通常の2~6倍の防鳥性能!強力防鳥網とは何が「強力」な防鳥ネットなのか?

通常の2~6倍の防鳥性能!強力防鳥網とは何が「強力」な防鳥ネットなのか?

通常の2~6倍の防鳥性能!強力防鳥網とは何が「強力」な防鳥ネットなのか?

農業用の防鳥ネットを取扱い80年の歴史を持つ東京戸張株式会社の中に、「強力」の名を持つ防鳥ネット「強力防鳥網」という製品があります。この強力防鳥網は、規格により異なりはするものの、カタログスペックとして通常のPE防鳥網の2~6倍の防鳥効果がうたわれています。
とは言ったものの、通常規格として扱われるPE防鳥網も80年の歴史の中で何度も改良が繰り返され、非常に高い防鳥性能を持った製品であると自負しております。
強力防鳥網とは、この通常のPE防鳥網と比較し、どのような点が優れており一体何が「強力」なのか。本記事では強力防鳥網のストロングポイントについて紹介していきたいと思います。

強力の名を冠する防鳥網。通常規格の2倍以上の性能らしいが?

防鳥ネットの産みの親「東京戸張」

強力防鳥網のお話をする前に、本サイトを運営する東京戸張についてご紹介させてください。
東京戸張は1944年の創業以来、80余年の歴史を持つ企業になります。東京戸張は多くの農業資材を取扱う企業ですが、特に「農業用ネットのパイオニア」とも呼ばれており、昭和32年(1957年)に防鳥ネットをはじめて作った企業です。

実はそれまで、田畑や果樹園に防鳥目的でネットを張る場合、農業用ネットというものがなく、海で魚を捕るための漁業用ネットが使われていました。
この時代に、はじめての「農業専用」となる防鳥ネットを製造し、生産環境を変えたのが東京戸張でした。この東京戸張製の防鳥ネットは、当時、全農こと全国農業協同組合連合会より農業資材としての指定を受け、多くの農家へと広まっていくこととなりました。
このような経緯から、特にこと防鳥ネットに関しては一家言とも言える強いこだわりを持っています。

80余年の歴史を持つPE防鳥網。しかし、本記事では前座扱いです・・・

防鳥ネット(鳥よけ)はなぜ必要なのか?

防鳥ネットが必要な最大の理由は「鳥の頭の良さ」にあります。「鳥頭(鳥は三歩で物事を忘れる)」のような言葉がありますが、実際には鳥はかなり頭のいい動物です。人間で例えると7歳児程度の知能を持っているとの学説があります。
学習能力も高く、害がないと知れば光や音のような視覚・聴覚への攻撃にも順応していきます。これはかかしや、畑に吊られたCDを急激に見なくなったのが良い例かも知れません。
そのため、畑や果樹園への侵入を物理的に遮断できる高強度の防鳥ネットが、防鳥に最も高い効果が期待できると言えると思います。

■鳥害による農作物への被害状況は?

全国での農作物への鳥被害の総額は令和5年度で「約26億8700万円」となっています。これは15年前(平成22年)と比較すると約半分となる49%減と大きく減少しましたが、この5年間(平成30年)での比較では減少率が10%未満と停滞を見せています。

参考:農林水産省「農作物被害状況(令和5年度)」
https://www.maff.go.jp/j/seisan/tyozyu/higai/hogai_zyoukyou/index.html

■農作物への被害額の大きい鳥は?

令和5年度では、農作物への被害額の大きい順に1~6位が、カラス、カモ、ヒヨドリ、ムクドリ、スズメ、ハトとなっており、この6種での合計被害額は全体の93%をも占めます。

【農作物被害額の大きい鳥】
・1位:カラス  (13億3900万円/年)
・2位:カモ   (3億8500万円/年)  
・3位:ヒヨドリ (3億3300万円/年)
・4位:ムクドリ (1億8000万円/年)
・5位:スズメ  (1億7600万円/年)
・6位:ハト   (9000万円/年)

参考:農林水産省「全国の野生鳥獣による農作物被害状況(令和5年度)」
https://www.maff.go.jp/j/seisan/tyozyu/higai/hogai_zyoukyou/attach/pdf/index-44.pdf

強力防鳥網はここが優れている!

ここからが本題になりますが、強力防鳥網が「強力たる所以」についてご紹介していきたいと思います。前述のように東京戸張は80余年の歴史があり、ロングセラーとなったPE防鳥網(通常規格の防鳥ネット)も数多くの改良を重ねてきました。その商品に対して2~6倍の防鳥効果を持つ強力防鳥網の特長について解説していきます。

■網目の細かさ

防鳥性能に直結する一番の要因は、何といっても「網目の細かさ」です
通常のPE防鳥網と強力防鳥網の各規格を比較すると「強力防鳥網は網目が細かいことが最大の特長」であると言えます。
具体的な数字を見ると、PE防鳥網は主要な規格で網目が45mmなのに対し、強力防鳥網では20~30mmとなっています。防鳥ネットにおいては、まさに慣用句とは逆で「小は大を兼ねる」となるのですが、網目を細かくすることで、より小型の鳥の侵入を防ぐことができます。
網目の大きさについては、育てている作物を狙う主な鳥のサイズに合わせ、お選びいただければ問題が無いのですが、基本的には網目の細かいものを選んでおけば間違いはないかと思います。

また網目が細かいという事は、同じ面積で比較した場合に糸の交点が多く、網にかかる力を分散することができるため、網の強度を高めることに繋がります。

糸の交点が多いため力を分散でき、強度が高まっている

■糸の太さ(強度)

