【備蓄米】全部が古いわけじゃない??どこで買える?おいしく食べる方法は?
随意契約による備蓄米の販売開始から2ヵ月が経とうとしています。
備蓄米と言うと「ずっと倉庫に眠っていた古いお米」というイメージがあるのではないでしょうか?
「古いお米は美味しくない」=「備蓄米が美味しくない」という考えを持たれている方も決して少なくないと思います。
しかし現在販売されている備蓄米の中には「令和6年産」、つまり令和7年7月現在では「古米」である比較的新しいお米も販売されています。
※日本で販売されているお米は「米穀年度」により産年が決められています。古米とは令和7年現在、令和5年11月1日から令和6年10月31日までに収穫されたお米を指します。

備蓄米=古いお米ではない
筆者が無知なだけかもしれませんが、もしかしたら同じ勘違いをしている方もいるかもしれません。
備蓄米は「1年経ったら家畜のエサ」のような発言もあり、古いお米だというイメージを持っていましたが、実際には古いお米ばかりではないようです。
■令和6年産の備蓄米も販売されている
冒頭に書いた通り、実は令和6年産(2024年産)の備蓄米も随意契約で販売されてるようです。
考えてみると当たり前のことですが、備蓄米は緊急時に備え毎年ある程度の量が貯蔵されていきます。
ですので、当然ながら昨年収穫されたたお米もその年の備蓄米として貯められているわけです。
ただ現状、量販店を回ったりWEB上で調べる限り「令和5年産または令和6年産だけ」で構成されている備蓄米は販売されていないようです。
販売されているのは「令和6年産と令和5年産の備蓄米を含む複数原料米」です。代表的なものは全農パールライス株式会社の取り扱う「パールライスのお米」だと思います。
ただ、どの程度の割合の備蓄米が含まれているかは発表されていないため、もしかしたら備蓄米の割合が0%程度という可能性もあるのかもしれません。実際、公式サイトでは「原料に政府備蓄米を使用している場合もある」「年産は令和5年産と6年産のみを使用」と書かれています。

参考:全農パールライス株式会社『弊社商品「パールライスのお米」の使用原料について』
https://www.zpr.co.jp/news/2619/
■安いのは令和4年産(古古古米)以前の備蓄米
ここで言う「安い」は5kgが1,800円(税抜)で販売されている備蓄米のことを指しています。
上記のように令和5年産、令和6年産を使用したお米も販売されているものの、これらのお米の中で5kg1,800円(税抜)という商品は見つけることができませんでした。
例えば上記「パールライスのお米」であれば店頭価格は5kgで3,499円となっていました。
5kgが1,800円(税抜)という一般的に連想される備蓄米価格のお米は、令和4年以前に収穫されたものになります。現状だと令和4年産(古古古米)と令和3年産(古古古古米)のものが取り扱われていると思います。令和2年産(古古古古古米)についてもニュースになっていたため販売されていることは知っていますが、まだ筆者は見たことがありません。
これら令和4年産以前の備蓄米も、パールライスのお米同様に一種類のお米を原料としていない複数原料米です。ただ細かい割合については知ることができません。
備蓄米が手に入りやすくなっている?
5月下旬の備蓄米の放出開始から一ヵ月半あまりとなる7月現在、備蓄米はかなり手に入りやすくなっているように感じます。
この日、筆者は埼玉県の同一市内の4つの「スーパーや量販店」で備蓄米の販売を確認することが出来ました。市内全てのスーパーを回ったわけではないので、探せば販売しているお店は他にもあったと思います。
■さまざまな産年の備蓄米が購入可能
今回量販店を回り確認できた備蓄米は、令和3年産、4年産、そして5~6年混合の3種類です。
やはり特筆すべきは令和5~6年産のブレンド米。「備蓄米」という言葉から古いお米を連想してしまいますが、令和6年産は「古米」となり、備蓄米以外で販売されている多くのお米と産年に違いがありません。



売られているお米は大きく5種類
現在多くの量販店で販売されているお米は大別すると、国産で4種、海外産が1種と言えると思います。以下の表は、筆者が量販店を回った際の令和7年7月現在のお米の種類や価格です。
産年 | 区分 | 原料 | 価格(税抜) |
---|---|---|---|
①令和3年産 備蓄米 | 古古古古米 | 国産 複合原料米 | 1,800円/5kg~ |
②令和4年産 備蓄米 | 古古古米 | 国産 複合原料米 | 1,800円/5kg~ |
③令和5・6年産 備蓄米 | 古米・古古米混合 | 国産 複合原料米 | 3,499円/5kg |
④令和6年産 ブランド米 | 古米 | 国産 単一原料米 | 4,099円/5kg~ |
⑤令和6年産 カリフォルニア米 | 古米 | カリフォルニア米 | 1,999円/5kg~ |
■カリフォルニア米を値下げしている店舗も
今回筆者は購入を見送りましたが、一番大きな値下がりを見せていたのはカリフォルニア米「カルローズ」でした。販売価格は令和6年産でありながら、5kgが1,999円と令和4年産(古古古米)以前の備蓄米とほぼ同じ金額となっていました。
実は前週に同じ量販店でこのカリフォルニア米の値段を確認した時、その価格は3,199円でした。備蓄米の放出により一番値下がりしているのは、カリフォルニア米やその他海外のお米なのかも知れません。
興味がある方は一度試してみても良いかも知れませんね。

備蓄米を美味しく炊く方法は?
筆者は備蓄米が美味しくないものだと決して感じていませんが、なるべく美味しく食べる方法を色々試しています。最後に私が試した中で、最も備蓄米が他の国産米の食感に近づいた方法を紹介します。

令和4年産(古古米)以前の備蓄米に関して言えば、一般に言われている通り確かに少し硬く感じる部分もあり、食感が劣ることが美味しくないと考えられる大きな理由かもしれません。ただ繰り返しますが、筆者は「まずい」とは全く感じていません。
匂いに関して言及されていることも多いですが、今のところ私が買った備蓄米の中で「クサい」と感じたものもありません。
■簡単だけど効果のあった方法
土鍋や備長炭を加える方法など色々試してみましたが、最もお手軽で効果があったと感じた方法は、電気炊飯器で炊く際に「かたさの項目でやわらか(やわらかい)を選ぶこと」です。単純なだけに意外かも知れませんが、想像以上に効果がありました。


【筆者が試して効果があったと感じること】
1.お米を炊く前に1時間程度水につける
2.炊飯器の「かたさ」の項目を「やわらかい」に設定する
筆者の技術力不足かもしれませんが、土鍋は意外と空振りました。
ただ結局最後は好みの問題だと思います。パスタでいうアルデンテのように少し芯を感じられる固さの方が好きという方もいらっしゃると思います。好みに合わせて炊き方もカスタマイズしていただくのが良いと思います。
もちろん好みである以上、備蓄米自体の味が受け入れられないという方がいても不思議ではありません。そもそも「備蓄米を購入するつもりがない割合が36%」という調査結果も報告されており、賛否両論あって然るべきだと感じています。
一方で購入者の8割が、味・品質に満足したという調査結果もでています。
買いたい人だけ買えばいいし、食べたい人だけ食べればいい。ただそれだけのことだと思います。
参考:CommercePick「実購入者の約8割が味・品質に満足」
https://www.commercepick.com/archives/67577