【保存版】遮光ネットとは?効果選び方を徹底解説|熱中症対策にも

【保存版】遮光ネットとは?効果選び方を徹底解説|熱中症対策にも

■最終更新日:2025.12.2

【農作物の日差し】遮光ネットの効果、種類と選び方【熱中症対策】

遮光ネットは、農作物の「強い日差し」「高温」「熱中症リスク」対策だけでなく、家庭の駐車場やお子さまの遊び場、ベランダなど、さまざまなシーンで活躍する万能ネットです。
しかし「遮光率」「織り方」「用途」によって特性が大きく変わるため、用途に合ったネットを選ばないと期待した効果が得られないことも。
この記事では、遮光ネットの基礎知識から種類の違い、選び方、そして具体的な活用シーンまで、わかりやすくまとめた“保存版”ガイドをお届けします。

ユリ栽培に使用されている遮光ネット

遮光ネットとは?

遮光ネットは、ポリエチレンやポリプロピレンなどの糸を編んで作られた、軽量で通気性の良いネットです。太陽光を遮りながらも風通しを確保できるため、作物の高温障害対策や、屋外空間での遮光・遮熱に適しています。

遮光率(どれだけ光を遮るか)は、ネットの網目の細かさによって変わるため、用途に応じて適切なネットを選ぶことが重要です。

織り方の違い

市販されている遮光ネットは、織り方によって特性が異なります。主に以下の3種類があります。

●平織(ひらおり)

経糸(たていと)と横糸がまっすぐに交差するシンプルな織り方。

【特徴】
・隙間が少なく、高い遮光性を確保できる。
・ただし、横糸が固定されていないため、目ずれ(織り目のずれ)が起こりやすいため、扱いにはやや注意が必要。

●カラミ織(からみおり)

横糸が経糸の間を絡むように織られたタイプ。

【特徴】
目ずれが起こりにくく、安定した遮光性。
・ただし、隙間ができやすくやや光が漏れやすい。

●ラッセル編(らっせるあみ)

網目を縦方向に連続して編み込む織り方。

【特徴】
目ずれがほとんどなく、耐久性が高い。
伸びにくく、途中で切ってもほつれにくい
・カーテン式やハウス天井部分に張る用途、野外での長期使用にも適している。

おすすめ:
多くの農家や施設でよく使われるのは「ラッセル編」。耐候性や耐久性が高いため、張り替え頻度を抑えたい人におすすめです。また、素材は「高単位PE(ポリエチレン)」のもが耐候性が高いです。

遮光率の違い

遮光ネットを選ぶ際、最も重要なのが「遮光率」です。
遮光率は「○○%」と表示され、数値が高いほど日光を遮ります。一方で、風通しの良さは遮光率が低いほど高くなります。

●選び方のポイント

遮光ネット選びで最も大切なのは「遮光率」。遮光率が高いほど強い日射を遮断できる一方で、風通しや光合成量は減るため、“作物や目的”に応じたバランスが必要です。
栽培品目やその年の気象条件によりますが、以下の表を参考に選定し、開閉・つけ外しすることで光量を調節するとよいです。

・遮光率が高い → 強い日差しをしっかり遮る(農作物の高温障害対策など)
・遮光率が低い → 適度に日光を取り入れつつ、風通しも確保。

●作物別の使い方例

■果樹・野菜の高温・日焼け対策
メロンやナス、キュウリ、トマトなど真夏に強い日差しを受ける作物では、高遮光の遮光ネットを使うことで、葉焼けや果実のひび割れ、高温障害のリスクを下げることができます。
とくに苗の定植直後や、夏の直射日光が強くなる時期に使うのが効果的です。

・9月どりメロン
苗の定植前後にしっかり遮光することで、遮熱効果と葉の伸長を抑え、果実を充実させる。

参考:農研機構「9月どりメロンの遮光処理による高品質化技術」
https://www.naro.affrc.go.jp/org/warc/research_results/skk_seika/h07/skk95002.htm

