ちいかわ、合格なるか?! 草むしり検定と植物の世界を徹底解説!

ちいかわ、合格なるか?! 草むしり検定と植物の世界を徹底解説!

ちいかわ、合格なるか?! 草むしり検定と植物の世界を徹底解説!

「なんかちいさくてかわいいやつ」、そう、ちいかわ。ナガノ先生の人気作品は、キャラクターがかわいいだけでなく、どこか世知辛く不条理な世界観が魅力です。
そんなちいかわ世界に存在する「草むしり検定」は、彼らの“生き方”や“価値観”を映し出す重要な要素の一つ。今回はこの検定について、ちいかわ世界と我々の現実を重ねながら考察していきます!

草むしり検定とは?

ちいかわ世界に存在する労働の一つ、「草むしり」。それに関連する資格が「草むしり検定」です。5級から1級まであり、資格を取ると報酬がアップします。危険を伴う「討伐」などの仕事よりも安全なため、草むしりの腕を上げることが生活の安定に繋がります。

その他の労働は簡易なもので「夜勤 採集」・「工場勤務」、危険を伴うもので「討伐」、高度な資格が必要な「スーパーアルバイター」があります。
「討伐」の資格試験について詳しい情報はありませんが、戦績が優秀な者には「ランカー」という地位が与えられます。討伐は高額報酬が期待できるものの危険が伴うため、資格試験を受けて安全な草むしりの報酬をあげることは賢明といえるでしょう。
(古本の中に「絶対 負けない討伐2級編」があるので、討伐にも等級はあるようです)

また、食物に関してちいかわの世界では「なんか笛ラムネが湧きでてるトコロ…」や「無限白米沸きドコロ」などの沸きドコロ、「巨・タコウィンナー」「巨・カヌレ」などの巨大な食べ物が出現することがありますが、供給は安定していません。一方、ちいかわ世界には「むちゃうまヨーグルト/プリン」や「二郎系ラーメン」など現実と重なる食文化も。お金の存在もあり、検定取得による収入アップは非常に重要です。
このほか、ちいかわの親友ハチワレは、お金を貯めて討伐のための武器や、趣味のカメラを購入しています。

ライフワークとなる検定

ちいかわ、ハチワレ、うさぎ。三者三様の努力スタイルが描かれるのが、草むしり検定エピソードです。

ちいかわとハチワレは5級から検定をスタートしました。
(うさぎはいつ受けたのか、既に3級をもっています。)
ちいかわが本屋さんでピカピカの参考書を買う一方、ハチワレは古本屋さんで中古の参考書を買って勉強しました。「一緒に合格してサ 報酬アップさせようよ!!」と約束したふたり。結果、無情にも受かったのはハチワレだけ。ちいかわ、ハチワレよりも立派な参考書を持っているのに…。これが一回目の検定でした。
ちいかわにとって苦い思い出となった初めての検定は2020年、翌年2021年には2回目の試験を受けるも、サクッと落ちました。

ハチワレは5級合格後、4級はちいかわと一緒に受けるとして草むしり検定を受けることはなく、ラッコ師匠指導のもと「討伐」に力を注いでいます。うさぎはちいかわが超えられない壁を余裕で超え、シーサーはスーパーアルバイターの資格をもってバリバリ働きながら、さらにお酒の資格勉強をしています。取り残されたちいかわの姿に、浪人生のような焦燥が重なります。

【時系列まとめ】
・2020年10月 …ちいかわ、ハチワレ「草むしり検定5級」を受験
・同月    …ちいかわ不合格、ハチワレ5級合格
・2021年 2月 …ちいかわ5級受験するが不合格
・2025年 4月 …ちいかわ5級模試を受けるがE判定
・2025年 5月 …3回目の試験

ちいかわにとって5級の勉強は日々のライフワークとなっていました。討伐は危ないし、工場勤務は孤独です。草むしり検定5級2浪のちいかわに、スーパーアルバイターの試験など夢のまた夢。模試がE判定であろうと、5級を諦めるわけにはいかないのです。4年の沈黙を経てやってきた2025年初夏の試験、今度こそ受かるのか────?!

なぜ草をむしるのか

草むしりは単なる景観維持ではないようです。
ハチワレが「そのまま生やしといたらエリア一帯腐ってた」と言われる草を抜いたエピソードから、“治安維持”の要素もあるとわかります。
報酬アップに喜ぶハチワレでしたが、周りを腐らせるほどの危険草、素手で触って良かったのでしょうか…。安全で地味に見える草むしりも、実は重要な役割を果たしているのかもしれません。

草むしり検定について考える

ハチワレの「危険草」のエピソードで鎧さんの言葉から、草むしりする場所がエリア分けされており、生える草が異なるという情報が読み取れます。詳細は不明ですが、エリアごとに難易度があり、このエリアに入るために草むしり検定の等級が必要な可能性があります。
(または、資格保持者に割り増し賃金が発生するのかもしれません)

草むしり検定5級の問題を勉強するちいかわ達は、以下の練習問題を解いています。

・絶対にむしっちゃいけない草は何か?
・触るとかぶれちゃう金色の草は何か?
・根っこが長すぎる場合の対処は?
・写真から草の名前を答える問題(ヒント:手がちょっとくさくなる)

ちいかわ世界はフィクションですが、我々の世界にあったら何かな?と想像してみました。

■絶対にむしっちゃいけない草は何か?

