野菜・果物を紹介します。非常に多くの植物に対し、寒冷紗は有用です。
1. 葉物野菜
・レタス、小松菜、ほうれん草、チンゲンサイ、水菜など
葉物野菜は直射日光に弱く、特に暑い時期に葉焼けを起こすことがあります。寒冷紗を使用することで強烈な日差しから葉を守ることができます。
2. 根菜類
・人参、大根、ジャガイモなど
根菜類は土の中で成長するため、地温調整に効果の高い寒冷紗の使用が適しています。寒冷紗をトンネル状に使うことで地面との温度差を緩和できます。
3. 果菜類
・トマト、ナス、ピーマン、きゅうりなど
果菜類は実をつけることから害虫や害鳥に狙われやすい傾向にあります。寒冷紗は外敵からの保護と病害対策の2つの効果を発揮します。
4. 果物
・イチゴ、ブルーベリー、ミカン(柑橘類)、リンゴなど
寒冷紗は果樹の育生にも有効です。中でも寒さや風害に弱い果樹には有効な手段となります。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
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