【農業用マルチ】マルチとは何ぞや?使用目的やメリットを解説!
ダイコンやタマネギ、ニンジン畑を眺めると、畑の畝に沿い、黒や半透明のフィルムが敷かれている光景をよく目にすると思います。このフィルムは、マルチ(農業用マルチシート)や農ポリなどと呼ばれる農業資材で、「マルチング」を目的とし、盛り上げた畝を覆うように土壌に被せられています。
このフィルムは主として地温の調節を目的に使用されるのですが、それ以外にも作物の成長にとって重要なさまざまな効果を発揮します。
本記事では多くの畑で目にする、この「マルチ(農業用マルチシート)」について紹介していきたいと思います。

マルチングとマルチ(農業用マルチシート)
非常にややこしいのですが、畝を覆う行為のことを「マルチング」と呼び、このマルチングに使用されるフィルムが「農業用マルチシート」です。
多くの場合「マルチ」というと「農業用マルチシート」のことを指すことが多いようです。マルチングを行うシートのことなので「マルチシート」または「マルチングシート」などとフルネームで呼んでくれればいいのですが、ただ単に「マルチ」と言った場合「農業用マルチシート」であることが定着しています。
マルチングとは?
マルチングとは、畑の畝や作物の根元を、地温の確保などを目的に覆うことを意味します。
稲や藁などで地面を覆うこともありますが、現在ではフィルム(マルチシート)を使用して被覆を行うことが一般的となっています。マルチは主にかぶせた土壌の温度調節が目的となりますが、その他にも多くの効果があり畑での作物の栽培に多く取り入れられています。

マルチ(農業用マルチシート)とは?
まさにマルチングを行うためのシートのことです。前述のようにマルチングにはもともと稲や藁を用いていましたが、より簡易に効率的にマルチングを行えるように開発されたのがマルチ(農業用マルチシート)です。
素材として主にポリエチレンやビニールが使用されており、基本的には一枚の長いフィルム状の構造となっています。このフィルムに作物の部分だけ穴をあけて苗植えを行うのがマルチシートの一般的な使い方になります。製品によってはもともと穴の開いている「穴あきマルチ」と呼ばれるものも存在し、作物に合わせ穴の間隔が前もって調整し開けられているため、なかなかに便利です。
また最近では、素材強度や価格にこそ課題を残すものの、環境に優しい「紙マルチ」や「生分解マルチ」といった土に還元されるマルチも登場しています。

マルチでの栽培に適した作物は?
マルチの使用に適した作物には、主に次のような野菜があげられます。対象となる野菜を列挙するとかなりオールラウンドに活躍する農業資材であることが分かると思います。
【マルチ栽培に適した野菜】
・トマトやピーマン、ナスなどの果菜類
・キャベツ、レタス、白菜、ニンニク、ホウレンソウなどの葉菜類
・ダイコン、ニンジン、ジャガイモなどの根菜類


マルチを使用する目的は?
「マルチ(multi)=多くの、複数の」から連想される通り、マルチシートは非常に沢山の役割をこなします。しかし実のところマルチは、英語では「multi」ではなく「mulch」と書きます。
「mulch」の和訳を調べると「植物の成長を助けるために土壌の表面に敷く材料のこと。主に、水分の蒸発を防ぎ、土壌の温度を安定させ、雑草の生育を抑制し、土壌の栄養分を補給する目的で使用される」と、使用目的そのものが明記されています。
【マルチを張る目的】
・土壌温度の保温や調節
・水分の蒸発を防ぎ、乾燥を抑止する
・雨などによる土砂や肥料の流出の防止
・雑草の育生を抑制
・土壌の栄養分の補給
・病害虫の抑制 など

参考(和訳):weblio辞書 実用日本語表現辞典
https://www.weblio.jp/content/mulch
マルチを張るタイミングは?
マルチシートは、地中と空気中の熱や水分の移動を遮る役割を持ちます。そのため、なるべく地温が高く土壌が適度に湿っている状態で設置することで、より高い効果を発揮します。
マルチシートの色を選ぶことで遮光率自体はある程度選ぶことができますが、乾燥しすぎている、または湿り過ぎている状態で張ってしまうと、その後の調整が難しく十分な効果をえられません。日照りが続いた後や雨の直後は避け、目安として土の塊が手で軽くほぐせる程度の時にマルチシートを張るようにしましょう。

黒マルチと透明マルチ
マルチシートには様々な種類があり、フィルムの色などによって効果が異なります。最もメジャーな黒マルチ、透明マルチの特長について紹介していきたいと思います。
黒マルチの特長
黒マルチは最も一般的なマルチシートで、太陽光を遮る目的で黒色のフィルムを使用しています。
太陽光を通さないことのメリットは二つあり、ひとつ目は過度な地温の上昇を抑えること、ふたつ目は雑草の育生を抑制することです。作物以外に対しての太陽光を遮ることで雑草の光合成を抑止し、土壌の栄養分を吸われるリスクを避けることができます。
透明マルチの特長
透明マルチが黒マルチと異なる点は、もちろんフィルムが透明であることです。
黒マルチとは反対に、フィルムが透明であるため太陽光を通します。光の吸収がよいため、土壌が温まりやすいという特長があります。主に冬~春にかかけての地温上昇に多く用いられますが、暑さの激しい夏には不向きといった一面があります。


開閉自在の透明マルチ「ポリホール」
非常に多機能なマルチシートですが、構造自体はすごく単純な一枚のフィルムであることが多く、それゆえ融通の利かない場面が多く現れます。例えば予想以上の大雨が降った場合の土壌の換気や、地熱が上がり過ぎた際の温度管理などが例としてあげられます。
東京戸張の販売する透明マルチ「ポリホール」は透明フィルムの上部にフタをつけ、フィルムの開閉を可能にした機能性マルチのひとつです。
通常のマルチでは実現できない、細かな地温調整や換気、保湿の管理を自在に行うことができます。
天気や環境まかせにせず、育苗を行うことができるのが大きな利点です。

上部がフタとなっており天井換気を行えるため、スソ換気に比べ換気効率が非常によく、換気作業自体の負担も大きく軽減されます。一般的な一枚フィルムのマルチでは、土壌に対し直接手入れが必要となった場合マルチシートそのものをはがし作業後再設置という手間が必要になりますが、上部を開閉できるポリホールであれば作業工程の緩和が可能です。
また換気効率を上げることでフィルム内の空気の滞留を防ぎ、病害の抑制にもつながります。

地温調節、保湿の管理に優れた、機能性マルチ「ポリホール」にご興味を持たれた方は、是非最寄りの営業所までお問い合わせください!
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