■被覆茶(製茶用)の光調整
お茶などで「日陰栽培」を行う場合、遮光ネットを利用すると日光量をコントロールし、旨味・香気成分の向上に役立つこともあります。

・かぶせ茶、てん茶
生育時に遮光ネットで被覆し、光合成を抑えることで、旨味成分、香気が増加する。

参考:農研機構「被覆茶安定生産マニュアル」
https://www.naro.go.jp/publicity_report/publication/files/hihukucha-antei_man201803.pdf

■育苗ハウスや露地の若苗保護
育苗期や定植直後の若苗は、直射日光や強い熱によるストレスに弱いため、遮光率40〜60%程度の遮光ネットで柔らかく日差しを和らげると、生育が安定しやすくなります。

・育苗
急に直射日光に当てると日焼けや蒸散をしすぎるため、徐々に光に慣らしていく過程で使用する。

また、直射日光を抑えながら遮熱・採光を両立したい場合は、遮光率40%以下の「寒冷紗」がおすすめです。

定植後の苗にかけた寒冷紗

関連記事:寒冷紗は強い味方!キャベツからミカンまで問題を解決!
https://tokyotobari.co.jp/tobari-net/2025/01/08/post-410/

熱中症対策やその他の活用法

夏は農作物だけでなく、人間の熱中症対策も重要です。遮光ネットを活用すれば、住宅の窓際や駐車場、お子さんの遊び場の日よけとしても役立ちます。

● 駐車場の日よけ

・直射日光を遮ることで、車内の温度上昇を抑えます。

● 窓辺や軒先の日よけ

・窓からの日差しを防ぎ、室温の上昇を抑える。
・「緑のカーテン」のように使えるが、成長を待つ必要がなく、後片付けも不要。

● 室外機の日よけ

・直射日光で室外機が熱くなると、冷房の効率が低下。
・遮光ネットなら通気性を確保しつつ、日差しを遮れるため効果的。

写真のように、
日光が当たる室外機の日よけに。

● お子さんの遊び場の日よけ

・保育施設や自宅の砂場・遊び場に設置することで、夏場の外遊びが快適に。
・ただし、水分補給や休憩を忘れずに!

弊社にて保育施設に設置した遮光ネット

熱中症対策に遮光ネットをご検討の方は、こちらの記事もご参考にしてください。

関連記事:【熱中症対策に!】開閉も簡単、オーダーメイド遮光ネット
https://tokyotobari.co.jp/tobari-net/2024/09/24/34/

遮光ネット選びと運用のコツ

目的を明確に
「遮光」「遮熱」「風通し」「光合成維持」のどこを重視するかを先に決める。

織り方と遮光率のバランスを考慮
高遮光/ラッセル編は耐久・遮光重視、低遮光/カラミ・平織は風通し・採光重視。

作物の成長段階で使い分け
育苗〜若苗期は低〜中遮光、高温期や果実肥大期は高遮光など。

定期チェックとメンテナンス
ネットの汚れ/破れ/劣化をチェック。通気性や遮光性の低下を防ぐため、定期的な点検が大事。

まとめ

遮光ネットを選ぶ際のポイントは、

・織り方(耐久性や目ずれの起こりにくさを考慮)
・遮光率(用途に応じた適切なものを選定)

特に初心者には、耐久性が高く扱いやすい「ラッセル編」や、目的に応じた遮光率の選定がおすすめです。また、東京戸張では遮光ネットの販売のほか、ハウス・棚周辺への施工、保育施設での施工実績も多数ございます。「自分でネットを張るのは難しいかも…」という場合も是非ご相談ください。
遮光ネットを上手に活用し、作物や環境を守りながら快適な空間を作りましょう!

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本記事に関連する商品について

製品名

スカイラッセル遮光ネット

高単位PEを使用した耐候性に優れた遮光ネットで、用途に応じて遮光率をお選びいただけます。

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