サンシェードとして選ばれている!園庭やキャンプ場にも、農業用遮光ネット
近年、年を追うごとに気温は上昇し、真夏日を超える「酷暑日」といった言葉もよく耳にするようになりました。外出や屋外での行動を控えるというのもひとつの手段だとは思いますが、屋外でのびのびと遊びたい子どもも多く、厳しい暑さへの解決策としてサンシェードが多く用いられています。
しかし園庭やキャンプ場など、家の軒先などと比較しかなり広面積となる場所では、一般的なサンシェードでは対応できない場面も多く、その代用として「農業用の遮光ネット」を使用するケースが全国的に増えてきています。これには一般的なサンシェードでは広域を覆いきれないといった問題に加え、農業用遮光ネットは比較的安価でありながら高い遮光性を持ち、さらに加工に融通がきくため多くのシチュエーションで導入しやすいといった背景があります。

サンシェード(日除けシェード)とは?
サンシェード(日除けシェード)とは、主に建物の軒先に日除けや遮熱を目的とし設置されているシートのことで、簡易的な屋根のような用いられ方をしています。
サン(sun)は「太陽」シェード(shade)は「陰」を意味する英単語で、太陽光を遮り日陰をつくることでシート下の遮光、気温低下を目的とし設置するのが主な用途となります。
一番手っ取り早くサンシェードの実物を確認するのであれば、カフェやレストランへ行くと良いでしょう。

この他にも、例えばよく車のフロントガラスを覆っている銀色のシートも「サンシェード」と呼ばれており、目的は同じく太陽光の遮断、つまり「日除け」です。プールサイドやビーチで見られる日傘もサンシェードと呼ばれることがあり、日除け・遮熱目的で使用される製品の多くがサンシェードと呼ばれています。
サンシェードの役割
まずはサンシェードの役割・目的について整理したいと思います。
■日差しを遮り、日陰を作る
サンシェードの一番の役割は、何といっても日光を遮り日陰を作ることです。
シート状の素材を地上数メートルの高さに広げ、直射日光を遮ることで日陰を作り、その空間の気温を下げることがサンシェード最大の役割です。

■紫外線のカット
実は日光を遮っても紫外線を通してしまう素材というのは数多くあります。紫外線を通しやすい素材は、代表的なところで布やコットンなどがあげられます。
紫外線は肌にダメージを与え、シミなどの老化現象を進めてしまう上に皮膚がんのリスクもあるため、紫外線を大きくカットできる素材でサンシェードは作られていることが多いです。
■サンシェードの欠点
上記の条件を満たしながら「小面積」を覆うことは多くのサンシェードで可能ですが、園庭をはじめとした広域をカバーするサンシェードとなるとそう幾つもありません。そこには加工の素材や加工の問題、価格の問題など多くの課題が生じてきます。

これらの条件を満たしながら「比較的安価に広域をカバーできる」のが農業用の遮光ネットであるため、遮光ネットの普及は近年大きく進んでいます。
農業用遮光ネットの特性
■高い遮光・遮熱性能
何といっても高い遮光・遮熱性能。これがなければ始まりません。
遮光ネットは名前こそネット(網)ではありますが、例えばサッカーゴールのような「隙間の大きいスカスカの網」ではなく、ラッセル織された「シート」とさえ呼べるものです。ラッセル織とはV字を繰り返しながら進んでいく編み方で、下の参考画像のように網目を詰めることでほぼ一枚のシート状の素材となります。

■高い耐候性と耐久性
日光を遮ることが役割であるサンシェードは常に日にさらされることになり、高い耐候性が求められます。耐候性とは「日光や風雨に長時間さらされても劣化しにくい性質」のことです。
長く太陽光(紫外線)を浴びた物質は劣化しやすい傾向にあり、太陽下で耐久力を維持したまま役割を果たし続けられることもサンシェード(日除けシート)に求められる条件のひとつです。
農業用の遮光ネットは、四六時中と言えるくらい強い天日に長期間晒されながらも、農作物を守り続けるだけの高い耐候性と耐久性があります。ある意味、サンシェードとして畑から園庭などにコンバートされたのも当然と言えるだけ性能を保持しているではないでしょうか?
■紫外線も大幅カット
農業用遮光ネットの多くは紫外線の遮断に優れた性能を持っており、遮断率は素材の厚さや種類によって多少上下するものの、長波長域の紫外線(300~385nm)を約99%遮断します。
また素材だけでなく「色」も紫外線の透過に大きく影響を与えます。黒や紺などの濃い色は紫外線を通しにくい傾向にあるため、園庭を覆う場合などにはなるべく濃い色の遮光ネットを用いると良いでしょう。
■軽い、安い、加工しやすい
実は農業用遮光ネットが広域用のサンシェードとして注目される一番の理由かも知れないのが、素材が軽く、安価であり加工がしやすいことです。
軽い素材は、持ち運びや展張がしやすく作業性に大きく優れます。また安価で加工しやすいため、広い場所での使用を目的とした大サイズのものや、オーダーメイドでの作成に適しているという利点に繋がっています。
どのくらい涼しく感じられる?
農業用ネットの特長を並べましたが、やはり一番大事なのは「どの程度涼しく感じられるか」だと思います。農業用遮光ネットをサンシェードとして用いた場合の気温低下ですが、気温に関してはその時の風量や湿度によって左右されることも多く、一般的な「体感温度」の目安を紹介したいと思います。
■遮光率が重要
遮光ネット(サンシェード)において、最も大きな影響をもたらす要素が「遮光率」です。
「遮光率」とは、読んで字のごとく「光を遮る割合(率)」のことです。例えば遮光率80%であれば、80%の太陽光はさえぎるけれど20%の光は通す形となります。この遮光率を調整することで、遮熱効果もあわせて調整していく形となります。
また遮光率を調整することで完全な日陰とはならず、ある程度の明るさを維持できるのも遮光ネットの特長のひとつです。イメージとしては木漏れ日に近いかも知れませんが、網目の間隔が一定であるため明るさは一様になります。

■遮光率ごとの体感温度の低下目安
基本的には遮光率が高ければ高いほど温度低下は大きくなります。炎天下での日除けを目的とし遮光ネットを利用される際は、遮光率90%以上のものがオススメです。

遮光率 | 体感温度の目安 | 日除けの程度 |
---|---|---|
30% | ー1〜2℃程度 | 軽い日除け。直射日光の軽減が主。 |
50% | ー2〜4℃程度 | 日陰が感じられるようになり、過ごしやすくなる。 |
70% | ー4〜6℃程度 | 明確な涼しさを感じる。農業用にも使われることが多い。 |
90% | ー6~10℃程度 | かなり涼しく、直射日光がほぼ遮られる。温室などでも使用。 |
このように多くのケースに対し融通の利くのが農業用遮光ネットの大きな魅力ですが、これはさまざまな作物に対応するため遮光ネットが進化してきた結果なのだと思います。
熱帯を原産とする作物も多く育てられるようになった一方で、高緯度帯の植物・作物には今の気温や日光は厳しくそれから守る必要がありました。
そしてそれは、人間も同じだと言えると思います。夏の厳しい暑さや日差しから守らなければならない点で、作物も人も区別がありません。
農業用遮光ネットという名前で紹介してきましたが、「農業用」という括り方が今の時代に適していないのかも知れませんね。
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