【アスパラガスの栽培】アスパラネット、フラワーネットで倒伏防止

【アスパラガスの栽培】アスパラネット、フラワーネットで倒伏防止

【アスパラガスの栽培】アスパラネット、フラワーネットで倒伏防止

アスパラガスは緑黄色野菜の中でもカロテン、ビタミンB,C,E群、ルチン、アスパラギン酸を多く含み、抗酸化作用が期待される野菜です。味においても甘味、旨味が強く、この旨味も栄養素であるアスパラギン酸がもとになっています。
また、嗜好性が高い野菜であり、市場価格が安定していると言われています。
全国出荷量は約22,000t、都道府県別で最も多いのが北海道、次いで佐賀県、以下5位までは熊本県、長崎県、福岡県の順に生産されています。長野県や秋田県でも多く栽培され、出荷の時期は地域によって異なります。

参考:政府統計 令和5年産野菜生産出荷統計
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/

アスパラってどんな野菜?

日本で市場に出回るアスパラガスの多くは、グリーンアスパラガスとホワイトアスパラガスです。どちらも同じ品種で、日光に当てて育てるとグリーンに、盛り土をして収穫部位を日光に当てずに育てるとホワイトアスパラガスになります。流通量が少ないものでは、小さいうちに早どりしたミニアスパラガス、品種が異なり甘く、アントシアニンを多く含む紫アスパラガスがあります。
アスパラガスの収穫部位は地中の地下茎から出る新芽の部分で、タケノコを収穫するのに近いイメージです。スイスやドイツをはじめとしたヨーロッパの各地では、春の到来を告げる旬野菜として人気があります。この点も日本のタケノコと少し似ていますね。

日本へは江戸時代に観賞用としてオランダから輸入されました。明治に一部でホワイトアスパラガスが食用となりましたが、グリーンアスパラガスとともに食用として広く栽培されるようになったのは昭和に入ってからと言われています。
ちなみに、台湾ではホワイトアスパラガスを使ったジュース『蘆筍汁』も親しまれています。筆者も試してみましたが、甘味の中に旨味と、アスパラ独特の風味がマッチして美味しいと思いました。たまに思い出すと飲みたくなる味です。

ホワイトもグリーンも同じアスパラガス!

アスパラガスの栽培

アスパラガスは野菜に珍しく多年草で、同じ株で10年程度収穫が可能です。栽培を始める際は、販売されている充実した株であれば、秋に植え付けて次の春には収穫が可能です。種からの場合は時間がかかり、発芽から収穫まで2~3年が必要になります。

一度定植すると長期間収穫し続けることができるため、途中で動かす必要がない場所に植え付けをしましょう。また、その間は大規模な土壌改良も行えませんので、あらかじめ緩やかに作用する肥料を多めに施します。ただし、肥料ヤケや病害虫の元にならないよう追肥を踏まえた肥料設計が必要です。
また、アスパラガスは雌雄異株で、雌株は秋ごろに赤いミニトマトのような実をつけます。甘味がありますが、種が多いため食用には向きません。

飾りたくなる可愛らしさ

アスパラガスの収穫サイクル

アスパラガスは地中にある地下茎(ちかけい)から発生する鱗芽から伸びた若茎(じゃくけい)が収穫部位です。地下茎は一方向に伸び、後ろの方の若茎から収穫します。また、栄養分は地中の根から得るほか、若茎を収穫せずに伸長させる養成茎(ようせいけい)で光合成を行っいます。

アスパラガスの収穫は2通りあり、「春どり」の場合は根に蓄えた養分で若茎をのばし、春~初夏に収穫します。「長期どり」の場合は春どり期の時期を短くし、5~6月ごろから養成茎を出して光合成でも栄養分を作りながら、秋ごろまで若茎を収穫します。収穫を終えた10月~11月ごろは養成茎の光合成を根からの養分の転流期とし、冬季~翌春までは休眠期となります。

参考:アスパラガス 収量性向上マニュアル – 長野県
https://www.pref.nagano.lg.jp/enchiku/sangyo/nogyo/engei-suisan/yasai/documents/aspragusmanual.pdf

大事な養成茎に、アスパラネット!

アスパラガスの養成茎は細く、側枝・疑葉がもさもさと絡みやすく、風に弱いです。そのため、倒伏を防止して通気性を保ち、効率よく日に当て光合成させるために支えを用意しましょう。支えにはアスパラネット、フラワーネットが最適です!

モサモサをまとめ、倒伏防止に!

アスパラネットの張り方は以下の手順で行います。

【準備するもの】
・アスパラネット
・支柱
※必要な高さ+15~30cm(地中に埋めるぶん)の長さ
※錆に強い亜鉛メッキ加工のパイプなどがおすすめです。
・紐(専用バンド)

アスパラガスの養成茎は1.5mほどと背丈が高くなるため、支柱は地上から120cm程度の高さが目安です。強度が強く経年劣化が少ない素材のものがおすすめです。また、ネットは2段にすると枝が整理しやすいです。1段目を地面から50cm、2段目を100cmくらいを目安に、成長に合わせて調整しましょう。

【① アスパラネットを広げる】
設置する畝に、アスパラネットを広げます。
※支柱を先に設置しても設置は可能ですが、ネットを支柱の上から突き通す手間がかかります。

【② 支柱を立てる】
畝の両端から2本ずつ、2m感覚で支柱を立てていきます。
このとき、ネットがしっかり貼るように少し引っ張りながら網目に支柱を立てていきましょう。土に差し込む深さは15~30cm程度刺さっていると、強風時にも倒れにくいです。

【③ アスパラネットを張る】
草丈が低いうちはネットの高さを下げておき、作物の成長に合わせて引き上げて使用します。
※ネットが途中で緩まないように、適宜紐で結んでください。

アスパラネットの張り方は、フラワーネットと同様です。
さらに詳しい設置方法は、東京戸張公式YouTube「プロが教える!フラワーネットの張り方_東京戸張」をご覧ください!

成長に合わせ高さを変える

ネットを張った後も、作物の成長に合わせた高さ調整をたわみなく整えるのは手間がかかります。2種のパーツを作成することで、作業時間が短縮されてメンテナンスがしやすくなります。

■パーツ① 留め具
【材料】
・木材(厚さ2cm程度)
・パッカー(ビニールハウスで単管にフィルムを留める部材)

支柱の太さに合わせて選定したパッカーを木材の両端に留め、木材にはフラワーネットの網目に合わせて切れ込みを入れて使用します。作物の成長に合わせて高さを上げる際は、留め具をハンマー等で下からたたいて上げられるので便利です。

■パーツ② 引っ掛け具
【材料】
・針金

下の図のように針金を曲げたフックを作り、たわまないように支柱とネットの縦糸を留めることができます。
※専用のバンドや紐に比べて、柔軟性がないため強風時にはネットを傷めてしまう可能性があります。特に単糸の場合注意しましょう。

参考:農研機構「切り花栽培におけるフラワーネット張りの省力化技術」
https://www.naro.affrc.go.jp/org/tarc/seika/jyouhou/H13/yasai/H13yasai030.html

ネットのことなら、お気軽に!

東京戸張では、アスパラネットをはじめとして農業に役立つ資材を多数取り揃えております。使い方や、ご自身の圃場に合うサイズなど、わからないことがありましたら、下記ご連絡先よりお気軽にご相談ください!

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