作物・栽培植物、もしくは希少植物(絶滅危惧種)など

実在の例:
作物の苗(例えば:イネ科の稲、野菜苗など) → 除草のつもりで抜いたら大問題!
薬用植物や植栽されている草花 → むしっちゃダメな“ちゃんとした植物”

危険草をむしったハチワレがお手柄とされたことから、危険なものは触っちゃダメ、ということはなさそうです。このため、抜かれたら困る有益な植物ではないかと思います。
ちいかわ世界にはパンのなる植物などがあるため、こういった有益な草かもしれません。人間世界でいえば、稲や枝豆でしょうか。

ちなみに、草むしりを始めとした労働は鎧さんが管理しており、ちいかわ世界の仕組みをより理解しているそぶりを見せています。ちいかわ達や読者が知らない「絶対むしっちゃいけない」理由があるかもしれません。

■触るとかぶれちゃう金色の草は何か?

ウルシ科植物やイラクサ類が該当しそう

実在の例:
ハゼノキ(紅葉して金色〜赤になる/かぶれ成分あり)
ヤマウルシ(秋に金色に色づき、触るとかぶれる)
セイタカアワダチソウ(金色っぽい花、かぶれる人もいる)

セイタカアダチソウ

かぶれる代表でいえばウルシで、紅葉すると金と言えなくもないけど、草というよりは木です。セイタカアダチソウは金と言えなくもないけど、手がかぶれるというほどかは微妙です。
また、セイタカアダチソウによく似たブタクサという植物もあります。ナガノ先生はブタクサの花粉症をお持ちなので、恨みはあるかもしれません。 ちなみに、クレマチスの花のおしべが残った状態は、つるつるツヤがあって金色に見えることがあります。(かぶれはしませんが!)

クレマチスのおしべ。もう少し萎れてくると、金の糸のようになります。

■根っこが長すぎる場合の対処は?

実際の植物なら、無理せず根をたどって掘る/途中で切らないのがベスト

実在の例:
スギナ(つくしの親) → 地下茎がとても深く長い
チガヤやヨモギ → 根が張っていて浅く引っ張ると切れやすい
対処法:
根元をスコップや手で丁寧に掘って、途中でちぎらないように慎重に抜く(ちぎれるとまた生えてきます)

スギナ

■写真から草の名前を答える問題(ヒント:手がちょっとくさくなる)

→さすが3級のうさぎ。絵からはなんとも言えませんが、現実にも手が臭くなる草はあります。

実在の例:
ドクダミ →独特の強い匂いがあり、強く触ると手に匂いが付く
ヘクソカズラ→葉をつぶすと強い悪臭が出る。

ヘクソカズラ。すごい名前。

資格があることで、草むしり可能な「エリア」も広がる可能性があります。ちいかわたちはまだまだ手で草を抜いていますが、将来的には道具を使う等のスキルが必要になるかもしれません。

ちいかわ世界と我々の世界に共通する植物

ちいかわ世界には様々な植物、野菜が登場しており、我々の世界と共通していると思われるものもあります。

■夜勤 採集

夜勤では光るキノコの胞子を採集していました。
実際に、夜に光るキノコがあります。キノコは夜光ることで目立ち、虫に胞子を運んでもらうそうです。光るキノコは世界に約70種類もあり、日本では八丈島で見ることができます。

【参考】八丈島観光ナビ
https://www.hachijo.gr.jp/specials/glowingmushrooms/

■どんぐり

我々の世界では子供に大人気のどんぐりですが、ちいかわ世界ではどんぐりは「パリピアイテム」です。ちいかわの友達のうさぎは、ポテトが仕上がりそうな音に合わせて大きなドングリをキュキュッと磨き上げ、フロアを沸かせました。

さて大きなどんぐり。

日本一大きなどんぐりはなんと、沖縄にあるのです!沖縄の「オキナワウラジトガシ」は琉球固有の絶滅危惧種で、幹の直径が1mにもなる大きな木です。どんぐりもツルっとしていて、ティロリに使用したドングリに似ていますね!

◆日本一大きいどんぐり

また、世界一大きなドングリは中南米に生息する「Quercus insignis」という木の物とされています。こちらも大きくてロマンがありますね!

