梅雨の本のカビ臭対策に!ユーカリ精油で防カビ&消臭

梅雨の本のカビ臭対策に!ユーカリ精油で防カビ&消臭

梅雨の本のカビ臭対策に!ユーカリ精油で防カビ&消臭

湿気が増えてくるこの季節、様々なにおいが気になります。
なかでも本のにおい、気になりませんか?古本をはじめとして、新品でも時間が経つと独特の匂いがしてきて体がかゆくなる気さえしてきます…。 筆者が持っている本棚は扉付きで通気性が悪いほか、引き出しにもパンパンに本を入れているので、いつのまにか生じるかび臭いような「古いにおい」が悩みの種でした。ですがあることを試したら、においがきれいさっぱり消えました。用意するものは1つだけ、この記事ではその方法を教えちゃいます!

本のいやなにおいの原因は?

様々な書籍が電子化される昨今ですが、紙の本の魅力は尽きません。
しかし本は紙。湿気があればそれを含み、「見えないカビ菌の温床」となることもしばしばです。特に風通しが悪い保管場所の場合、いつのまにか嫌なにおいがしている…という経験がある方も多いのではないでしょうか。
古本を買う場合は、元の持ち主や古書店での保管状態によって、環境のにおいを吸着してしまっている場合もあります。
また適切な方法で保管していても、紙の経年劣化によってパルプ繊維に含まれる「リグニン」という物質が「バニリン」という物質に変化することで、古紙独特のにおいに変わることがあります。ただし、この「バニリン」のにおいは一般的に嫌なにおいとはされません。

最近は販売される書籍の入れ替わりが速く、あっという間に書店やECサイトから姿を消し、絶版になるのも早くなっている気がします。「本は新品派」という方も、いまや古本でしか手に入らない本を欲しくなってしまった!ということもあるかと思います。

本の経歴がそのまま紙に染み着いている気がします。

【本のにおいの主な原因】
・カビ菌(=くさい)
・タバコなど、環境によるにおいのしみつき(=くさい)
・経年劣化によって紙が変化したにおい(=くさくない)

よくある対策

本のにおいが悩みの種、そんな時にネットで見た方法を試しました。筆者はタバコを吸わないので、においの主な原因を「カビ菌」として対処しています。

■コーヒーの出がらし、消臭剤

無臭の消臭剤や、コーヒーの出がらしを本と一緒に密閉しておく方法です。本を傷つけませんが、原因のカビ菌が生きていたらと思うとなんだかなーという気持ちが残ります。気分的にもベッドの上に散らかしておけません。 また、本棚にぎゅうぎゅうのままでは効果がなく、少しずつ取り出して消臭剤と密閉しなければならない手間も「無理だ~」となりました。それができないからこんなことになっているのです。

体感的には気休めかな…という感じ。

【メリット】
・本が傷まない

【デメリット】
・通気性を持たせなければいけない
・菌は死なない(多分)

■レンチン

「絶対やるな!」という意見も散見される方法のためおすすめしません。
しかし何やら強力そうなので、触るのもためらわれる古本にやってみました。
狙いとしては、マイクロ波で菌や微生物を死滅させ、においの原因を絶つというわけです。

【注意!】
ホチキスなど金属の留め具が入っている場合は大変危険です。絶対に真似しないでください。

【やってみた】
なかなか年季の入った本があります。神保町で買いました。
マイクロ波は水分がないと作用しませんが、とりあえず本の中の湿気に頑張ってもらうことにします。

電車のつり革も触れない人間なのに、なぜこんな小汚い本を買ったのか。

何秒やればいいのかわかりませんが、細かく様子をみて、トータル2分半ほど加熱しました。

見た目が変わるでもなく、薄明りに照らされる本。

本の安否も心配ですが、そもそも衛生に難があると思っている物を電子レンジに入れていることもあまり気分が良くありません。そのうえ水分をあまり含んでいないため、さして温まりませんでした。

ほん…のりあたたかい。

「本が発火するタイミング」と「菌や微生物が死滅する時間」の兼ね合いが分からないのでむやみに続けることもできなかったうえ、効果があるのかもよくわかりませんでした。本は傷むかもしれないし、1冊ずつレンチンするのは面倒の極みなのでこの方法も不採用です。

【メリット】
・菌が死んだ気がするため心理的には触りやすくなった

【デメリット】
・本が傷む恐れがある
・1冊ずつチンするのは手間

■むしぼし

本を風通しのよい日陰に干す、一番まっとうな方法です。それができないからこんなことになっているのです。
家の中にスペースはないし、外は急な雨に対応して取り込める自信もなければ、本棚の中身を取り出してしまう気力もありません。試す前に諦めました。
丁寧に虫干しをできる人は、そもそも本が臭くなってこの記事を読むことはないかもしれませんが、挑戦したい方はオレンジページの記事を参考されると良いかと思います。

参考:オレンジページ
https://www.orangepage.net/opeditor/lifestyle/posts/posts/8709

ユーカリオイルで解決した!

