【台風・暴風対策に】高強度・省スペースの防風施設「自立くん」
台風などの自然災害がもたらす農林水産への被害額は、令和2年は2,473億円にものぼるそうです。温暖化の影響もあり、台風の強度は年々強くなる傾向にあります。また予測を大きく外れた進路をとる台風や、台風にまで発達しなくとも大きな風害をもたらす温帯低気圧も多く発生しています。
このような強風から農作物を守るため東京戸張が開発した防風施設「自立くん」は、果樹園やビニールハウスなどの強風・防風対策に数多く導入され、大きな成果を上げています。本記事では防風施設「自立くん」についてご紹介したいと思います。

強風対策と防風施設
まず強風対策には防風施設が非常に有効です。防風施設とは、圃場を囲むように防風ネットをはりめぐらせた施設のことで、防風ネットの効果は設置高の約20倍の高さまで効果があると言われています。防風林・防風柵などの代替案も考えられますが、防風施設の優れている点は、防風林などと比較し、虫がわかない、メンテナンスが最小限で済むなどの利点があげられます。また網であるため適度に空気を通し、風をいなすことで高い負荷に耐えることができます。網であることの利点は多く、鳥や小動物などの侵入を物理的に阻むことができます。

また防風施設では、周囲に展張する網目のサイズを調整することで耐風性能を調整することが可能です。当然網目を細かくすることで防風性能を高めることができますが、その分防風施設にかかる負荷が強くなり高い耐久性能を必要とします。どの程度の耐風性能が必要かは、地域・環境によって異なります。導入を検討される際は施工業者に相談するのが良いでしょう。
防風施設の欠点
強風・暴風の対策として非常に有効な防風施設ですが、欠点も存在します。それは十分な強度を確保するために柱一本一本を「控え柱」と呼ばれる別の柱で支えなければならないという点です。控え柱は斜めに立てられるためスペースを圧迫してしまいます。

欠点①:設置するスペースが必要
控え柱は垂直に伸びる柱に対し斜めに設置する必要があるため、二本の柱の間隔の分だけ設置スペースが必要となります。この二本の柱の間はデッドスペースとなってしまいますし、圃場を狭めることにもつながります。特に控え柱を立てる十分な幅が確保できず「スペースがなく防風施設を作れない」というのが、農家さんから多く寄せられる悩みのひとつとなっっています。
欠点②:強度が高いのは一方向に対してのみ
控え柱ふたつ目の欠点は、強度を保てるのが一方向に対してだけという点です。これは構造上仕方のないことですが、控え柱を伸ばし支えている方向に対してしか強度を発揮できません。控え柱の原理は人間の足に似ているので、揺れる電車の車内で片足を広げた状態を想像するとイメージしやすいかも知れません。
ただし強風が吹く際の風向きというのは地形によりある程度決まっていることが多く、その向きに対し施設をつくることで多くの風害を大きく緩和することができます。
これらの欠点を克服したのが防風施設「自立くん」
東京戸張の「自立くん」は上記の欠点をクリアした、画期的な防風施設です。スペースや強度の方向性に大きく影響した「控え柱」を使用せず、防風性能を確保することに成功した新しい防風施設です。
「自立くん」は防風施設を設置できなかった多くの場所で強風対策を実施することができます。

控え柱を必要としない「自立くん」の特長
「自立くん」最大の特長は何といっても、柱の強度と引き換えに多くのスペースを消費していた「控え柱を必要としない」という点です。もちろん控え柱を使用しなくても、十分な強度を持っています。このため、今まで既存の防風施設を導入できなかった狭いスペースにも、防風施設を設置できるというのが「自立くん」の優れた点と言えます。
耐風性能は最大40m/s
「自立くん」の耐風性能は実に最大40m/sを誇ります。耐風性能40m/sはどの程度の強風に耐えられるのと言いますと、風速25m/sをこえると木の幹は折れはじめる。風速30m/sでビニールハウスのフィルムが広範囲に破れ、35m/sに達すると走行中のトラックが横転することがあるとされています。
また一般的な台風の風速は最大でも33m/sと定義されており、「自立くん」はこれらを上回る40m/sに耐える試験結果が出ています。

本柱にも強度の高い鋼管を使用
控え柱を使用しない「自立くん」は、強度確保のために柱自体も強度の高いものを使用しています。GL3m(Ground Level=地面からの高さ)のものでは、柱の直径が76.3mm厚み4.2mmと太く暑く、素材自体も硬度の高い鋼管を使用し、柱自体の損壊にも十分な対策が施されています。
全長1mの巨大ロケットアンカー
「自立くん」の強度を支えるもう一つの秘密は、地中に埋め込む巨大ロケットアンカーにあります。控え柱を使用せず十分な強度を保てるよう、全長1メートル、成人男性の胴部ほどの大きさのロケットアンカーを地面に打ち込み、柱を安定させています。
このロケットアンカーにより、基礎工事なしでコンクリート基礎と同等以上の耐久性を獲得しています。基礎工事、またコンクリートアンカーのように大量の掘削がないため、地山を傷つける心配がなく、土壌そのものの強度を最大限残すことできます。

人間大とも言える大きさのロケットアンカーを地面に打ち込むことにより自立し、コンクリート基礎工事・控え柱不要ながら十分な強度を確保。
(左:ロケットアンカー打設作業)
たくさんの導入実績
既に多くの地域・場所で「自立くん」の導入が行われ、果樹園や圃場を守っています!鳥の住処となってしまった防風林の代わりや、スタッフの高齢化のためメンテナンス性を向上したいなど、設営される農家様のご要望はそれぞれですが、多くのケースを「自立くん」が解決へとつなげています。高い強度を持ちながら構造自体がシンプルなこともあり、基礎費・施工費は安く経済的というメリットもあります。


地面状況により強度は異なります
どんな防風施設、もちろん「自立くん」にも言えることですが、設置場所の地面の状態に応じ強度は異なってしまいます。地面が柔らかければ支える柱は不安定となり、耐久性は下がってしまいます。
そのため、自立くん、その他の防風施設のいずれにしても、まずは現地の調査が重要となります。
現地調査をご希望される方は、専門のスタッフがお客様立ち合いのもと調査を行いますので、下記のお問い合わせ先よりご連絡ください。
お問い合わせ・お見積り
◆ お電話からのお問い合わせ
【東京戸張 農産事業部】
・仙台営業所:022-261-0991
・東京営業所:03-5405-1081
・愛知営業所:0533-68-7155
・岡山営業所:086-244-3112
・福岡営業所:092-722-2770
・鹿児島営業所:099-210-0974
※最寄りの営業所へお問合せください。
◆ メールでのお問い合わせ