◆世界一大きいどんぐり

■ラーメンの具

ちいかわ世界には「郎」というラーメン屋があります。詳細は明かされていませんが、二郎系ラーメンに入っているものと同じと見てよいでしょう。ハチワレが家で「郎」を食べる練習をした際にモヤシを入れていたので、少なくともモヤシは存在しています。
また、現実世界には「ちいかわラーメン 豚」があります。鎧さんが店主で、シーサーが店員をしている様子のため「豚」と「郎」は同等と考えます。
筆者が実際にいただいた「豚」には、モヤシ、キャベツ、ニンニクが入っていました。あとは麺の小麦ですね。

コールは「ヤサイ少なめ、ニンニク、カラメ」。初二郎系でしたが美味しかったです!上の粒は揚げ玉です。
このメンバーはちいかわ世界に存在しているということです。

■コロッケそば

年越しそばにコロッケを入れていましたので、ジャガイモは存在します。
また、くりまんじゅう先輩がじゃがバターを食べていた回もあります。

■みかんそうめん

缶詰のみかんでしょうか?
レモンにシール貼り工場もあるので、缶詰工場もきっとあるのでしょう。

■ワサビ(チューブ)

ワサビはそばの沸きドコロに行った際、ハチワレが持参してきました。ハチワレは家にタバスコも持っています。また、ちいかわは以前ハチワレの握った寿司のワサビで猛烈に咳込んでいましたが、そばを食べた際もワサビが効きすぎたようです。

■デラウェア

具体的な品種名がでることもあります。

デラウェアって、独特の香りと柔らかくて甘い実がおいしいですよね!品種改良したかのように食べやすいブドウですが、実は自然交雑したものが発見され、1850年代に命名されたアメリカ原産の品種なんです。秋の味覚というイメージが強いブドウですが、デラウェアの旬は7月ごろから。

美味しいデラウェアの選び方は、下のようなものです。
・実がぎゅっとつまって付いている
・色が濃い
・軸が緑色(鮮度が良い)
・白い粉(ブルーム)がついている

おいしいデラウェアを吟味して、うさぎのようにこだわりの食べ方をすると楽しそうですね!

■焼きしいたけ

くりまんじゅう先輩はいつも、お酒に合う美味しいものを嗜んでいます。あるときは鮭とば、カラスミのせ磯辺焼き餅など…。ハードボイルドな先輩はお餅の味付けさえおろし&納豆の辛党。しいたけも当然のように、岩塩ガリガリで大人の食べ方です。

ちなみに、しいたけに含まれるビタミンDは脂溶性ビタミンのため、脂質と一緒に取るとより吸収が良くなります。さっぱりと岩塩も美味しいですが、バターと一緒に食べると一石二鳥です!

■どんこ

さすが鎧さん。どんこは一味違います!

「どんこ」は傘の開きが7割以下の、丸っこい状態で収穫したしいたけです。

肉厚で食べ応えのある食感が特徴で、まんがの通り「ディナーみたい…」な存在感があります。また、鎧さんが調理してくれた「どんこ×チーズ」の組み合わせは、どんこ(しいたけ)に含まれるビタミンDが、チーズに含まれるカルシウムの吸収を助ける良い組み合わせです。こちらも一石二鳥ですね!

こんがりやけたチーズは正義…。

■ゴーヤー(+泡盛)

シーサーとくりまんじゅう先輩のコラボです。明記はありませんがゴーヤーチャンプルーらしきものと泡盛のコーヒー割を飲むシーンがありました。

緑色のゴーヤーは苦いことで有名ですが、つるにそのまま実らせておくと完熟して黄色に変化します。黄色に変化した部分は苦みが少なく食べやすくなります!ただし柔らかくなってしまうため炒め物には向かず、サラダや酢の物にするのがおすすめです。また、実を割ると種が真っ赤になっています!赤いのは種の周りのプルプルとした部分で、しゃぶって食べると甘くておいしいです。

熟したゴーヤー

くりまんじゅう先輩が飲んでいる「泡盛」、原材料がタイ米ということをご存じですか?泡盛には約600年もの歴史があり、当時琉球と交流のあったタイなどの東南アジアから製法が伝わったと言われています。はるか昔にあった交易を想像すると、とてもロマンがありますよね!