次に重要となってくるのが「糸の太さ」です。糸の太さはネットの強度そのものだと言えます。
一般的な防鳥ネットの糸の太さが400デニールであるのに対し、強力防鳥網は、最も細い規格であっても800デニール、つまり倍の太さとなっています。
この800デニールを筆頭とし、強力防鳥網には最大で2500デニールという極めて頑丈な作りの規格も存在します。

何故このように太く強度の高い糸が必要かというと、鳥自身のネットへの接触や攻撃の他に、実は強風で舞いあがった金属や鋭利なプラスチックなどがひっかかりネットを破ってしまうといったような、予期せぬトラブルで穴が開いてしまうケースも少なくありません。このような状況をなるべく避けるためには、やはり糸そのものの太さ(強度)を上げることが一番の対策となります。

■要所を強力糸で補強

更に強力防鳥網は、多くのユーザー様の意見を元に、ネット全体で弱点となりやすい部分に強力糸を用いることで、トータルの強度を高め、耐久性を向上させています。

【強力糸で補強された部分①】
強力糸で補強されたひとつ目の部分は「耳糸」です。耳糸は張り糸を通すこともあり、ネット全体を見た時「唯一、必ず物理的な接触を持つ部分」となります。
そのため、例えば風などで張り糸と擦れることで摩耗するなど、一番ほつれるリスクの高い部分だと言えます。この耳糸を強化することでネットの耐久力を高めています。

【強力糸で補強された部分②】
幅18m以上の規格で「網の中央部分」が強力糸で補強されています。幅の広いネットを張った際、両端で固定されたネットは自然と中央部へ向かってたゆんでゆこととなります。そうなると、やはりネット中央部が一番強度に不安が残る個所となるかと思います。強力防鳥網ではこの中央部を強力糸で補強することで、ネットの強度をより確実なものとしています。
またこの中央部の強力糸は、他の部分と異なる色(全体が青に対して黒色)をしているため、展張時の目安としても有用です。

耳糸に強力糸かつ「撚糸」を用い補強されている

特に強力防鳥網での対策が必要な鳥は?

強力防鳥網は網目が細かいため、通常の防鳥ネットと比較し、より小型の鳥にも防鳥効果を発揮することができます。小型の鳥の中でも特に強力防鳥網による対策を検討したいのは、農作物への被害額の大きい鳥の項目でも紹介した、ヒヨドリ、ムクドリ、スズメの3種となります。

■ヒヨドリ

ヒヨドリは、国内での鳥害による農作物被害額が第3位となる鳥で、小~中型の鳥としては最大の被害額となることが発表されています。全長約27.5cmほどの大きさの鳥で、日本全域に生息し、灰色の全身に赤褐色の頬が特徴です。
雑食性で花の蜜や果実を好み、ぶどう、ビワ、桃、柿、梨、リンゴ、みかんなど、さまざまな果樹を食害することで知られています。

ヒヨドリの農作物への年間被害額は3億円にのぼる

■ムクドリ

ムクドリは、国内での鳥害による農作物被害額が第4位となる鳥です。
全長は24cmほどで、ヒヨドリと比べると一回り小さいサイズです。巨大な群れを作り生活する場合が多く、都市部では街路樹を巣としているケースも多くみられます。鳴き声が非常に大きいことでも知られており、食害だけでなく騒音被害が社会問題化しています。
被害の大きい主な作物として、サクランボ、桃、梨、ぶどう、柿などの果樹があげられます。またキャベツなどの葉菜類でも多数の被害が確認されています。

大集団で空を飛ぶ姿も見られるムクドリ

■スズメ

スズメは、国内での鳥害による農作物被害額が第5位となる鳥です。
全長は約14.5cmほどで、日本全国、東南アジア、ヨーロッパと非常に広い地域に生息しており、だれもが目にしたことがあるのではないのでしょうか?人間の生活域と密接な関係を持っており、特徴的なのは人家の周囲にのみ生息し、人がいなくなるとスズメもその地域からいなくなるという点です。
主として、稲や麦などの穀類の胚乳を食べますが、ほうれん草や小松菜のような葉菜類、ブドウやリンゴなどの果樹にも被害を与えます。

誰もが知る「スズメ」。人間と身近なだけに農作物への距離も近い

鳥獣保護法の観点からも非常に有効

上記の項目で紹介した、ヒヨドリ、ムクドリ、スズメは、いずれも「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」通称「鳥獣保護法」の対象となる野鳥です。そのため許可なく捕獲や駆除を行ったり、ヒナや卵のある巣を撤去することなどが禁止されています。
鳥獣保護法により指定されている生物を許可なく捕獲するなどの違反をおかした場合、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処されることが法律で定められています。

野生動物を傷付けずに農作物を守れるという点においても、鳥獣保護法を遵守した防衛法として、防鳥ネットは非常に優秀です。

環境省「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」
https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000088/

まとめ

以上のように、強力防鳥網は主に「網目の細かさ」と「糸の強度」を従来の防鳥ネットより調整することで、より多くの害鳥への防御手段として活躍できるよう改良された防鳥ネットです。
網というものはその強固な構造に対して使い方は非常にシンプルで、得られる効果も予想しやすいものだと思います。センサーやレンズなどを持つ複雑な機械でもないこともあり、トラブルのリスクも少なく安定した効果を期待することができます。

環境の変化から市街地や人里を拠点とする野鳥が増え、より動物と田畑との距離は近づき、鳥害対策の必要性は増していると言えます。大切な作物を守るため、畑、果樹園等の鳥よけに「強力防鳥網」を是非ご検討ください!

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製品名

強力防鳥網

元々高性能な防鳥ネットの強度をさらに強化した農業用ネット。果樹の鳥害対策に最適です。

商品の詳細情報

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