【農作物の日差し】遮光ネットの効果、種類と選び方【熱中症対策】

【農作物の日差し】遮光ネットの効果、種類と選び方【熱中症対策】

【農作物の日差し】遮光ネットの効果、種類と選び方【熱中症対策】

農作物の日焼けや高温障害対策、さらに自宅の駐車場やお子さんの遊び場の日よけとしても活躍する「遮光ネット」。遮光・遮熱に便利なアイテムですが種類が多く、どれを選べばいいのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか?

この記事では、遮光ネットの効果や種類、選び方について詳しく解説します!

ユリ栽培に使用されている遮光ネット

遮光ネットとは?

遮光ネットは、ポリエチレンやポリプロピレンなどの糸を編んで作られた、軽量で通気性の良いネットです。これを使用することで、太陽の光を遮ることができます。
遮光率(どれだけ光を遮るか)は、ネットの網目の細かさによって変わるため、用途に合った遮光率を選ぶことが重要です。

織り方の違い

市販されている遮光ネットは、織り方によって特性が異なります。主に以下の3種類があります。

●平織(ひらおり)

経糸(たていと)と横糸がまっすぐに交差するシンプルな織り方。

【特徴】
・隙間が少なく、高い遮光性を確保できる。
・ただし、横糸が固定されていないため、目ずれ(織り目のずれ)が起こりやすい。

●カラミ織(からみおり)

横糸が経糸の間を絡むように織られたタイプ。

【特徴】
・目ずれが起こりにくく、安定した遮光性。
・ただし、隙間ができやすく、光が漏れやすい。

●ラッセル編(らっせるあみ)

網目を縦方向に連続して編み込む織り方。

【特徴】
・目ずれがほとんどなく、耐久性が高い。
・伸びにくく、途中で切ってもほつれにくい。
・カーテン式やハウス天井部分に張る用途にも適している。

おすすめ:
扱いやすさ・耐久性を重視するなら「ラッセル編」がでおすすめです。また、素材は「高単位PE(ポリエチレン)」のもが耐候性が高いです。

遮光率の違い

遮光ネットを選ぶ際、最も重要なのが「遮光率」です。
遮光率は「○○%」と表示され、数値が高いほど日光を遮ります。一方で、風通しの良さは遮光率が低いほど高くなります。

●選び方のポイント

栽培品目やその年の気象条件によりますが、以下の表を参考に選定し、開閉・つけ外しすることで光量を調節するとよいです。

・遮光率が高い → 強い日差しをしっかり遮る(農作物の高温障害対策など)
・遮光率が低い → 適度に日光を取り入れつつ、風通しも確保。

●作物別の使い方例

・9月どりメロン
苗の定植前後にしっかり遮光することで、遮熱効果と葉の伸長を抑え、果実を充実させる。

参考:農研機構「9月どりメロンの遮光処理による高品質化技術」
https://www.naro.affrc.go.jp/org/warc/research_results/skk_seika/h07/skk95002.htm

・かぶせ茶、てん茶
生育時に遮光ネットで被覆し、光合成を抑えることで、旨味成分、香気が増加する。

参考:農研機構「被覆茶安定生産マニュアル」
https://www.naro.go.jp/publicity_report/publication/files/hihukucha-antei_man201803.pdf

・育苗
急に直射日光に当てると日焼けや蒸散をしすぎるため、徐々に光に慣らしていく過程で使用する。

また、直射日光を抑えながら遮熱・採光を両立したい場合は、遮光率40%以下の「寒冷紗」がおすすめです。

定植後の苗にかけた寒冷紗

関連記事:寒冷紗は強い味方!キャベツからミカンまで問題を解決!
https://tokyotobari.co.jp/tobari-net/2025/01/08/post-410/

熱中症対策やその他の活用法

夏は農作物だけでなく、人間の熱中症対策も重要です。遮光ネットを活用すれば、住宅の窓際や駐車場、お子さんの遊び場の日よけとしても役立ちます。

● 駐車場の日よけ

・直射日光を遮ることで、車内の温度上昇を抑えます。

● 窓辺や軒先の日よけ

・窓からの日差しを防ぎ、室温の上昇を抑える。
・「緑のカーテン」のように使えるが、成長を待つ必要がなく、後片付けも不要。

● 室外機の日よけ

・直射日光で室外機が熱くなると、冷房の効率が低下。
・遮光ネットなら通気性を確保しつつ、日差しを遮れるため効果的。

写真のように、
日光が当たる室外機の日よけに。

● お子さんの遊び場の日よけ

・保育施設や自宅の砂場・遊び場に設置することで、夏場の外遊びが快適に。
・ただし、水分補給や休憩を忘れずに!

弊社にて保育施設に設置した遮光ネット

熱中症対策に遮光ネットをご検討の方は、こちらの記事もご参考にしてください。

関連記事:【熱中症対策に!】開閉も簡単、オーダーメイド遮光ネット
https://tokyotobari.co.jp/tobari-net/2024/09/24/34/

まとめ

遮光ネットを選ぶ際のポイントは、

・織り方(耐久性や目ずれの起こりにくさを考慮)
・遮光率(用途に応じた適切なものを選定)

特に初心者には、耐久性が高く扱いやすい「ラッセル編」や、目的に応じた遮光率の選定がおすすめです。また、東京戸張では遮光ネットの販売のほか、ハウス・棚周辺への施工、保育施設での施工実績も多数ございます。「自分でネットを張るのは難しいかも…」という場合も是非ご相談ください。
遮光ネットを上手に活用し、作物や環境を守りながら快適な空間を作りましょう!

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製品名

スカイラッセル遮光ネット

高単位PEを使用した耐候性に優れた遮光ネットで、用途に応じて遮光率をお選びいただけます。

商品の詳細情報

製品名

寒冷紗(かんれいしゃ)

網目状に織られた化学繊維の布で、霜害・害虫などの対策と、採光・通風性を両立します。

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