突然のゲリラ豪雨!怖いのは大雨だけじゃない!農業被害への対策は?
地球温暖化の影響を受け、嵐や大雨など多くの異常気象が日本に限らず世界中で数多く発生しています。この温暖化に由来する異常気象について特徴的なのは「急激な気象変化がおこる」という点です。
これは主に暖気によって生まれる上昇気流によって引き起こさるものですが、急に変化する天候災害への対応はなかなか難しく、事前準備が重要となってきます。
本記事では気象変化の中でも特に突発的であり、その威力もきわめて大きい「ゲリラ豪雨」の特徴、とその対策について解説して行きたいと思います。

ゲリラ豪雨の定義
■ゲリラ豪雨とは?
「ゲリラ豪雨」は正確な気象用語ではないため、実はしっかりとした定義は定まっていません。しかし、一般的には以下のような雨がメディア上で「ゲリラ豪雨」と呼ばれています。
【ゲリラ豪雨の一般的な意味】
・夏場に気温上昇により、積乱雲が急発達し急激な雨となる
・数km〜十数km程度の狭い範囲に、局所的に降る
・発生、降水までが非常に早く、数十分~1時間以内で降水に至る
・1時間の雨量が50mmを超える急激な雨となることが多い
・地上観測が難しく、予測がしづらい
ゲリラ豪雨を現在用いられている気象用語にあてはめるなら、「局地的大雨」または「集中豪雨」といった表現が該当します。

■いつ頃からゲリラ豪雨という言葉は使われ始めた?
ゲリラ豪雨なんて昔はなかったのに…と思われている方も多いかも知れません。ゲリラ豪雨は地球温暖化の影響を大きく受けていることが科学的に認められており、年を追うごとに発生回数が増えてきました。
「ゲリラ豪雨」という言葉が一般に浸透し始めたのは2008年頃とされています。主に東京都内における短時間での豪雨が頻発し、ニュースなどでその様子が取り上げられる機会が急速に増え、一気に広まりました。ゲリラ豪雨は正式な気象用語ではないものの、視聴者に対し短時間の急激な雨を伝える言葉として端的であり、語感によるインパクトも強かったため急速に普及しました。
ゲリラ豪雨の発生が多い時期
なんとなく真夏だよな?という印象を皆さんお持ちだと思いますが、実際に梅雨前線による雨雲が上空にある間はゲリラ豪雨はあまり発生しません。
気温が高く湿った空気が地表近くにある…つまり、蒸し暑い日にゲリラ豪雨は発生しやすい傾向にあります。そのため梅雨明けからがゲリラ豪雨本番です。6月下旬もしくは7月から多発するようになり、およそ9月まで続きます。ゲリラ豪雨は積乱雲とともに発生しますが、9月には台風の影響によりゲリラ豪雨が引き起こされるといったケースも少なくありません。

ゲリラ豪雨は予測が難しい
■降雨の範囲が非常に狭い
ゲリラ豪雨が非常に厄介な点は「いつ、どこで発生するかの予測が難しい」点にあります。
通常、天気は広さ10~20km程度の単位で予測や観測が行われていますが、ゲリラ豪雨は数km四方という、超局所で発生します。そのため、ゲリラ豪雨は観測の網目を簡単にすり抜けてしまいます。「ふるい(篩)」をイメージしていただくと分かりやすいのですが、ゲリラ豪雨は粒として小さすぎるのです。
■発生スピードがあまりも早い
ゲリラ豪雨の予測が難しい理由はもうひとつあります。ゲリラ豪雨は急発達した積乱雲により引き起こされますが、この積乱雲の急発達のスピードがわずか15~30分程度とあまりにも早いのです。
高温による局所的な上昇気流が積乱雲を生み出しますが、積乱雲の寿命自体が平均でわずか1時間程度。発生してから観測するための時間的猶予がなく降水に至ってしまうため、予測が非常に難しいのです。

