【保存版】寒冷紗とは?防虫・防霜・遮光の使い方を徹底解説!

【保存版】寒冷紗とは?防虫・防霜・遮光の使い方を徹底解説!

■最終更新日:2025.12.5

【保存版】寒冷紗とは?防虫・防霜・遮光の使い方を徹底解説!

寒冷紗(かんれいしゃ)は、防虫・防霜・日焼け防止・風対策・乾燥防止までこなせる農業資材です。野菜から果樹まで幅広く使えるため、近年は気候変動対策としても注目されています。この記事では、寒冷紗の効果・種類・使い方・作物別の活用例を分かりやすく解説します。

寒冷紗とは?不織布との違い

寒冷紗はポリエステルやビニロンなどを素材にした網状のシートで、通気性・透光性が高いのが特徴です。用途は不織布と似ていますが、不織布は繊維を重ねて接着、または熱処理をしてシート状にしているのに対し、寒冷紗は網目状に折ってあるため通気性、透光性に優れています。
保温性では通気性が少ない不織布が勝りますが、暑さ・寒さに対応できる寒冷紗は春・秋に幅広く役立ちます。また、不織布は水を通しにくいですが、寒冷紗は透水性があり、被覆したまま水やりも可能です。寒冷紗=春夏のストレス軽減、不織布=冬の保温と使い分けるとよいでしょう。寒冷紗には色や素材のバリエーションがあるため、用途に合わせて選定しましょう。

五つの悩みを解決!寒冷紗の役割

霜害、日焼け、害虫被害…これらは農業において頻繁に直面する課題です。寒冷紗は、次のような役割を果たし、それらの問題を効果的に解決します。

①霜よけ

夜間の放射冷却をやわらげ、霜害リスクを軽減します。とくにホウレンソウ・キャベツ・ブロッコリーなどに適しています。

霜が降りる状況は、地表近くの温度が0°以下で起こります。作物自体は寒さに耐えても、霜にあたることで葉などが変色し、見た目や品質が落ちてしまうおそれがあります。
作物を霜にあてないためには日中に蓄えた地面の熱やをある程度保ち、土や葉に氷の粒をつけないことが大事です。
秋や早春で寒冷紗は防霜効果があり、霜が降りる季節に葉物野菜や苗を守るために活躍します。例えば、小松菜やほうれん草などでは、寒冷紗を被覆するだけで霜害のリスクを大幅に軽減できます。
また、土の保温には断熱素材を使用するとより効果的です。マルチや藁、もみ殻などと併用すると良いでしょう。

②防虫対策

寒冷紗は1–2mm程度の細かい網目構造を持ち、チョウやカメムシ、コバエ、バッタなど中型以上の害虫を防ぐことが可能です。一方、アザミウマやコナジラミ、アブラムシのような極小サイズの害虫には、1mm目以下の防虫ネットの使用が効果的です。

③遮光と日焼け防止

半日陰を好む作物や、幼苗期に対して、または早い季節でも急に夏日になる日など、直射日光は作物の葉にダメージを与える場合があり、その後の生育や品質に影響します。
寒冷紗は遮光性があるため直射日光を防ぎ、地温の急激な上昇も抑えます。白色の方が透光率が高く一般的には遮光率は20~30%程度です。黒の方がより光を抑えるため夏場の使用に向いています。
また、遮光を目的とする場合は、「スカイラッセル遮光ネット」の使用もお薦めです。遮光率が50~95%まで6段階から選定でき、遮光・遮熱性能に優れています。

④防風

台風などの強風時に、作物の枝や葉が折れてしまったり、果実が落下してしまうことがあります。寒冷紗を作物にかけておくことで、風を適度に逃がしつつ局所的な強い力がかからないようにします。

⑤保湿

日光により急に土の温度があがると、同時に水分が蒸発して失われます。幼苗は特に影響をうけやすく、短時間でしおれたり葉ヤケをおこしてしまうことも。寒冷紗をかけることで、温度や水分など急激な変化を抑えて、安定した環境づくりに役立ちます。発芽期のホウレンソウ・コマツナにも適しています。

長く使えるコストパフォーマンス

寒冷紗は、繰り返し使える耐久性の高い資材です。紫外線による劣化は避けられませんが、エステル寒冷紗(ポリエステル製)、クレモナ寒冷紗(ビニロン製)ともに7~8年は使用できます。実際に導入されている方も、繰り返しご使用されています。
数年にわたって使用できる資材のため、穴が開いても多少の補修はできますが、手間がかかりますよね。ビニールマルチなどの使い捨て資材と併用する際にガバッ!といっぺんに作業したくなりますが、丁寧に扱っていただくとその後も使用しやすいです。

寒冷紗の種類

東京戸張の寒冷紗は素材が2種類、それぞれ色が白・黒2種類あります。
用途に合わせた素材の他、幅・長さも多数バリエーションがあるので、使用する作物や圃場に合わせて選定いただけます。