「手間いらず」で「一度に大量に」で本のにおいを解決できる方法はないものか…。 そんなときふと、部屋にあったアロマオイルが目に留まりました。とりあえずスースーする香りをさせておけば気休めになるだろうか…と小皿に「ユーカリオイル」を10滴ほど垂らして本棚に入れました。

ユーカリのアロマオイル(精油)

本棚はしばらく、ユーカリの香りでいっぱいになります。何日かたつと香りも消え、あることに気が付きました。
「本のにおいが消えてる!」
なんか微妙なあのにおいが、あとかたもなかったのです!本も動かさなくていい、1つの本棚につき1回の処置で済んでとっても楽です。
別の機会に、スースーするなら何でもいいのかな?と白花油(ハッカ)や、ペパーミントオイルで試しましたが、効果はありませんでした。やはりユーカリオイルが向いているようです。

効かなかったものたち。左からハッカ油、ペパーミントオイル、白花油。

使い方と注意点

■扉付きの本棚の場合

・ユーカリオイルを小皿に垂らし、本棚に入れる。

10滴くらい。本棚の大きさに合わせて調整してください。
かわいい小皿にすると、見えても嫌じゃない!

■引き出しの場合

引き出しは狭いのでお皿が入らなければおちょこ、使わないビンのフタなどでも良いです。

かわいい小皿にすると、見えても嫌じゃない!

■オープンの本棚の場合

・本を箱またはビニール袋に、本とユーカリオイルを垂らした小皿を入れて密閉する。

どちらの方法も、数日後ユーカリの香りが消えても消臭が不十分であれば、オイルを足して数日待ってください。

■注意点

・ユーカリオイルが本に付かないように注意してください。シミになります。
・ユーカリオイルを入れるのは容器は陶器またはガラス製がおすすめです。プラスチック製は変質してしまう恐れがあるため避けてください。

木やアロマストーンに染み込ませる場合は、何か下に敷いてください。

【メリット】
・香りが良い、のち無臭
・処置が簡単
・オイルのため分けやすく、たくさんの場所に設置できる

【デメリット】
・効果が出るまでに数日間の時間がかかる
・スースーする香りが苦手な人には向かない

なぜユーカリオイルが効くのか?

ユーカリはフトモモ科の常緑樹で、種類として知られている400~500種のほとんどがオーストラリア原産です。ユーカリと言えば、コアラが主食にしている葉っぱですが、コアラ以外のほとんどの動物にとって毒になるとされています。ヒトに対してアロマとして使用する分には問題ありませんが、子供やペットの誤食には注意しましょう。

コアラはユーカリの毒性を分解するためよく寝るそうです。毒くらってるのかい。

ユーカリオイルについて検索すると、「殺菌」「抗菌」などの作用があるという記事が多くヒットします。ユーカリの精油に強い抗カビ効果があるという研究結果もありました(メーカーによって差異あり)。

ユーカリオイルには、次のような殺菌成分があります

・1,8-シネオール

殺菌効果が高く、消毒、虫よけなどにも活用されています。マウスウォッシュの「リステリン」にも配合されている成分です。

・テルペン類

植物がつくる揮発成分で、抗菌作用をもっています。

・α-ピネン

マツノキやヒノキなどにも含まれる成分で、抗菌作用があります。

・リモネン

オレンジやレモンなどの柑橘類に多く含まれる成分です。溶剤として洗剤にも使用されますが、細菌の細胞膜を破壊することで抗菌作用を示すとされています

・グロブロール

ユーカリ・グロブルスから発見された成分で、抗菌作用があるとされます。

自分で本を顕微鏡で見たわけではないため正確ではありませんが…。ユーカリの香りが消えた後に消臭された本棚の状況から、筆者の本棚は殺菌されたとみてよさそうです。参考論文によると、シナモンリーフの精油も高い抗菌作用があるようなので、今度試してみようと思います!

とりあえず、賞味期限切れのシナモンパウダーにかけてみました。コラボなるか?!

参考1:「薬用リステリン®の成分」
https://www.listerine-jp.com/ingredient
参考2:「天然物由来揮発性物質の真菌抑制効果に関する研究(修士論文梗概)」
https://teapot.lib.ocha.ac.jp/records/39986

ユーカリオイルの選び方

ユーカリオイルは主に3種類あります。お好みで結構ですが、筆者は初めて買う時に迷ったのでご参考までに特徴を紹介します。

① ユーカリ・グロブルス

揮発性が高く、体感的には一番ガツンとスースーする香りです。1,8-シネオールが6割を占め、蚊やダニなどの虫よけ効果も期待できます。

② ユーカリ・ラディアータ

グロブルスよりも1,8-シネオールの含有量が低いためスースー感は弱く、柑橘のような香りを含んで使いやすいです。抗菌作用が高いと言われています。

③ ユーカリ・シトリオドラ

別名「レモンユーカリ」とも言われ、レモンに似た香りを放ちます。成分から、抗菌よりも昆虫忌避の効果が高いと言われています。

筆者は①と②を試したことがあります。どちらも効果がありましたが、②ユーカリ・ラディアータがより自然に本棚を無臭化してくれたと感じています。部屋のアロマの延長として使用する、またスースーする香りが苦手な方にはラディアータ。スースーが好きで、虫よけ効果も同時に欲しい方はグロブルスがおすすめです。

また、同じ表記の精油でもメーカーによって個性があります。好きな香りのはずなのに、別のメーカーで買ったら「大差はないけど、ちょっと違った…」ということもありました。可能であればテスターを嗅いでから購入を決めると良いでしょう。

本のにおいの原因がカビであれば、市販の防カビ材の使用も効果的です。
しかし、防カビ材に比べてユーカリオイルは残り香も良い香りという点と、液体で分けやすい点が気に入っています。「ここにも入れたいのに、数が足りない~」とならないですから!
ユーカリオイルで簡単なにおい対策!古い本をお持ちの方は、是非試してみてください。

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