■ゲリラ豪雨を予測するアプリがある⁉
「いちばん当たる天気予報アプリ」をキャッチフレーズとする、お天気アプリ「ウェザーニュース」には、ゲリラ豪雨の発生を36時間先まで予測する「ゲリラ雷雨レーダー」が2022年より機能搭載されています。
36時間予測はアプリ会員限定の機能ですが、会員でなくても3時間先まであれば自由にゲリラ雷雨レーダーの予測を閲覧することができます。
【参考】ウェザーニュース:ゲリラ雷雨レーダー
https://weathernews.jp/guerrilla/
※参考リンクは全国版のものですが、各都道府県ごとにクローズアップできます。
ゲリラ豪雨の危険性
信濃毎日新聞デジタルによると、2024年8月22日の夕方に長野市で、たった一度のゲリラ豪雨により、リンゴや桃を中心に約1956万円もの農業被害が発生したことが報告されました。
ゲリラ豪雨はその名前から「猛烈な雨」という印象がありそれは決して間違っていないのですが、実は併発しやすい「雹」や「突風」にも大きな危険性が隠れいてます。
■雹を降らせることがある
ゲリラ豪雨と雹には何の関係性もないように思えますが、実は同じ「積乱雲」から生まれます。先述した2024年の長野市の農業被害では、ゲリラ豪雨と併発した雹による果樹への傷が多くみられました。
暑い夏に氷の粒が降ることは一見奇妙に感じます。しかし高度があがるごとに気温は低下し、積乱雲の頂上付近ではマイナス20~40℃と、水蒸気が凍結するには十分すぎるほどの冷え込みを見せます。
逆に冬は地表近くの外気が冷たく感じれらても積乱雲が発生しない冬は雹が発生しづらいのです。

■強風、突風が吹くことも
ゲリラ豪雨を生み出す積乱雲は、竜巻のほか「ダウンバースト」や「ガストフロント」などといった非常に強い突風を巻き起こします。冷気は暖気より重く、積乱雲により形成された冷たい空気が、一気に地表へ向かい吹き下ろされるのがこれらの突風の原因です。
これらの突風の威力はすさまじく、樹木をへし折るだけでなく、ガラスを割ったり時には建物を倒壊させるほどの力を持ちます。
雹・突風の農業被害への対抗策
■雹への対策
雹害への対策に有効なのは「防雹ネット」です。その名の通り雹を通さない細かい網目のサイズのネットです。しかし、なかなか雹被害に限定されたネットというのは存在しません。多くの場合、他の災害と合わせて対策されているネットと兼用されることが多いからです。
防雹ネットは、必要となる網目のサイズや強度から、一般に防風や防虫のためのネットと兼用されることが非常に多く、そのことから「多目的防災網」などとも呼ばれています。
多目的防災網は、対象となる災害のなかでメインとなるのが風害であることから「防風ネット」として括られることが多く、防風ネットであれば防雹の効果を十分に満たしている規格である可能性が非常に高いです。

■突風・強風への対策
突風・強風への対策として有効なのは「防風ネット」です。多くの場合「災害名+ネット=○○ネット」でそれぞれに対応したネットが販売されています。
雹への対策でもご紹介した通り、防風ネットは防雹の効果を果たすものが多く、基本的には防風ネットを展張することで、雹被害・強風被害の両方へ対策することができます。
突風・強風対策の中でも、特に台風や山間部での吹きおろしが強い地域では専用の防風施設を設ける場合も少なくありません。防風施設では雹への対策という点では劣るものの、防風性能という面ではやはり非常に優れています。東京戸張の取り扱う「自立くん」は省スペースで設置できる上、対風強度も高く、防風施設を検討される場合には非常におススメです。

本記事で紹介したのは、主に果樹園などでのゲリラ豪雨対策になりますが、ゲリラ豪雨の被害はもちろん水田などでも見られます。
水田はもともと水を張っている構造のため、基本的には豪雨への耐性を持っています。土が粘土質で低透水性であることも手伝って短時間の雨では大きな支障が出にくいとされています。
しかし、もちろん豪雨や強風による稲の倒伏や、それ以上に注意が必要となるのは「畦の決壊や越水」です。瞬間的な豪雨により水量が増え、畦が決壊、もしくは越水してしまうようなケースは少なくありません。
このようなゲリラ豪雨などの豪雨・雹・強風被害の対策は、是非弊社までご相談ください!
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