【参考】琉球泡盛 瑞泉酒造株式会社 泡盛とは
https://www.zuisen.co.jp/awamori

■島らっきょう

島らっきょうは沖縄伝統野菜のひとつで、一般的ならっきょうよりも細身です。塩漬けや天ぷらにして食べることが多いですが、筆者は生に味噌をつけて食べるのが好きです!エシャロットに似ていますが、風味が強く繊維が気にならない食感のため食べやすいです。

左が島らっきょうの天ぷら。

■きゅうり

生きゅうり、定番と言えばそれまでですが…。野菜をしっかり単体で食べるのは主にくりまんじゅう先輩が多い気がします。また、ナガノ先生の食の好みと最も近しいのでは?とも思います。

キュウリは「世界一カロリーが低い果実」としてギネスに乗ったことからか、「栄養がない」と誤解されることが多いです。しかし栄養はカロリーばかりではありません。実際には塩分排出に役立つカリウムや、ビタミンC,Eを含むため栄養価はそれなりにあると言えます。

■ブロッコリー

ちいかわ初期、決死のブロッコリー回。

ブロッコリーと言えば、2026年に約50年ぶりに「指定野菜」として新しく加わる野菜!指定野菜とは、消費量が多く国民生活上の重要性が高い品目として位置づける制度です。
ブロッコリーのつぼみ部分に苦戦するちいかわですが、隣に来たうさぎはこなれた食べ方をしています。

森という表現もわかる気がします

■メロン

懸賞が趣味のちいかわ。家、すきやきセットに続きメロンも懸賞で当てました。

品種の明記はありませんが、マスクメロンでしょうか。 マスクメロンといえば、なんといっても素晴らしい香りを思い浮かべます!マスクメロンのマスクは仮面などを意味する「mask」ではなく、じゃ香の「musk」です。ちいかわの頭も良い香りになっているかもしれませんね。

■イチゴ

お金をもっていると、イチゴパフェなどの高級品を食べることができます。討伐の上位ランカーであるラッコ師匠はパフェの他にも焼肉を食べたり、自家用車を所有するなど金銭的に余裕があるようです。

イチゴは生クリームや牛乳と合わせて食べることが多いですが、栄養価的にも優れた効果を発揮します!イチゴの栄養はビタミンCが有名ですが、実はアントシアニンなどのポリフェノールも豊富に含まれています。このイチゴのポリフェノールは脂溶性で、脂質を含む乳製品との相性がよいのです。

■スイカ

コツコツちいかわは種を丁寧に取り、中庸のハチワレは種を飛ばし、効率派(?)のうさぎは飲みこむ…。スイカの食べ方でキャラクターの個性が現れる回です。個人的には、この後モモンガが現れた後の3者の対応も個性が現れていて大好きなエピソードです。

スイカは世界各国で親しまれているフルーツですが、中国ではスイカの種をおやつにすることがあります。種と言っても「種を採る用のスイカ」から取った大きな種で、味付けした殻ごと口に含んで割り、中身を食べます。大きさはカボチャの種に近いです!

■唐辛子

明確なことはわかりませんが、トウガラシです。

唐辛子ってものすごく多くの品種がありますよね。

辛い料理はなんとなく海外由来のものが多い印象がありますが、日本にもご当地唐辛子が多々あります。新宿区の内藤町では江戸時代にそばの薬味として「内藤とうがらし」が流行ったそうです。内藤とうがらしは、内藤町に畑がなくなったことで姿を消しましたが、現在は復活して、江戸時代と同じ味を食べることができます。ストレートで爽やかな辛さの唐辛子で、筆者はお気に入りです。オンラインストアで購入できるほか、新宿区の飲食店でも食べることができますよ!

【参考】新宿名物、復活!内藤とうがらしプロジェクト|公式サイト
https://naito-togarashi.tokyo/

■だだちゃ豆

偉い鎧さんからの「オ~ッ」「わかってるナーッ」の声も納得の、うまみの強い枝豆です。

だだちゃ豆は山形県鶴岡市の在来野菜で、見た目は普通の枝豆と大きな違いはなく、食べかたも同じです。違うのは味わいで、甘味・旨味・風味が強くてとても美味しいです!世の枝豆は全部これにしてほしい…と乱暴なことを思ってしまう美味しさです。食べたことがない方はぜひ、おためしあれ!

■レモン

筆者も昔、鳥型のレモン絞り機からダイレクトに目に汁を飛ばしたことがあるので辛さがわかります。

香りがよく、見た目も鮮やかなレモン。唐揚げやお酒に入れたり、親しみやすい存在ですが、実は昔のヨーロッパでは富の象徴としてよく海外に登場していました。15世紀の画家ヤン・ファン・エイク(Jan van Eyck)や17世紀以降のオランダ絵画など、ヨーロッパの古典絵画において、レモンやオレンジなどの南国の果物が「富と贅沢の象徴」として描かれることはよくありました。ガラスの器や鏡と並び、「描かれていたら金持ち確定」アイテムのひとつです!

というわけで、まだまだ続くちいかわの物語。あの世界に飛び込みたい!というにはなかなかデンジャーですが、我々の世界との共通点を見つけるとちょっと楽しい気がしませんか?

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