【エステル寒冷紗の特長】
・ポリエステル製
・軽量で扱いやすい
・価格が安く、コストパフォーマンスに優れる
・白の寒冷紗は冬用(霜除け等)、黒の寒冷紗は夏用(紫外線除け等)

【クレモナ寒冷紗の特長】
・ビニロン製
・エステル寒冷紗に比べ、より耐久性が高い
・親水性が高い
・白は虫除け、保温、保水、目合いは1mm、 黒は遮光、保温、保水、目合いは1.2mm

色による特徴は、白い寒冷紗の方が光を通して光合成の阻害がすくない一方、反射光率が高く断熱性があり、日中の温度上昇が少なくなります。そのため夜間との寒暖差がすくなくなり作物、果樹に与えるストレスが少なくなります。このことから、白い寒冷紗は「気温が低い時期に向いている」といえます。

参考:「農研機構 果樹研究所 カンキツの風害・潮風害対策-5」
https://www.naro.affrc.go.jp/archive/fruit/kajyusaigai/chogai/measures/citrus/017374.html

寒冷紗の使い方

【畑で使用する場合】
背の低い作物(ホウレンソウ、キャベツ、ハクサイ、ダイコンなど)には、「じかがけ」と「トンネルがけ(うきがけ)」の2通りの方法があります。

■「じかがけ」
作物に直接かけて、裾を土にピンなどで留める方法です。
・メリット:簡単で手軽なこと!寒冷紗とピンがあればよいので資材費も最小限で済みます。
・効果:早春期、晩秋の保温、防霜に効果的です。
・注意点:葉菜類、根菜類の葉は特に、寒冷紗が直接作物にかかるため空間が密になり、作物の蒸散によって湿度が高まりやすくなります。

■「トンネルがけ(うきがけ)」
トンネル状のフレームなど、簡易資材を使用して作物と空間を空けて被覆する方法です。
・メリット:風の影響を作物に伝えにくい、水でぬれた際に重さが作物にかからない。
・効果:防霜、遮光、遮熱に効果的です。
・注意点:フレーム材が必要なため、じかがけに比べて資材費と労力がかかります。

トンネルがけ(うきがけ)には、「トンネルメッシュが」便利です!
雨が当たる環境でもサビに強い、亜鉛メッキ線を半円に組んだトンネルです。シートを掛けることで雨除けや保温、防雹、防虫、遮光など様々な用途にに使用できます。地面に設置してトンネル栽培とするほか、果樹棚に設置して雨除けとして使用することも可能です。また、使用しない時期は重ねて保管ができるためスペースもそれほど必要ありません。

【果樹に使用する場合】
寒さに弱い幼木や、かんきつ類の樹体の凍結、春先の花芽は遅霜による被害の対策になります。また、柑橘類・桃・柿・りんごなどで、日焼け果・枝の風擦れ防止のために使用されています。
果樹全体を寒冷紗で覆うか、周囲に支柱を建ててアンドンのような形で囲う方法があります。

メンテナンス

基本的には手間がかからない寒冷紗ですが、より長く使うために抑えるポイントが3つあります。

■ときどき洗う!
畑で寒冷紗を使用すると、どうしても泥はねなどで目がつまり通気性が悪くなることがあります。そんなときは水やりのついででも良いので、たまにざざっと洗って下さい。

■オフシーズンは日陰で保管!
耐候性がある寒冷紗ですが、紫外線劣化を防ぐため使わないときは日光を避けておくとより長持ちします。

■破れは早めに補修!
寒冷紗が破れたり穴が開いたときは広がらないうちに補修して、バタつき防止のためにしっかり固定しておきましょう。テープや、重石で抑えて置く程度でも構いません。

寒冷紗で農業をもっと効率的に!

寒冷紗は、野菜・果樹・苗の管理まで幅広く使えるオールマイティーな資材です。
防虫・防霜・日焼け対策・防風など、1枚で複数の問題を解決できるため、困りごとに合わせて選ぶことで、作物の育成をしっかりサポートできます。
用途に合わせた寒冷紗の選び方や設置方法で迷ったら、ぜひお気軽にご相談ください!作物や地域条件に合わせて最適なご提案をいたします。

ご興味のある方は東京戸張まで、お気軽にお問い合わせください!

お問い合わせ・お見積り

◆ お電話からのお問い合わせ

【東京戸張 農産事業部】
・仙台営業所:0533-68-7155
・東京営業所:0533-68-7155
・愛知営業所:0533-68-7155
・岡山営業所:086-244-3112
・福岡営業所:092-722-2770
・鹿児島営業所:099-210-0974
※最寄りの営業所へお問合せください。

◆ メールでのお問い合わせ

お問い合わせ・お見積り

本記事に関連する商品について

製品名

寒冷紗(かんれいしゃ)

網目状に織られた化学繊維の布で、霜害・害虫などの対策と、採光・通風性を両立します。

商品の詳細情報

製品名

スカイラッセル遮光ネット

高単位PEを使用した耐候性に優れた遮光ネットで、用途に応じて遮光率をお選びいただけます。

商品の詳細情報

製品紹介カテゴリの最新記事